「No」と言える人になれるゲーム『Say No! More』発表。職場の上司らの要求を「いたしません」と次々に拒否していく

パブリッシャーのThunderful Publishingは11月20日、Studio Fizbinが手がける『Say No! More』を発表した。会社などで「No」と言えない人のためのゲームである。

パブリッシャーのThunderful Publishingは11月20日、ドイツのインディースタジオStudio Fizbinが手がける『Say No! More』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)/Nintendo Switch/iOSで、2020年夏に発売予定。本作は、1ボタンでプレイできる職場シミュレーションゲームだという。

『Say No! More』では、プレイヤーはインターンとしてとある会社で働く。人を経歴でしか判断しない周囲の社員は、みな横柄な態度で主人公に接してくるが、どのような要求であっても立場上「Yes」としか言えない環境である。上のトレイラーでは、大量の書類をコピーしたり、コーヒーを淹れてくるよう求められ、あるいは「ここは働く場所なのよ、突っ立っているための所じゃないわ」と嫌味を言われたり。さらに、社長は「かわいいランチボックスね。もらっても良いわよね?」と有無を言わさず弁当箱を持って行ってしまう。

そんな同僚や上司、社長に対して、いつも拒否できず鬱憤を溜め込んでいた主人公だが、ある時「Say No! More(もっとNo!と言うんだ)」とタイトルがつけられた古い自作カセットテープを発見する。そのカセットには、“Noのエキスパート”だというコーチからの助言と共に音楽が録音されており、それを聴いた主人公は駆り立てられるような気持ちに。そして、ついには上司らに「No」と言える人物へと変貌を遂げる。インターンの逆襲開始だ。

「ちょっと、静かにしなさいよ」嫌です!、「私のコーヒーはどうなった?ミルクはスプーン1杯、砂糖は2杯だぞ」知りません!、「次はこれを1000回コピーしてきてくれ」いたしません!。プレイヤーはオフィスを歩き回りながら、このように次々に「No」を突きつけていく。同じ拒否するにしても、怒りに任せてだったり、逆に冷静になったり、あるいは面倒くさそうに言ったりとバリエーションが用意されており、それによって相手の反応も変わるようだ。「んんん〜」と溜めてから拒否すると、より大きなエフェクトが発生。「No」の力で人々を撃退していくたびに、オフィス内のあらゆるものが散乱していく。

また、笑ったり手を叩いてみたり、あるいは「う〜ん」と考え込みながら相手の話を聞いたりといったアクションも可能。もちろん、一連のアクションもまた拒否の前フリである。こうした操作は、すべて1ボタンで繰り出せるようだ。なお、オフィス内は自由に行動できるわけではなく、規定のルート上を移動していく。その中で、どのように「No」と言っていくか判断するゲームプレイになるのだろう。ゲームを進める中では新たなカセットテープを発見できることがあり、それを聴くことでより強力な「No」を発せられるようになるという。

人々の要求を拒否していく一方で、ランチタイムになると友人を作ることができる。こちらのゲームプレイについてはまだ明かされていないが、本作の概要には、親友に対しても「No」と言えるのかという問いかけがあり、何らかの判断が求められそうだ。ちなみに、プレイヤーキャラクターはカスタマイズ可能である。

『Say No! More』を手がけるStudio FizbinのディレクターNick Maierhöfer氏は、「No」と言うのが怖い性格をしているため、大声で好きなだけ「No」と言える究極のファンタジー世界を作ろうと思ったと、本作の開発経緯を説明する。また、ゲームデザイナーのMarius Winter氏は、本作についてほかに何かコメントはあるかと問われ「No」と述べている。

なお、Steamのストアページによると、本作は英語のみに対応予定とされているが、ゲーム内では英語以外にもさまざまな言語の「No」が用意されているとのこと。日本語にも対応するのかどうかは不明だが、是非期待したいところである。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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