MMORPG『ブレイドアンドソウル』を今から始めるための手引き。職業選びや序盤の基本など


エヌシージャパンが運営するPC向けの基本プレイ無料オンラインRPG『ブレイドアンドソウル』。日本では2014年からサービスが続いている。先月にはゲームエンジンをUnreal Engine 4へと移行し、新職業を追加する大型アップデートが配信されたばかりである。


イラストレーターのキム・ヒョンテ氏がキャラクターデザインを手がけている本作は、その特徴的なビジュアルを忠実にゲーム内に再現した上で、自由度の高いキャラクタークリエイトを実現している。プレイヤーの趣向を反映したアバターを作成できるのが特徴のひとつだ。戦闘面も軽快な動作で非常に爽快感のあるものとなっており、戦闘以外ではダッシュや壁登りのほか、空を飛んだり水上を走るという忍者のようなアクションもできる。全部で14種類もの豊富な職業の中から、自身のスタイルに見合ったものを選ぶことが可能だ。

先月の大型アップデートでグラフィック面が大幅に向上したことで、より魅力を伸ばしたといえる本作。本稿では少しでも興味を抱いた方へ、今から始めるにあたってその魅力を伝えつつ、覚えておきたい基礎知識となる項目をいくつか解説していく。

種族と職業の組み合わせ

ゲームを開始するにあたって、まずは自身の手足となるキャラクターを作成することになる。種族は標準的な「ジン族」、大柄で力強さを持つ「ゴン族」、非常に小柄で動物の耳や尻尾を有する「リン族」、細身で華奢な「クン族」という4種類の中から選ぶことができる。ここで注意しておきたいのは、「クン族」のみ性別が女性に限定されるということ。そして種族によって選べる職業が限られてくるということだ。

つまりプレイヤーは種族の中から職業を選択するか、あるいは触りたい職業を決めてから種族を絞り込むどちらかの形になる。実際にキャラクターを決定する前に、まずはどのような職業があるのか簡潔に紹介していこう。


まずタンク寄りの職業について触れていきたい。「剣術士」は剣を扱う攻守のバランスがとれた職業だ。ヘイト管理やパーティーを守るスキルを持っており、系列を変えることでダメージディーラーとしての運用をすることも可能で、初心者にはオススメの職といえるだろう。選べるのは「ジン族」と「クン族」だ。似た名前のものとして「リン族」のみ選べる「リン剣術士」という職業があるが、こちらはタンクではなく多彩な状態異常を有する攻撃と防御を両立したダメージディーラー寄りの存在となっている。

「拳闘士」は小手を武器に戦う武闘派の職業となっている。ロールとしてはタンクだが攻撃と回避に性能が寄っており、ヘイト管理だけでなくパーティー全体へ攻撃力上昇バフを付与できるのが特徴だろう。その回避性能は特に対人で発揮されるが、その操作には癖があり初心者が触るのは苦労するかもしれない。選べるのは「ジン族」、「ゴン族」、「クン族」だ。


「剛剣士」は大剣を扱う職業で、動作は遅いものの強力な一撃をもつ。自身のHPを消費する代わりにバリアを張る能力を持っており、攻撃中に状態異常を受け付けないスキル、パーティー全体への攻撃力上昇バフも所持している。なによりも大きな得物をもつ姿は特徴的で、それだけでも選ぶ理由になるだろう。選べるのは「ゴン族」、「リン族」、「クン族」となっている。

次にダメージディーラー寄りの近距離職業について触れていこう。「滅砕士」は斧を武器にもつ豪快な職業で、「ゴン族」だけが選ぶことができる。ダメージディーラーの中では耐久力が高く、敵を行動不能にしたり、パーティーをサポートするスキルを持っている。操作も比較的シンプルで初心者でも触りやすいものの、序盤の攻撃性能が控えめで大器晩成型の職業といえるだろう。


「暗殺者」は小太刀を持つ忍者のような職業で、攻撃を回避する隠れ身や毒攻撃といったスキルを保有しており、その中でも「闇影」という系列は特に攻撃的で高い火力を出すことができる。反面、操作難易度は高く玄人向けの職業だ。「ジン族」と「リン族」が選ぶことができる。

「ジン族」と「クン族」が選べる「双剣術士」は、最近新しく追加されたばかりの防御を捨てて攻撃に特化した職業だ。コンボを継続し自身にバフを付与することで高い攻撃力を維持する。さらにHPを犠牲にしてより攻撃力を引き上げることも可能といったハイリスク・ハイリターンな職業となっている。難しそうに感じるかもしれないが、易しい操作の系列を選ぶことで、初心者でも安心して触ることができる。


