『あつまれ どうぶつの森』で「ロード・オブ・ザ・リング」のイライジャ・ウッド氏が一般ユーザーの島へ降臨。フロドはカブを売る時も紳士


世界中で人気を集める『あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)』は海外の著名人もプレイしていることで知られている。そんな中、ある有名俳優が一般ユーザーの島を訪問したことがちょっとした騒ぎになった。降臨したのは、映画「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで主人公フロドを演じたイライジャ・ウッド氏。他の大多数のプレイヤーと同じく高値でカブを売却するためにやってきたウッド氏は、その訪問の礼儀正しい様子も合わさって、話題となった。

『あつ森』をプレイする海外セレブのトピックはしばしば注目を集めている。たとえば人気モデルのクリッシー・テイゲン氏は、イースターイベントに苛立ちを隠さない様子など「『あつ森』あるある」をツイートし、笑いを誘った。また映画「キャプテン・マーベル」主演で知られる女優ブリー・ラーソン氏は、『あつ森』限定デザインのNintendo Switchを手にした写真をInstagramにて公開。たぬき開発のアロハシャツらしき服まで身にまとい、本作への愛を猛アピールしている。

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ところで『あつ森』には、「カブ価ご自由に文化」ともいうべきカルチャーが存在している。毎週日曜の午前中にゲーム内で購入できる「カブ」は、現実の株価と同様その売値が毎日午前・午後のタイミングで変動する。そのためプレイヤーはカブ価をこまめにチェックし、買値よりも売値が高いタイミングで売却することにより大きな収入を得られるのだ。そして本作ならではの現象として、自分の島のカブ価をウォッチするだけでなく「高いカブ買取額を引き当てたプレイヤーの島を訪ねて売却する」という手法が流行している。

Twitterで「あつ森 カブ価 ご自由に」と検索すれば、たまたまその日に高いカブ価に当たったプレイヤーが島を開放し、オンライン上の他プレイヤーを呼び込んでいる様子が数多く見られる。島を開けるプレイヤーは、カブ価シェアの代わりにアイテムを置いていくように求めたり、まったくの無償で開けっぴろげにする者もいたり、さまざまだ。逆にカブ価が最安値を叩き出したプレイヤーも「今ならうちが買い時!」と島を開放する場合もあり、オンラインを介したカブ取引は『あつ森』プレイヤーの間でスタンダードになりつつある。

*こうした「あるあるネタ」が投稿されるほど、オンラインカブ取引は浸透しているといえそうだ。

アメリカ・ニュージャージー州在住の23歳だというジェシカ・コヴァリック氏も4月24日、そんなオンライン・カブ取引に参加していた。この日彼女は幸運にも599ベルという高額のカブ買取額を引き当てる。そして他の多くのユーザー同様、気前よくそのラッキーを分け与えるために島を開放した。カブを売りに来たいプレイヤーはDMで島のコードを尋ねるように呼びかけたのだ。ところが、高額カブ価をはるかに上回る幸運が彼女のもとに舞い降りることになる。

予想を上回るDMリクエスト量に少々慌てていた彼女へ、あるユーザーからのメッセージが届けられた。その送り主の名は、なんとElijah Wood(イライジャ・ウッド)。一瞬目を疑ってしかるべきところだが、ユーザーネームの横を見れば、著名人のアカウントが本物であることを示すTwitterの認証済みバッジがついている。どうやら彼が正真正銘ウッド氏らしいことを悟ったコヴァリック氏は、彼が自らの島を訪ねることを承認。ほどなくしてウッド氏のアバター“Elwood”をを飛行場から迎え入れることになった。

ウッド氏はコヴァリック氏の島に着くと、「きれいな島ですね」とチャットで挨拶。自生する桃を見て、「果物をもらってもいいですか?」とわざわざ島主に許可をとる様子も見られた。他にも島へやってきていた周囲のプレイヤーと記念撮影をするなど、マナーを守りながら和やかな来島時間を送ったようだ。彼と過ごした一連のスクリーンショットを投稿したツイートにはウッド氏本人のアカウントがいいねをつけており、彼がカブを売りにやってきたのは事実のようだ。

極めつけはコヴァリック氏に向けたサービスともとれる一言。有識者であれば、コヴァリック氏のTwitterアカウント名「@directedbyrian」にピンとくるかもしれない。彼女の名前は映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」でメガホンをとったライアン・ジョンソン監督に寄せたもので、アイコンも同作に出演するアダム・ドライバー氏の画像だ。そんなコヴァリック氏がスター・ウォーズファンであることを察したのだろうか、ウッド氏は飛行場を前にして“long live rian johnson(ライアン・ジョンソン長生きしますように)”とまで述べている。来島者でありながら島主を喜ばせるホスピタリティあふれる言動に、Twitter上では驚きの声が寄せられた。

コヴァリック氏が島を開放してから約1時間後には帰っていったウッド氏。思わぬ来訪を受けたことについて、コヴァリック氏は海外メディアEntertainment Weeklyに対し「単にタイミングが完璧だっただけだと思います。(ウッド氏が、カブ価に関する)ハッシュタグを辿っていたんじゃないかと」とコメント。自らの身に降りかかった出来事を、改めて大きなラッキーとして受け止めている様子だった。

しかし、この出来事にはもうひとつ後日談がある。コヴァリック氏がアカウント名にするほどリスペクトを寄せるジョンソン監督が、自身のTwitterのヘッダー画像を“long live rian johnson”と発言するウッド氏のスクリーンショットにしてしまったのだ。良い巡り合わせはときに重なって押し寄せることもあるらしい。

一連の騒動があったのちも、コヴァリック氏は変わらず『あつ森』を楽しくプレイする投稿を続けている。思わぬビッグな来客の訪問は、彼女の無人島ライフでも忘れられない思い出になったことだろう。