『Pequod』白鯨と船長の戦いを描く、Death Wormライクな撃沈アクションゲーム
Free Game Saturdayは、アルファやベータ版、購入者が金額をゼロから決められる“Name your own price”を問わず、主にPC向けの無料で遊べるフリーゲームを紹介する週間連載。第5回目は、白鯨となって人間たちの船を沈めるアクションゲーム『Pequod』を紹介する。
Pequod
『Pequod』と聞いて小説や映画「白鯨」を思い出す人もいるだろう。本作は白鯨が主人公のアクションゲーム。開発を手がけたのはBearmancer。ダウンロードはitch.io(Name your own price)から。
プレイヤーは白鯨のMobiasであり、キャプテンAhabが率いる人間たちの船を片っ端から沈めて生き延びなければならない。100隻以上の敵船が登場し、ステージごとにボスも出現する。わずかではあるがRPG要素があり、プレイヤーは「Damage」「Magic Damage」「Luck」「Speed」これら4つのステータスを持っており、同じアイコンが描かれた樽を破壊するとそれぞれ上昇していく。また「Madness」をためるとShopで買い物ができる。まれに出現する宝箱からは、特殊な能力を持ったアイテムが手に入る。アイテムは複数所持することが可能で、集めれば集めるほど白鯨は強力になっていく。
肝心の攻撃方法は「体当たり」である。ただし、船の底は厚い装甲で覆われているからか、基本的には上からの攻撃でしかダメージを与えられない。そのため、海中から水面へと加速してブリーチング(ジャンプ)し、落下しながら船に体当たりするのである。鯨を操作するという時点で想像できる攻撃方法かもしれないが、これがなかなか楽しい。白鯨は思いどおりに操作しにくく、とくにスピードに乗った状態だと旋回もしづらい。さらに船もこちらを仕留めようとさまざまな攻撃をしかけてくる。プレイヤーはタイミングを計ってブリーチングし、火炎放射や砲弾を避けながら体当たりしなければならない。プレイ感は『Death Worm』に似ている。
たしかにアイテムは強力だが、最終的にはコツをつかむかどうかで決まる。またShopを利用する機会はほとんどなく、「Madness」の存在価値は薄い。船によって攻撃手段が違うものの、攻撃タイミングは読みやすく、覚えてしまえばボスも簡単に沈めることができる。たとえば白鯨は一旦停止できないといった行動制限などがあれば、もう少し緊張感のあるゲームプレイを味わえたかもしれない。
キーボードのWASDを使った操作は難しいので、できればXbox Oneなどのゲームパッドでプレイしていただきたい。左スティックだけで快適なゲームプレイが可能になる。ボリュームたっぷりというわけではないのだが、美しいビジュアルはじゅうぶん満足できるだろうし、なかには『エコー・ザ・ドルフィン』を思い出してなつかしい気分になれる人もいるはずだ。