『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の「犬宝物タイムアタック」RTAが面白い。超高速で犬のもとへ飛んでいき“エサをやる”戦い

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のRTAにおいて、独自チャレンジが今注目を集めている。その内容とは、いかにはやく犬にエサをやるかというもの。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(ゼルダの伝説 BotW)』のRTA(スピードラン)において、独自チャレンジが今注目を集めている。RTAにおいては、ただ本編をクリアするだけでなく、独自のルールによるユニークなチャレンジが繰り広げられることも多い。『ゼルダの伝説 BotW』において現在、いかに速く犬たちのそばへ行ってエサをやれるかというチャレンジが繰り広げられているようだ。Polygonなどが報じている。

そのチャレンジ名は「All Dog Treasure」。本作の世界の各地には、かわいらしい犬が存在している。彼らを撫でることはできないものの、プレイヤーであるリンクのことをやや気にかけているように見える。実はこの犬たちには、エサをやることが可能なのだ。果物や肉などを地面に置くことで、エサやりができる。食べ物を一定数あげることで、犬たちは感謝してか、プレイヤーをとっておきの宝箱が埋まっている場所へと誘導する。宝箱は地中に埋まっているので、マグネキャッチを使えば掘り出すことが可能。そうして掘り出した宝箱を開ける。このプロセスがDog Treasureであるというわけだ。各地にいるすべての犬のもとへたどり着き、エサをやって懐かせた後に宝物をもらう。それをいかに速くこなすかが「All Dog Treasure」の鍵となる。

聞こえこそほんわかしているが、速さを競うだけに本気の戦いが繰り広げられる。いくら目的がエサやりだといえど、走者が手を抜くことはないのだ。最速記録を保持するVivoxe氏のプレイを見てみよう。盾サーフィン壁抜けで祠に侵入し、Bullet time Bounceで跳躍。WindBombなども交えながら、超高速にハイラルの地を駆けていく。まず向かったのはりんごの木のそば。そう、犬になついてもらうためにリンゴを集めているのだ。

その後、各地の犬のもとへ移動。リンゴをじっくりと食してもらった瞬間、犬が案内する前に埋まっている宝箱のもとにたどり着き、中身を入手する。神獣を解放することもなく、ガノンを倒すわけでもない地味な試みは、最後の2匹にエサやりをして最後の宝箱を掘り起こしたところで終了。終了間際には犬に剣を投げまくるなど、破天荒な面を見せながら1時間35分51秒にてフィニッシュした。実は犬はすぐに食べ物には反応するわけではないので、誘導にもコツがいる。単なる犬へのエサやり回りであるが、これまで発掘されたテクニックが随所に用いられ、ゲームへの深い知識を持ち合わせていることを感じさせる、華麗なプレイであった。

「All Dog Treasure」は、『ゼルダの伝説 BotW』RTAの“外伝”的なチャレンジであるExtensionsのひとつだ。実はExtensionsではそのほかにも、変わり種RTAが繰り広げられている。たとえばゲームを始めてから“いかに速く死ねる”を決めるDieカテゴリー。このカテゴリー内は死因で細分化されており、崖落ち落下死やガーディアンからの攻撃死、つめたい湖での凍死などやたらと死ぬルールのバリエーションが豊か。どの記録も1分から3分以内に収まっており、コンマ1秒を争う熾烈な競技である。

こちらをアレンジし、回生の祠でいかに速く死ねるかを競うGo Home and Dieも存在する(Amiiboなしバグありの最速記録は3分27秒)。ほかにも、湖(Lake)までいき熊手(Rake)を投げ込むRake in lakeカテゴリー(Amiiboなしバグありの最速記録は3分10秒)など、へんてこなルールが多い。もちろん全コログ集めや全タワー登りなど正統派カテゴリーも存在する。ただし、ちょっぴりひねりを効かせたカテゴリーも、Extensionsの魅力であるかもしれない。

※ Go Home and Die カテゴリーの最速動画。せっかく目覚めたにもかかわらず、祠に帰り自害するリンクの姿はかなりシュール

なおTwitterユーザーのくらーれ氏の報告を見ると、「All Dog Treasure」は2018年4年時点ですでに存在していることが確認できる。ここ3か月で走者が増加しているようで、最近になり再び犬のエサやりチャレンジに精を出しているプレイヤーが増えたことから、話題にのぼったのだろう。ユニークなルールのRTAは「RTA in Japan」や「Summer Games Done Quick」「Awesome Games Done Quick」などでも散見される。ゲームを普通のプレイを楽しんだ後はこうしたプレイを見たり、もしくは自分自身も一風変わった極め方をしてみるのも面白いかもしれない。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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