『Loading Screen Simulator』ロード画面との果てしなき戦い(という名の暇つぶし)を描く無料のクリッカーゲーム

『Loading Screen Simulator』とは、Steamで配信されている無料のクリッカーゲームである。ゲーマーならずとも一度は直面したことがあるであろう、ロード画面との果てしなき戦い、ロード中いかにして時間を潰すのかという問題を描いた作品だ。

Loading Screen Simulator』とは、Steamで配信されている無料のクリッカーゲームである。ゲーマーならずとも一度は直面したことがあるであろう、ロード画面との果てしなき戦い、ロード中いかにして時間を潰すのかという問題を描いた作品だ。ロシアのインディーデベロッパーCakeEaterGamesのメインメンバーRuslan Taranov氏が週末プロジェクトとして開発をスタートさせたもので、とあるゲームのローディング時間があまりに長く、Taranov氏がRage Quit(キレ落ち)してしまった経験から本作のアイデアが浮かんだとのこと。

当初はブラウザゲームとして配信されていたが、いまはなきSteam Greenlightプログラムにて好評を博したことから、2017年7月15日にSteamストアでの配信を開始。無名に近いデベロッパーながら、Steam Spyの数値によると4日間で6万ダウンロードを達成している。

プレイヤーは何かしらのファイルをダウンロードしており、タスクが完了するまでひたすら待つことになる。待っている間は、「Earn money」と書かれたボタンをクリックすることで所持金を増やし、Windowsならぬ「Shindows Shop」からアプリを購入できる。時間潰しになるミニゲームや、ロード時間の改善・可視化に繋がるソフトウェア、待ち時間を快適に過ごすためのミュージックプレイヤーなどをダウンロードし、腰を据えて待機するというわけだ。

つい先ほどまでローディング時間が「残り5分」と表示されていたはずなのに、いきなり「残り1時間」まで延びたり、画面上では進捗100%に到達しているのにタスクが終わらなかったりと、ロード画面の表示はまったくあてにならない。またウェブブラウザで時間を潰そうにも、重すぎてまともに使用できなかったりと、ロード待ち「あるある」が随所に散りばめられている。

画面をクリックし続けるのが面倒な場合は、オートクリックツールに任せるか、Tabキーで「Earn Money」をハイライトしてEnterキーを押下し続けよう。あとは所持金が増えていくのを眺めているだけでよい。こうでもしないと到底アンロックできない実績も存在する。お金が有り余ってきたら「Shindows Shop」に寄付してみよう。不思議とローディングが速くなるかもしれないぞ。

Shindowsやブラウザをアップデートして時間短縮を図ろう
ミニゲームで時間を潰すことも可能。なんと300ドルもする

本作はロード待ちの退屈さを再現するというコンセプトから、決してエキサイティングなゲームではない。それでも、ささやかな笑いを届ける「ネットミーム」としての役割は果たせている。たとえばSteamストアのユーザレビューおよび掲示板には、「子供の頃を思い出すよ(By. An Unfunny, Unoriginal Name)」「私のゲーミング人生のすべてが込められているよ(By. Neptune V. Rouge)」「現実のロード画面がこれくらい面白ければいいのに(By. Fertonator)」「マルチプレイの実装予定はあるかい?フレンドと一緒に体験したいんだ(By. 「Reviire」)」といった冗談交じりのポジティブな投稿が続いている。PCユーザならば誰しもが溜息をついたことのあるロード待ち。それは思わず反応したくなる、何かジョークのひとつやふたつ残しておきたくなるような題材なのだ。

「そもそも何をダウンロードしているんだい?100GBの、全裸の男女が出てくる映画かい?」と聞いてくるAI。実のところは……

いざローディングが終わると、一体全体、30分から1時間もかけて何を落とそうとしていたのかが明らかになる。気になった方は、一度ダウンロードして確かめてみよう。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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