『EVERSPACE』Unreal Engine 4の美麗グラフィックで描かれる宇宙空間、ローグライク要素を盛り込んだ3Dスペースシューター

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第164回目は、『EVERSPACE』をピックアップする。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第164回目は、『EVERSPACE』をピックアップする。本作はドイツのハンブルグに位置するスタジオROCKFISH Gamesによって手がけられている3Dスペースシューターゲームだ。先日すでに発表されていた本作だが、スクリーンショットのみで詳細は語られておらず、今回Steam Greenlightへの登録と共にディテールが明らかにされた。

開発スタジオにはiOS向けにリリースされた高評価を獲得した『Galaxy on Fire』シリーズの制作メンバーや、業界で20年以上の経験がある3Dグラフィックアーティストらが参加している。まずトレイラーを見てもらえれば、彼らと『EVERSPACE』の並々ならぬポテンシャルが感じられるだろう。

ローグライク要素を盛り込んだスペースシューター

現在『EVERSPACE』は6か月間にわたり開発が進められており、スクリーンショットやトレイラーはすべて実際のゲームプレイからキャプチャされているという。ゲームエンジンにはUnreal Engine 4を採用している。ゲームは一人称視点でも三人称視点でも操作が可能で、8月から開始されるKickstrterでストレッチゴールを突破すればVRもサポートする。開発からはトリプルA級クオリティのグラフィックとサウンドが約束されており、トレイラーを見ればそれも納得できるところだ。

前述したように、本作のゲームジャンルは3Dのスペースシューターだ。プレイヤーは数十億もの星々を探索し、敵の戦闘機と死闘を繰り広げ、最終的にはボスの打倒を目指す。自身の戦闘機は集めたノードでアップグレードツリーから強化したり、装備を変更してカスタマイズすることができる。

ローグライクとは銘打たれているものの、進行状況は失われることはなく、むしろ死亡するたびにプレイヤーにはよりよい装備がリワードとして与えられる。『EVERSPACE』におけるローグライクとは、何度も繰り返す「周回プレイ」のことを指しているようだ。開発陣は「スペースシューターのコアゲームプレイはよりアクションにフォーカスしており、近代のローグライクゲームのループ性でプレイヤーをチャレンジングな冒険に導きたい」と説明している。

ほか『EVERSPACE』において注目すべき点としては、非線形のストーリーテリングが盛り込まれるという点だ。何度も死んで繰り返しプレイするというローグライク要素にフィットするストーリーが存在しており、死亡するたびになにをすればいいのか、どのようにゲーム内のパズルを解けばいいのか、そしてストーリーの真相が理解できるのだという。

このほか、本作にはかなり詳細なダメージシステムを導入する模様である。詳細は語られていないが、トレイラーを見る限りでは、ギアや部位ごとに破損し機体の性能が下がるといった仕様に仕上がるのかもしれない。こういった損傷を修繕する修理システムも本作には登場する。

また明記はされていないものの、「意義ある瞬間と価値を友人と共有しよう」と、フレンドとの協力プレイに対応していることも示唆されている。

まだまだ謎の多い『EVERSPACE』はPC向けに開発が進められており、2016年Q4のリリースが予定されている。現地時間8月6日からはKickstarterのクラウドファンディングキャンペーンも実施されるとのことなので、そこでさらなる詳細が明らかにされることを期待しよう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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