ドラマティック横スクSTG『ナツキクロニクル』発表から5年を経てついに発売。待たせてしまったファンへのクリスマスプレゼント

有限会社キュートは12月25日、ドラマティック横スクロールシューティングゲーム『ナツキクロニクル』をXbox One向けに発売した。発表から実に5年。クリスマスプレゼントして12月25日に配信された。

有限会社キュートは12月25日、ドラマティック横スクロールシューティングゲーム『ナツキクロニクル』をXbox One向けに発売した。ダウンロード専用で、価格は4950円(税込)。

『ナツキクロニクル』は、2013年発売の縦スクロールシューティング『ギンガフォース』と世界観を同じくする作品である。フルボイスでストーリーが展開する「クロニクルモード」では、人類が開拓した7番目の地球型惑星セブンティアを舞台に、MSS即応連隊RDFに配属された女性パイロット「ナツキ・スギウラ」としてプレイ。『ギンガフォース』にて描かれた物語の裏で孤軍奮闘した、彼女の歩む道のりを辿っていく。なお同作に引き続き、ナツキのボイスは声優の笹本菜津枝さん、BGMは安井洋介氏が担当している。

本作の特徴のひとつは、機体装備のカスタマイズ性の高さだ。機体には、前方への攻撃を主体にするメインウェポン、後方や上下方向の攻撃をおこなうサブウェポン、そしてエネルギーゲージを消費して使用するスペシャルウェポンを装備可能。ゲームプレイにて特定の条件を満たすことでそれぞれの武器がアンロックされていく。

たとえば、メインウェポンにはフロントショットやレーザーなどがあり、サブウェポンにはバックショットや対地ボムなど、そしてスペシャルウェポンでは前方や周囲をカバーできるオプションを配備できる。アンロックした武器は、ステージクリア時に獲得できるCR(研究開発費)を消費して開発すると機体に装備可能。ステージに応じた最適な武器を選択して出撃するのだ。

もうひとつの特徴としては「弾道表示機能」が挙げられる。これは敵が攻撃してきた際に、その弾が進む軌道をあらかじめ表示する機能だ。赤いラインで可視化されるため、敵弾を避けるのが苦手なプレイヤーにとって役立つだろう。すべての弾道を表示するか、脅威度の高いものだけを表示するかが選択可能で、もちろんオフにもできる。

また、本作では自動回復するシールド制を採用。自機が被弾してシールドゲージが減少しても、時間経過と共に徐々に回復していく。さらに、ステージを繰り返しプレイすることで「Ex.Shield」と呼ばれる追加シールドがアンロックされ、シールドゲージが拡張される。この追加分までは自動回復しないが、より有利な状況からステージを開始できるわけだ。

ゲームモードには、先述のクロニクルモードのほかに「アーケードモード」も収録する。こちらはセリフなどの演出が可能な限り省略されたモードで、最初のステージから最後まで引き続いてプレイする形式。純粋にシューティングゲームプレイだけを楽しみたいプレイヤー向けだと言えるだろう。また機体の武器は、ステージ内に出現するパワーアップアイテムを獲得して変更する形となっている。そのほか、オンラインランキングにも対応する。

『ナツキクロニクル』は、日本でのXbox Oneのローンチを控えた2014年6月に開発中であることが明かされ、その年の東京ゲームショウに合わせて正式発表された。当初は2015年春に発売予定とされていたが、さらなるクオリティアップのためとして発売延期を重ねることに。そして、しばらく続報が途絶えていた中、今年12月になって本日12月25日の発売決定が突如発表されファンを驚かせた。

発表から実に5年半を経てついにリリースとなったが、なぜこれほど時間がかかったのか、本作の開発・販売元キュートの代表取締役 大迫猛氏に伺ったところ、諸事情が絡んでおり今は話しにくいとコメント。ただ、ちょうどクリスマスという日に発売したという点については、待たせしてしまった皆様への感謝の気持ちと重ね合わせた事と、開発終了からなるべく早く届けたいという気持ちの両方が合致した結果とのことだ。

Xbox 360では、同社の『ギンガフォース』や『エスカトス』を含め数多くのシューティングゲームが発売されたこともあり、『ナツキクロニクル』がXbox One向けに発表されたのは、ある意味自然な流れとも言えた。しかしそれから5年が経ち、コンソールプラットフォームを取り巻く状況は大きく変化している。それでも、当初予定どおり本作をXbox One専売とした点について大迫氏は、まずキュートは小規模な会社であるため、一度に複数のプラットフォームでリリースするのは困難であると述べる。その上で、Xbox Oneで動作すると発表したため、それに期待して待ってくれたお客に対してきちんと応えるべきだと思ったことが大きな理由のひとつだと話してくれた。

また、本作においてはパッケージ版の発売を望むファンも多いが、結果的にダウンロード専用となった。大迫氏自身もファンからの要望は把握しており、それに応えたいという思いや、お世話になった店舗の方々と仕事を一緒にしたいという思いがあったたという。しかし、このタイミングでのXbox Oneの状況や市場などを考えると、同社の企業力ではパッケージでのリリースは難しいと判断したとのこと。とはいえ、今後については要望に沿えるような方法を模索していくつもりであるとし、また何か良い発表ができるよう検討を続けていくとのことだ。

ナツキクロニクル』は、Xbox One向けにMicrosoft Storeにて販売中。首を長くして待ち続けていたファンはもちろん、シューティングゲームに興味がある方はチェックしてみてはいかがだろうか。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

記事本文: 6889