脈打つ心臓らしき臓器を動かす短編ホラー『Cardiac』PC向けに開発中。ハロウィンまでの完成を目指す

脈打つ心臓らしき臓器を動かす短編ホラー『Cardiac』PC向けに開発中。itch.ioにて『Cardiac』のプロトタイプが配信されており、今年のハロウィンまでの完成が目指されている。

心臓と思わしき臓器を動かすUE4製の短編ホラー『Cardiac』のプロトタイプが、itch.ioにてPC向けに配信中だ。ユーザーが金額を指定する「Name your own price」形式が採用されている。なお同作は10月31日のハロウィンに向けて開発が進められており、現段階で試せるのは、『Cardiac』の雰囲気を味わうための、抽象的かつ繋がりのない断片的な体験。完全版は10月31日までに配信できるだろうと、開発者のChris Evry氏は語っている。

プロトタイプは数分で終わる短編となっており、プレイヤーは不気味な世界の中で、心臓と思わしき脈打つ臓器を動かすことになる。臓器から血管のような巻きひげを伸ばして壁や地面に張り付き、臓器を引きつけることで移動。血管内のような細長い閉鎖空間を移動しているかと思いきや、体外に出て地下道を進み始めたりと、奇妙な構造となっている。臓器らしいヌメッとしたテクスチャーや、ビチャビチャと地を這う音などを堪能できる、不思議な臓器体験だ。

なお開発者のkatanalevyことChris Evry氏は、『Cardiac』のitch.ioページにて、いくつかのユーザーコメントに答えている。本プロジェクトの着手前には、Evry氏が住む街にある医学博物館を訪れたとのこと。そこから着想を得ているのだろう。またカメラが近すぎて見づらい場合があるとの指摘に対しては、意図的に心地悪さを感じるほどの近さにしていると回答。ただしカメラのズームイン/アウト機能の追加というユーザーからの提案については、選択肢を与えるという意味で良い案だと、肯定的に捉えている。

Evry氏は、普段はアートプリント/グリーティングカード会社のデザイナーとして英国で働いており、ホビーとしてゲームを開発している人物。過去にはVR向けの短編作品『Cyberpunk VR』『Aleatory』をitch.ioで配信している。『Aleatory』はゲーム内の実験機器に入れる物体の組み合わせにより音景が変わるという、アンビエントな実験的作品であった。まだ多くが語られていない『Cardiac』は、ビジュアルの方向性を大きく変えつつも、Evry氏の過去作のように実験色の強い作品となりそうだ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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