『モンスターハンター:ワールド』中国版が販売停止。中国政府の指定要件を満たしていないとして
中国の大手IT企業テンセントが運営するゲーム配信プラットフォームWeGameは、中国向けの『モンスターハンター:ワールド(怪物猎人 世界)』の配信を停止したと発表した。GamerSkyなど中国メディアが報じている。販売停止の理由としては、販売する上で遵守すべきポリシーや要件を満たしていないことを中国政府より指摘され、販売する権利が消失したからであるという。
中国でゲームをリリースする際には、事前に政府による検閲を受け、出版番号を獲得して初めてゲームの販売が可能になる。発売前にはWeGame版『モンスターハンター:ワールド』は出版番号0130を取得していることが確認されていたが、現在は同作の名は出版リストから消失しているようだ。リストから出版番号が消失したことを確認したNetEase傘下メディア网易爱玩がこの問題を報道。さらに他の中国メディアがこの問題を大きく取り上げ始めたことから、最終的に販売停止に至ったのではないかと一部では推測されている。つまり、WeGameは「中国政府の指定する要件を満たしていなかった」とコメントしているが、実際はWeGameが政府からの検閲を正しく受けておらず、出版番号を獲得していなかったのではないかと疑われているわけだ。真実は定かではないが、並々ならぬ事情がありそうだ。
同作は8月13日午前8時時点で販売が停止されており、ゲームの購入(ゲーム本体、デラックス版、有料DLC、無料DLCなど)が不可。ゲームを購入したすべてのプレイヤーは、8月20日の午前8時まで無条件の払い戻しを申請することができる。払い戻しを受けなかった場合、ゲームをプレイすることはできるものの、今後受けるサービスに影響を生まれるかもしれないとコメント。また8月13日午前8時以前にWeGame版『モンスターハンター:ワールド』を購入したプレイヤーには30元相当のクーポンが配られるという。
WeGameは、世界から優れた作品を販売する上で、今回のようなケースが発生したことを謝罪し、内部のプロセスを改善していくことを約束している。なおWeGameは今後の同作の再販についての明言を避けている。措置においては今後のアップデートの話を含んでいるが、もし政府からの承認におけるプロセスに問題があった場合は、再販は困難であるとされている。いずれにせよ、WeGameからの発表を待つのがよさそうだ。
なお、今回の販売停止に先駆けて、すでに多くのプレイヤーがSteam版『モンスターハンター:ワールド』へ移行していることも報じられている。その影響もあってか、Steam版はこの週末に同時接続ユーザーを約33万人まで伸ばしている(SteamCharts)。