最後は、ダメージディーラー寄りの遠距離職業である「魔導士」だ。「魔導士」は「気功牌」という武器を扱って戦う魔法職。系列によって攻撃と防御を切り替えることが可能で、パーティーを数秒間無敵にできるスキルを持っているのが特徴だろう。操作の中でスキルが切り替わっていくので慣れが必要だが、難易度に見合った高い攻撃力をもつ。遠距離から戦えることもあり初心者が触るのもオススメの職業だ。選べるのは「ゴン族」、「リン族」、「クン族」だ。

「召喚士」は「リン族」だけが選べる、ネコの召喚獣と一緒に戦う職業だ。単体攻撃と範囲攻撃を切り替えられるほか、隠れ身やパーティーメンバーのHPを回復するスキルも所持している。ヒーラーとしての側面をもっているぶん、攻撃力は控えめの性能となっている。本作には明確なヒーラーは存在しておらず、回復役を担うことができるのは「召喚士」と後述する「双舞士」に限定されてしまうので注意しておきたい。


「邪術士」は「邪術刀」という武器を持ち、支援性能と火力を両立する職業だ。一時的に召喚獣を使役したり、パーティー全体に攻撃力上昇バフを付与することも可能だ。ほかの職業と比較して移動スキルが少なく、足が遅いという点は考慮しておきたい。バッファーとして味方を支援したいのならばオススメだ。「邪術士」は「ジン族」と「リン族」が選ぶことができる。

「銃撃士」は銃を用いた攻撃と、「戦鋼線」というワイヤーを用いた特殊な移動ができる。ワイヤーアクションを駆使する関係で、全職業の中でもトップクラスの移動速度を有している。それだけでなく攻撃力も遠距離職業の中では非常に高くなっており、唯一性のあるアクションと攻撃性能をもつのが特徴だ。「ジン族」、「リン族」、「クン族」で選ぶことができる。攻撃力ならば「ジン族」と「クン族」が選べる弓奏士も高い性能を持っており、こちらは距離を保ちつつ左右に移動して火力を維持する系列と、近距離で戦うことで最大火力を発揮する系列がある。

「宙導士」は、その場から動かずに戦うことでより能力を引き出せる系列や、雲を設置した場所に瞬間移動できる系列が存在する。特徴的なのは他職業とは別枠のパーティーへのバフを所持している点で、こちらも支援寄りの性能をもった職業といえる。「宙導士」は「リン族」だけが選ぶことができる。「双舞士」は近距離と遠距離を切り替えて戦える職業で、敵との距離に関係なく戦いたいという方にはオススメできるだろう。回復スキルや蘇生スキルも所持しており、ヒーラーとしての役割をこなすことも可能だ。「ジン族」、「ゴン族」、そして「クン族」が選べる。


職業だけでも非常に多岐にわたり目移りしてしまうだろう。種族との組み合わせもはじめは混乱してしまうかもしれないが、ゲーム内の選択画面でわかりやすく表示してくれるので安心してほしい。プレイの途中で職業を切り替えることはできないが、後から性別や対応している種族を変更することは可能なうえ、新しいキャラクターを追加で作成することもできる。

また、職業によってある程度のロール区分や適性はあるものの、絶対にこの役割でなければならないということはない。タンクとしてもダメージディーラーとしても立ち回れる職業もあれば、役割を兼用している職業もある。ロール区分が完全に固定されていないという点は本作における特徴のひとつといえるだろう。自身の手でさまざまな職業を直接触ってみて、最終的に自分に見合った職業を見出してほしい。職業と種族を決定したら、次はいよいよキャラクタークリエイトだ。

個性的かつ魅力的なキャラクタークリエイト


本作では顔の詳細な調整はもちろん、体型に関する項目も非常に細かく調整することができる。肩幅や手足の長さだけでなく、骨盤の広さや太さといった項目まで調整できるのは、キャラクタークリエイトにこだわる人にとっては注目すべきポイントだろう。逆にキャラクタークリエイトがあまり得意ではないといった人向けに、「デザイナープリセット」というものがあらかじめ用意されている。気に入ったプリセットをベースにして、そこから自分好みに微調整を加えていくといったことも可能だ。

キャラクタークリエイト画面ではキャラクターだけでなく、背景や照明を変更することもできる。実際のゲーム画面でどのように見えるのか比較しながら、衣装やポーズを変更していくと新たに修正したい箇所が見つかることもあるだろう。隣に他種族の輪郭を表示させることで、体型比較ができるのも見逃せないポイントだ。


