押井守の『Fallout 4』通信
第9回 「気がつけばヌカワールド」

押井監督が『Fallout 4』のプレイ状況をお伝えする隔週連載「押井守の『Fallout 4』通信」。今回はついに本編をやり尽くしDLCへと進む(編集部)。
押井監督が『Fallout 4』のプレイ状況をお伝えする隔週連載「押井守の『Fallout 4』通信」。今回はついに本編をやり尽くしDLCへと進む(編集部)。

※本連載は押井守メールマガジン『押井守の「世界の半分を怒らせる」』にて掲載された内容を再編集したものです。

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現在レベル142。

サンクチュアリからコンコードに至る「PA街道」も完成し、とりあえずの目標も完遂して、さすがにやることがなくなりました。

というより、見渡す限りPAで埋め尽くした拠点のRRTSの画像処理が半端でなく重く、歩き回るのさえガクガクで略奪品の分別収納作業すらままなりません。常駐者がドッグミート君とケイト姐さんだけだからまだマシなのですが、もはやフリーズの恐怖が日常です。

PS4版ですからマシンの強化もなりません。

そこでやむなく、周辺の居住地の整備を始めたのですが、この入植者たちが全然可愛くありません。まあ、救援要請があれば駆けつけてはいたのですが、それ以外は出店するでもなく、最低限の衣食住のみを与えて放置していたのですが、あらためて付き合い始めると、これがとにかく可愛くない。

「あんたに知っておいて貰いたいんだけど」
「みんなベッドに不満で爆発寸前」
「最近は眠るのもシフト体制だし」
「こんな農場だけど」
「とりあえずは喰っていけるけど」
「朝から晩まで仕事で腰が痛えし」
「爪が奇麗だったのがいつだったか忘れちゃったし」

あとは何を尋ねても「え?」と「はい?」だけ。ダイヤモンドシティの住人たちもクズばかりですが、募集ラジオ放送で集まってきた連中の態度の悪さにはうんざりです。少しは自分で何とかしたらどーなのよ。何故このオレがあんたらの面倒をみなくちゃならねえんだ!

というわけで「サンクチュアリ電化計画」とか「B.O.S.戦略村」とか「コーサーの隠れ里」とか、いくつか計画して、そのためにB.O.S.の制服やらコーサーの制服やらをバーゲンセールで叩き売れるほど備蓄していたのですが、その全て放棄するに至りました。

誰も期待してなかったと思いますけど。

実現したのは「アバナシー・ファーム」改め「ボストン・レッドソックス二軍宿舎(ファーム)」だけ。揃いのユニフォーム姿の入植者たちがバットでレイダーに立ち向かう姿は、なかなか壮観でしたけど。

そのために集めたバットだって、金属からマホガニーまで色も各種。それなりに愉しんだけど、やはりクラフトに向かないんだなあ。『DQB(ドラゴンクエストビルダーズ)』は「建築」でなく「景観」の改造だったから、あれだけ夢中になれたのでしょう。山まで削りましたからねえ。

というわけで居留地や農場にちょっかい出すのは中断して、いよいよDLCの導入に踏み切りました。まずはPS4をネットに接続する作業から始め、これは順調に進展したのですが……。

コンテンツのダウンロードが遅い!

大容量のファイルであることも、難視聴区域である我が家の電波状態がよろしくないのも承知のうえでしたが……それにしても遅くないか?DLCのダウンロードって、こんなに時間がかかるものなの?「Automatron」は朝から始めて夜中まで。「NucaWorld」に至っては二日目の夜にようやく終わりました。

ダウンロードの完了を待つあいだ、他にすることもないので、いつものようにレイダーの拠点を襲撃したりB.O.S.のパトロールを待ち伏せしたりしてPAのフレームを集め、各居留地に非常用に設置して回ったのですが、全てに配置してもまだ終わりませんでしたね。

手始めに先にダウンロードが終わった「Automatron」からスタートしたのですが、ワクワクしたのは始めだけ。クエストの性格上、連れて行けるのはドッグミートでなくエイダだし、とにかく一直線のクエストですから一日で終わってしまいました。思うに、このDLCの目的はロボットの制作を可能にすることなのであって、クエストはその作業を世界観に馴染ませるための口実なのでしょう。なにしろレベル130を軽く超えていたので、メカニストのアジト攻略もスティムパックを二回くらい消費した程度で、文字通りの楽勝でした。

私はパワーアーマーは大好きなのですが、ロボットは大嫌いなので、ロボット作業台はサンクチュアリに放置したまま、エイダを改造した以外は未だに一台も制作していません。

まあ、PAもまともに使ったことはありませんけど。

という訳で、いよいよ「NucaWorld」です。なにしろレイダーの世界ですから、是非やってみたかったDLCです。
レイダーって、頭悪いからなあ。でも判り易い連中ですから、軍隊組織のガンナーより好感が持てます。スーパーミュータントは知性がどうこうでなく愚鈍なだけだし。グールは気持ち悪いし、略奪しようにも大したもの持ってないし。人造人間はコーサー以外はパンイチにできないし。だから、もれなくパンイチにでけるレイダーが一番好きです。

まずは何を措いても駅構内の「ゴミ箱漁り」です。

ヌカワールドのチケットやらトークンやら、収集癖を満たしてくれそうなアイテムがザクザク拾えます。ヌカコーラの紙コップからピザのトレイまで、なんでもかんでも漁ります。いつもなら拾わないヌカコーラも空き瓶まで拾います。漁り過ぎて荷物がイッパイになってしまったので、拠点のRRTSまで一旦引き返して特設した記念品ロッカーに収納し、再び駅に舞い戻ってから列車でGO!

到着した駅に先着していたガンナーの偵察分隊を直ちに掃滅。ヌカワールドに踏み込む前に、再びゴミ箱漁り。外壁に沿って一周し、全てのゴミ箱やら何やらを漁ると再び荷物がイッパイになりましたが、さすがに戻るのは面倒なので、後で回収することにして、入り口付近のゴミ箱に全て放り込みます。例の「ゴミ箱作戦」で習熟したので、この辺の手順は万全です。さて、いよいよヌカワールドへの記念すべき第一歩。なにしろ『DQXI(ドラゴンクエストXI)』発売の9月末まで持たせなければなりませんから、しゃぶり尽くす気合い満々です。というところで、実は連休中(※メルマガ連載当時)にほとんど終わってしまったのですが、書きたいこともあれこれとあるのでまた次回。

んぢゃまた。

Oshii Mamoru
Oshii Mamoru

1951年生まれ。映画監督。代表作に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』劇場版「機動警察パトレイバー」2部作、『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』などがある。また「機動警察パトレイバー」シリーズを完全オリジナルの新作としてドラマ版+劇場版の全7章で実写映像化した「THE NEXT GENERATION パトレイバー」シリーズの総監督を務める。最新作は「GARM WARS The Last Druid」。

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