ニンテンドー3DS『大合奏!バンドブラザーズP』DL販売およびネットワークサービス終了へ。手厚いサポートが続けられてきた音楽ゲーム
任天堂は10月31日、『大合奏!バンドブラザーズP』および『大合奏!バンドブラザーズP デビュー』のダウンロード版配信を終了すると発表し、同作のネットワークサービスを終了すると告知した。さっそく2019年12月20日16時に『大合奏!バンドブラザーズP』および『大合奏!バンドブラザーズP デビュー』とゲーム内通貨「トマト」の販売が終了し、来年2020年5月1日0時にネットワークサービス全般が終了する。ネットワークサービス終了に伴い、利用できなくなるコンテンツは以下のとおり:
・「楽譜投稿」の「オリジナル曲投稿」
・「楽曲ショップ」での楽曲ダウンロード
・「ラジオショップ」での各種コンテンツのダウンロード
・「ラジオ」でのオンライン番組の視聴
・インターネットを利用した「遠くの人と合奏」
『大合奏!バンドブラザーズ』は、任天堂より販売されている音楽ゲームシリーズ。J-POPなど収録されているさまざまな曲から好きなものを選び、楽譜に合わせて音を鳴らすリズムゲームとして楽しめるほか、複数人のプレイヤーがそれぞれ楽器を選択し、持ち寄ってバンド的に演奏することが可能。また作曲機能も備わっており、自分で曲を作りだすことができる。
[任天堂HP]「ニンテンドー3DS『大合奏!バンドブラザーズP』ネットワークサービス終了のお知らせ」を掲載しました。
サービス終了に伴う今後の予定など、くわしくはこちらをご覧ください。 https://t.co/rJUA6yhi98— 任天堂株式会社 (@Nintendo) October 31, 2019
2004年に初代が発売されて以来、リリースされるごとに新たに機能が備わっていった同シリーズ。2013年にニンテンドー3DS向けに発売された最新作にあたるのが『大合奏!バンドブラザーズP』である。全般的に機能が強化されているほか、本体のカメラやマイクを使用して、自分の顔や声を登録した自分だけの「アーチスト」を作れる機能が追加されていた。『大合奏!バンドブラザーズP デビュー』は、作曲などの機能を除いた廉価版だ(のちに無料化)。
『大合奏!バンドブラザーズP』は、2013年に発売された作品ながら、広報活動が活発であった。シリーズの広告塔である“バーバラさま”による公式Twitterで、曲紹介を含んだ情報発信を続けられてきた。2019年10月に至っても、頻繁な投稿がなされている。『大合奏!バンドブラザーズP』においては、スッポン放送と呼ばれる架空のラジオ局が用意されており、そこからゲーム内のチャートや曲の試聴、トレンドを垣間見ることができた。
2017年3月21日には楽曲の投稿受付を終了し、同年3月31日には新たな投稿曲の配信を終了するなど段階的にサポートは縮小され、スッポン放送のブログの更新などは止まっていたものの、YouTube向けのオリジナル曲の投稿などは引き続き運用されていた。アクティブユーザーもそう多くないと思われるが、6年前の作品とは思えない手厚い広報・サポートが展開されてきた。特にバーバラ様(とアニソンしもべ)の時事ネタを絡めたマメなSNS発信は、一部ファンを喜ばせていただろう。
最近任天堂のしもべを呼んでもすぐ来ないのよ。10月13日・14日に京都で開催される「Nintendo Live 2019」の準備で忙しいって?秋の京都…松茸がおいしい季節よね。私も連れて行ってよ。邪魔だから来るなって?なによ!
— 大合奏!バンドブラザーズP (@bandbrothersp) October 6, 2019
※ 哀愁感じさせる投稿も多かったバーバラさまのTwitter投稿
そんな『大合奏!バンドブラザーズP』が、このたびダウンロード版の販売およびサービスが終わることになる。インターネット通信を使わない機能や、ローカル通信、引き換え済みの楽曲やコンテンツは引き続き利用できるという。また流通しているパッケージ版については、小売店などで手に入れられるチャンスがあるだろう。
『大合奏!バンドブラザーズ』シリーズは、根強い支持を受けていたタイトルである同時に、カジュアル版となる『大合奏!バンドブラザーズP デビュー』リリースに代表されるように、新規層開拓が続けられてきた。次回作の発表がない状態でサービスが終了されるのは気がかりであるが、まず6年近く地道にサービスを運営してきた中の人に、ねぎらいの言葉をかけたいところだ。