風情ある京都の街並みを再現できるアセットパック「Kyoto Alley」UE4マーケットプレイスにて販売開始
3D背景アーティストの中村基典氏は1月23日、伝統的な京都の街並みを再現できるアセットパック「Kyoto Alley」を、UE4マーケットプレイスにて販売開始した。価格は1万8027円。Unreal Engine 4はもちろん、FBXとTGAをエクスポートすることでUnityなどでも使用でき、また商用利用も可能とのこと(改変可能なデータ形式での二次配布は不可)。
中村氏は、都内のゲーム開発会社に勤めモバイルやコンシューマーゲームの3D背景制作に携わる一方で、フリーとしても活動している3D背景アーティストだ。2017年には神社を再現するアセットパック「Shinto Shrine」を手がけ、同じくUE4マーケットプレイスで販売。フォトグラメトリを活用しながら細部まで作り込まれた仕上がりが高い評価を得た。同氏は、次は京都を作りたいとずっと考えていたそうで、2019年4月に決心し、フリーの仕事を断って作り上げたのだという。
今回販売開始された「Kyoto Alley」は、京都の清水寺の近くにある二寧坂(二年坂)と産寧坂(三年坂)をモチーフにしており、テクスチャには現地で撮影したものを利用しているとのこと。アセットに含まれる五重塔も、この近くにある法観寺の八坂の塔をモデルにしたという。この界隈は昔ながらの風情が残る観光スポットでもあり、公開されたデモではその雰囲気が見事に再現されていると言えるだろう。
家屋のアセットは7種類収録され、それぞれ3種類のサイズを用意。さらに屋根の形状が3種類、軒瓦のデザインも3種類あり、これらを組み合わせることでバリエーションを作ることができる。また扉は5種類、窓は7種類を収録。そのほか石畳や階段、竹垣などに加え、店先ののれんや看板、野点傘、行灯といった小物、垂れ桜や柳といった植物なども。昼間と夜間のデモマップも用意している。なお、現時点では屋内については制作する予定はないとのこと。詳しい収録内容はUE4マーケットプレイスを確認してほしい。
制作者の中村基典氏は、先述した神社アセットパック「Shinto Shrine」を題材に、高品質かつ軽量なリアルタイムレンダリング用背景アセット制作のチュートリアルをCGWORLD誌にて公開している(有料)。「Kyoto Alley」も基本的には同じ手順で作成したとのことだ。また昨年4月には、「Shinto Shrine」にてUE4マーケットプレイスを初めて利用した経験について「UNREAL FEST WEST 2019」にて講演。弊誌ではその模様を伝えているため、興味のある方はそちらもチェックされたい。
*2月18日に発売予定のリズムアドベンチャー『ジラフとアンニカ』には、中村氏も背景制作で参加。その主人公アンニカが、早速京都の街を散策している。