『オーバーウォッチ』のJeff Kaplan氏、暖炉の前で8時間くつろぐ恒例のユールログ配信実施。今年のKaplan氏はよく喋る
『オーバーウォッチ』のゲームディレクターJeff Kaplan氏は12月24日、Twitchにて約8時間におよぶユールログ(Yule log)配信を実施した。ゲームに関する新情報を発信するわけではなく、暖炉の前の椅子に腰をかけ、ただひたすらカメラを見つめるという内容。2017年に始まり、恒例行事化しつつある癒しのひとときは、YouTubeでもフルバージョンを視聴できる。なお今回のKaplan氏は、例年に比べてよく喋る。
ユールログ放送の歴史は1960年代にまで遡る。米国では、ニューヨークのローカルテレビ放送局WPIXが1966年に初めて放送したと記録されており、暖炉の薪が燃えている様子を長時間にわたり放送する、ホリデーシーズンの恒例行事として定着していった。暖炉がない家庭でも焚き火の映像と音声から暖かみを感じとれるわけだ。テレビでのユールログ放送は暖炉だけを映すものだった。しかし2015年、俳優Nick Offermanが、スコッチ・ウィスキーのグラスを片手に暖炉のそばに座り、じっとカメラを見つめるという「Nick Offerman’s ‘Yule Log’」をネット上で公開。以降、暖炉の前で人が安らぐ様子を映すユールログ配信が増えていった。
Jeff Kaplan氏のユールログ配信は2017年に始まった。当時は10時間という長丁場で(おそらくは事前に収録した映像を編集したもの)、基本的にはじっと座っているだけという、動きの少ない映像となっているが、ときおりイレギュラーイベントが発生する。Kaplan氏がプレゼントを開封したり、「こんなの馬鹿げているよ、給料を上げてもらわなくちゃ」とぼやいたりといった具合だ(関連記事)。
2018年のユールログ配信はさらに芝居がかかっていた。開始から1時間後、Kaplan氏は牛乳と一緒にクッキーを食べようとするも、マグカップに牛乳が入っていないことに気づき、困惑しながら「牛乳を取りにいくよ」と言ってカメラから消える。その後は代役として、Matt Mercer氏(マクリー役)、Charlet Chung氏(D. Va役)といった声優陣や、「Overwatch World Cup」のホスト/解説を担当しているSoe Gschwind氏が入れ替わりながら椅子に座り、静かなる時を過ごしていく。牛乳を取りにいったKaplan氏は6時間後に帰ってくるも、時すでに遅し。クッキーは代役のみんなが平らげてしまっていた。Kaplan氏は、「クッキーがなくなっちゃった」と悲しそうな顔で定置に戻っていった。
*2018年の『オーバーウォッチ』ユールログ
そして今年2019年には、Kaplan氏によるソロ配信に回帰。クリスマスツリーを前面に配置し、背後の壁に写真を飾ったりと、同じセットのようでも実は毎年豪華になりつつある。そしてときおり、ツリーの下に置かれたプレゼント箱をひとつずつ開封していくイレギュラーイベントが発生する。まず最初の箱に入っていたのは、コミュニティからの贈り物だという装飾品の数々。Kaplan氏はそれらを椅子横のツリーに飾り付けていった。Blizzard社内では毎年、こうしたコミュニティからの贈り物でツリーを飾っているという。
次の箱から出てきたのは、『オーバーウォッチ』仕様のケースに入ったNintendo Switch。「さあて、みんなのお気に入りのSwitchタイトルは入っているかな。入っているね。『オーバーウォッチ』を遊ぶ時間だ」。しばらくの間、Nintendo Switchで『オーバーウォッチ』を遊ぶKaplan氏を見守る時間が流れる。「味方のマーシーがひとりで突っ込んでいったよ。なんでそんなことを」といったひとりごとや、「ゲームを遊んでいる間、あまりに喋るものだから、奥さんに“ストリーマーになるべきだったんじゃない?”とからかわれるんだ」といったプチ情報を口にしながらプレイするKaplan氏。他のプレイヤーとボイスチャット付きで遊んでいると正体に気づかれ、集中的に狙われたりと問題が生じることから、最近ではボイスチェンジャーを使って遊んでいるそうだ。
次なるプレゼントは、タブレットから流れる友人からの動画メッセージ。ソンブラ役のCarolina Ravassa氏、シンメトラ役のAnjali Bhimani氏からKaplan氏およびファンに向けた感謝の言葉。そして昨年のユールログで最後のクッキーを食べてしまったSoe Gschwind氏による謝罪メッセージ。なお今回のユールログにてKaplan氏は、無事クッキーを食べることに成功している。クッキーを牛乳につけてから頬張り、「二度漬けはしたくないんだ」と自らのこだわりを語っていた。そのほか、スタッフからの差し入れとしてタピオカミルクティーも飲んでいる。メイの「ハニーデュー」スキンの一部として取り入れられたドリンクであるが、ジャンクラットのお気に入りでもあるという。
最後のプレゼントは「Overwatch Junkrat & Roadhog」レゴセット。380ピースから構成される商品であり、配信の後半2時間は同セットの組み立てに費やしていた。前から欲しかったそうで、開封するKaplan氏の表情もにこやか。説明書を読み込み、Kaplan氏のエピソードトークを挟みつつ、レゴを完成させていった。このように今年はKaplan氏の発言数が多く、エンターテインメント性が高くなっているように思える。『オーバーウォッチ』ならびにJeff Kaplan氏が好きな方は、ホリデーシーズンのお供として配信を覗いてみるのも悪くないだろう。
なお『オーバーウォッチ』では1月3日まで「ウィンター・ワンダーランド」イベントが開催中。期間限定ゲームモードとして、過去の同イベントでも登場した「イエティ・ハント」「メイの雪合戦」のほか、新ゲームモード「スノーボール・デスマッチ」がプレイ可能。期間内にログインすると、ウィンター トレジャー・ボックスを5つゲットできる。