今月24日にリリースされ、一部でネットを騒がせた韓国製のゲームアプリが驚異のスピードでサービス終了を発表した。その名も『鬼殺の剣』。日本の人気漫画「鬼滅の刃」にそっくりすぎると話題になっていたが、本日27日に「本作について巻き起こっている問題について謝罪します」との声明を発表。アイテム課金停止・ストアからの削除など段階を追って、29日午前10時には完全にゲームを終了することを告げた。
『鬼殺の剣』は韓国のゲーム会社テンナインよりリリースされた。主人公は「達也」という名の少年で、“鬼に家族を殺されたことをきっかけに鬼狩りの旅へ出る”というストーリー。ちなみに参考までに紹介しておくと「鬼滅の刃」のあらすじは、主人公・竈門炭治郎が“鬼に家族を殺されたことをきっかけに鬼狩りの旅へ出る”という筋書きである。彩度を低く抑えた和風タッチのメインビジュアルが印象的だが、横顔をクローズアップした構図やロゴの特徴など非常に既視感のある仕上がりとなっており、間違い探しが楽しい比較画像も出回っている。
鬼殺の剣って、、
これは完全にパクりでしょ笑#鬼滅の刃 #鬼殺の剣 pic.twitter.com/IqBX6mpvCo— しゅんち (@game_shun16) April 26, 2020
模倣が疑われているのは主人公の炭治郎だけではない。2本の角を額から生やした少女が本作のメインヒロインとなる模様。こちらは「鬼滅の刃」における炭治郎の妹で、鬼と化してしまった少女・禰豆子を思わせるキャラクターだ。これ以外にも『鬼殺の剣』に登場するキャラクターの多数が本家の登場人物と対応するようにデザインされており、それぞれの元ネタが誰になるのかを当てるクイズ大会のような様相を呈している。
こ、これは…#鬼滅の刃 #鬼殺の剣 pic.twitter.com/0zFO4VFmpn
— 徳谷 (@bucca_boo) April 25, 2020
*耳元が寂しい主人公、口元が物足りない少女、眠った方が強そうな少年、獣っぽくはある少年。
ゲームとしては2D横スクロール型で、キャラがオートで進行し敵を斬り捨てていく様子をひたすら眺めるというもの。このシステムについては2019年9月に韓国のCodeCATからリリースされた「소드마스터 스토리(Sword Master Story)」を模倣しているのではないかという疑いも挙がっている。
韓国メディアのGame Meccaは24日、本作が「鬼滅の刃」との類似を指摘されている件について開発元のテンナインに電話取材を敢行。その際、担当者から返ってきた回答は、鬼と戦う世界観とキャラクターが和服を着ている点が似通っているように見えるのだろう、という釈明だった。盗作は行っていないというスタンスを明確に示したという。
あくまで「盗作ではない」との姿勢を強硬に示していたテンナインだったが、本日一転してサービスの終了を発表した。27日の20時にはすでにゲーム内課金が停止され、返金も実施されている。Google Playストアからもすでにアプリは削除済みだ。正式にゲーム自体が終了するのは29日とされている。あまりにセンセーショナルな記憶を人々に遺した本作。真相が明かされないまま、その姿を消してしまうようだ。