キャラクタークリエイトは本作にとってサービス開始から現在に至るまで変わらない大きな魅力のひとつで、アバターにこだわる人ならばキャラクタークリエイト画面で数時間を費やすこともできてしまうだろう。作成したキャラクターは「外形管理」から簡単に保存や読み込みをすることができるので、いくつか候補をつくっておいたり、あとで気になった部分を修正するのも容易となっている。

オンラインゲームにおいてアバターとはプレイヤーの半身であり、長い旅路を共にする大切な存在だ。ビジュアルがモチベーションになることも多いだろう。プレイを始める前にじっくり悩むもよし、始めた後から少しずつ調整していくもよし。自身のスタイルで本作におけるもうひとりの自分を形成していこう。

覚えておきたい序盤の流れと基礎知識


キャラクターを作成し終えたらいよいよプレイを始める段階だ。ゲームが開始すると序盤はストーリーに沿ってチュートリアルを受けていくことになる。文字だけでなく音声でのアナウンスもあるので、どうすればいいか迷うことはないだろう。覚えておきたいのは「軽功」と呼ばれる本作のアクションたちだ。

最初に覚えるのは「疾走」で、いわゆるダッシュアクションである。最序盤は疾走のほかに「滑空」を習得することが可能で、空中をゆっくりと降りながら移動することができる。本作は高所から落下する際には落下ダメージが発生するので、「滑空」をうまく利用してダメージを受けないようにしたい。

序盤こそできることは限られているものの、プレイを進めていくことで滑空中に空中ダッシュが可能になったり、水上を走るといった「軽功」を習得していくことができる。やがて人間離れした動きでフィールドを軽快に飛び回ることができるようになるだろう。戦闘中には「軽功」を使用することができず、「軽功」の使用には軽功ゲージを消費するという点は覚えておこう。


実際の戦闘は、爽快でボタンを押しているだけで容易に連撃が成立するようになっている。連携できる場合はスキルアイコンが光っていることが多いので、なんとなくボタンを押しているだけでも攻撃が繋がるはずだ。戦闘用のスキルである「武功」については、新しく習得する際にチュートリアルが入ることが多く、コンボの派生や連携についても丁寧に解説してくれる。話を聞ききつつある程度反復すれば、自然と職業の扱い方を学ぶことができるようになっている。同じ職業でも系列を切り替えることで、できることも変わるので、状況に応じて使い分けることも大事になってくるだろう。

最序盤のストーリーを終えてある程度自由に行動できるようになってからも、基本的にはストーリーを進めることで各種コンテンツを解放していく流れとなる。たいていはマップやクエストジャーナルを確認すれば次は何をすればいいかわかるので、ひとりでも難なく進めていけるはずだ。序盤はクエスト報酬でレベルもすぐに上がるので物語を追いながら新たな「武功」を習得し、もらった装備を随時更新していくことになるだろう。

最新コンテンツに追いつくまで長い道のりではあるものの、焦って進める必要はない。道すがらサブクエストを消化していくもよし、フィールドを散策するのもよし。そういった寄り道もMMORPGの醍醐味なので本作の世界を楽しみながらプレイしていってほしい。

時代と共に移り変わったもの、変わらないもの


MMORPGはサービスが長く続くことで、さまざまなアップデートと共に絶えずその姿かたちを変えていく。特に本作は先月にグラフィックが大幅に向上したことで、これまでとはまったく違うゲームとして生まれ変わったように感じることだろう。

アップデートが重なり複雑になった要素についてはわかりやすく解説を入れたり、思い切って仕様変更されているものもある。しかし変わった部分もあれば、もちろんそのままの部分もある。こだわり深いキャラクタークリエイト要素と多彩な職業は正統進化を続けており、作品として面白さの根幹は現在でもしっかりとそのまま残っているといえる。

10月13日には「胎動~啓~」を銘打ったアップデートも配信され、ストーリー更新となるエピッククエストの追加や、「封魔録」をはじめとした新たなエンドコンテンツも多数追加されている。また、9月15日から11月10日まで開催されている快進撃キャンペーンを利用することで、強力な装備を獲得することも可能だ。新規だけでなく過去に本作を遊んでいたプレイヤーも、新鮮な気持ちでゲームを楽しみながら、最新コンテンツへ追いつきやすい仕様となっている。

ブレイドアンドソウル』はPC向けに基本プレイ無料にて配信中。この機会にMMORPGとして本作が積み上げてきたコンテンツたちに触れてみるのはいかがだろうか。