競技FPS『VALORANT』開発元は「ボイスチャットハラスメント」解決策を模索。女性開発者の嫌がらせ被害映像をきっかけに

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現在海外の一部地域にてクローズドベータテスト中のPC向けタクティカルシューター『VALORANT(ヴァロラント)』。本作の開発・運営元であるRiot Gamesは、ゲーム内でのボイスチャットを通じたハラスメント行為に対して、長期的な解決策を模索しているようだ。

そうした取り組みをおこなっていることが明らかになったのは、同社のUXデザイナーGreenilyことTea C.氏のTwitterへの投稿がきっかけだった。Greenily氏は4月25日、個人的にプレイしていた際の『VALORANT』の配信映像を示している。

映像にてGreenily氏は、チームメイトらしき男性プレイヤーとボイスチャットにて会話を交わしている。見ず知らずの女性に対する失礼な言葉を浴びせる男性に、彼女はあきれた様子を見せながらも、冷静に対処しようと努めているようだ。しかしその男性は、ハラスメント行為とも受け止められる言葉を続ける。

Greenily氏は、『VALORANT』に限らずソロでオンラインプレイをする際には、こうした場面によく遭遇するそうだ。チャットの相手が女性だと分かると、調子に乗りまるで自分の恋人かのように振る舞ってくるという。いつもは相手をエスカレートさせたくないため言葉を交わすことはないが、今回に関しては試合に勝ちたかったため相手の男性をなだめようと試みたそうだ。本作のようにチームプレイが重要なゲームでは、仲間とのコミュニケーションを断つと不利になってしまう。

結果的に、Greenily氏はこの男性をミュートするに至ったが、彼はまたほかの人に迷惑をかけるかもしれずミュートは解決策にはならないとコメント。皆もこうしたハラスメント行為がはびこるコミュニティの中でプレイしたくはないだろうとし、似た経験をしたなら通報してほしいと呼びかけている。

オンラインゲームでのボイスチャットを通じたこうした女性へのハラスメント行為については、同じくRiot GamesのリサーチャーAeneiaことChelsea Hughes氏も、同じ日に声を上げている。チャットにて同氏の高い声を聞いたある男性が、本当は男だろうと嘘つき呼ばわりしてきたかと思うと、やがて独身かどうかを尋ね、さらにプロポーズまでしてきたという。複数の女性の友人からも、同じような体験をしたと聞いているとのこと。Aeneia氏は、怒りはなかったものの困惑したそうだ。ただ彼女もまた、事態が改善しない可能性があるため相手をミュートすることは避けていたと述べる。

そして前出のGreenily氏の投稿を受けて、Riot Gamesのエグゼクティブ・プロデューサーAnna Donlon氏が反応。Greenily氏が遭遇した男性に強い嫌悪感を示しながら、こういったことがあるから自身もソロではプレイできないと述べている。そのうえで、ソロであっても『VALORANT』を安心してプレイできるよう、同社では長期的な解決策について検討しているところだとコメントした。

『VALORANT』には一般的な通報システムが用意されているため、Donlon氏が言う長期的な解決策は、これとはまた別の手法を取り入れたものになるようだ。ただ、まだ検討段階であるためか、具体的な内容については一切触れられていない。今回の件は女性プレイヤー目線の話だったが、嫌がらせ行為に悩まされるのは女性でなくとも同じであり、有効な対策であれば歓迎されるところだろう。

“長期的な”というキーワードからは、Riot Gamesが『リーグ・オブ・レジェンド』に導入している「名誉システム」や、『オーバーウォッチ』の「推薦システム」を連想させる。いずれも、試合中のスポーツマンシップなどをプレイヤー同士で評価する仕組みで、レベル制を組み合わせた報酬も用意されている。試合にて良い振る舞いを継続することで、自身の利益にも繋がる仕組みだ。その狙いどおりに実際に機能しているのかどうかは評価が分かれるところかもしれないが、同社は『VALORANT』でもプレイヤーの自主性を促すシステムの導入を考えている可能性はありそうだ。

VALORANT』は、現在欧米にてクローズドベータテストを実施中で、日本を含むそのほかの地域も順次実施していく予定。正式リリースは2020年夏に計画されており、それまでには今回の件について何らかの方向性が示されるかもしれない。

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