『SpaceJammers』降りかかる弾丸の雨にどこまで耐えられるか、何度でも死ねるCo-op対応アクション
Free Game Saturdayは、アルファやベータ版、購入者が金額をゼロから決められる“Name your own price”を問わず、主にPC向けの無料で遊べるフリーゲームを紹介する週間連載。第6回目は、最大4人のCo-opにも対応した高難度のアクションゲーム『SpaceJammers』を紹介する。
SpaceJammers
『SpaceJammers』は見下ろし視点のアクションゲーム。弾幕系シューティングのような敵の激しい攻撃が特徴である。一つの画面で遊べる最大4人同時のローカルマルチプレイにも対応している。現在無料で公開されているのはプリアルファ版であり、ダウンロードはIndieGameStandから可能。Steam Greenlightにも登録されている。開発を手がけるのはサンフランシスコに拠点を構えるゲーム開発スタジオSpread Shot Studios。
大幅に見た目や構造が変わるわけではないが、ダンジョンはプレイごとに自動生成される仕組み。プレイヤーのHPは3しかなく、面白いほど死ねる。コンティニューや引継ぎ要素はなく、ゲームオーバーになれば最初からやり直しである。キャラクターの武器の持ち方など、どこか『Nuclear Throne』に近いものがある。また、回避行動はできないのだが『Enter the Gungeon』も想起させる。ただそれらに比べると操作感も含めまだまだといったところ。
現在のバージョン(0.115)でプレイできるキャラクターは「Pinky」「Smithy」「Toad」「Botch」の4人。それぞれ見た目だけでなく、扱う武器や攻撃スタイルにも違いがある……と言いたいところだが、「Pinky」「Smithy」は遠距離のレーザーガン、「Toad」「Botch」は近距離のビームサーベルが初期装備であり、見た目以外の違いはないように思われる。敵の攻撃は序盤から激しく、本作のテーマのひとつである「Bullet Hell」らしく、降りかかる弾の数はかなり多い。ならばこちらの武器は遠距離タイプのレーザーガンのほうが有利に感じられるかもしれないが、弾を打ち返すことができるビームサーベルのほうが圧倒的に強い。
どのタイプの武器であっても、使用するたびにエネルギーを消耗する。エネルギーは画面左上に表示されている青いゲージで、自然回復するものの連続で攻撃を繰り出すとあっという間にゼロになってしまう。ガンシューティングゲームでいうところのリロードと同じだ。ただ明らかに敵側のほうが有利なので、撃っては逃げを繰り返して少しずつ倒さなければならず、爽快感に欠けるといったところ。やはり守りに徹してビームサーベルで弾を打ち返すほうが楽である。
装備している武器を利用した基本攻撃だけでなく、プレイヤーは3種類のスキルも使用できる。コウモリのようなペットの召還や、近くの敵にダメージを与えるオーラ、弾丸をはね返すレーザーカッター、どれも強力である。ただし通常攻撃よりも多くのエネルギーを消耗するので、連続して使用することはできない。それぞれのスキルには、パワーアップ効果を持つジェムをはめこむことができる。
ダンジョン内にはプレイヤーを追従して激しい攻撃をしかけてくるタレットや、無限に敵を出現させるポータルなどもあり、プレイヤーの心をへし折る要素はたっぷり。といっても、何も考えずにただ難度を上げただけのゲームではなく、弾丸の雨を避けやすいようにバレットタイムが発動するといった仕組みがあり、多少は理不尽さを感じるもののプレイヤーの腕前次第でどうにかできる難しさといったところだ。
ステージはダンジョンだけでなく、宇宙船での移動時は宇宙を舞台に弾幕シューティングが繰り広げられる。ただ、自機の攻撃は弱く、かなりの苦戦を強いられることになり、ダンジョン内と同じく爽快という言葉には程遠い。つまり本作は、撃って倒すことを楽しむのではなく、いかに死なずにフロアのクリア条件(コインを集める)を満たしていくかを楽しむ、ローグライク要素が強いゲームなのだ。視界に入ったからといって、攻撃をしかけられたからといって無闇に戦おうとはせず、できるかぎりリスクを避けて先に進まねばならない。つねに緊張感があり、手に汗握るゲームプレイを味わえる、完成が待ち遠しい作品である。
『SpaceJammers』は2015年内のリリースを目指しているという。現在のプレアルファ版でも、本作の醍醐味を多少なりとも感じ取ることができるだろう。可能であれば友達と一緒に協力プレイを楽しんでほしい。誰か一人でも生きていれば仲間を復活させることができるので、死に対する恐怖心は薄れ、リスクを犯して爽快感が得られるようになる。