『アークナイツ:エンドフィールド』冒頭わずか30分の“大量『アークナイツ』ネタ”を解説。溺れるほどの情報、しかし何もわからない
忘れているどころか「まったくわからない」管理人にぜひお読みいただきたい

HypergryphおよびGRYPHLINEは1月22日、『アークナイツ:エンドフィールド』をリリースした。筆者は『アークナイツ』のプレイヤーとしてリリースを楽しみにしていた一人である。そんな人間としてはゲーム開始早々お出しされる小ネタの数々が実に嬉しく、開始早々から素晴らしいファンサービスを受けたと思えている。一方、はじめて『アークナイツ:エンドフィールド』をプレイする人からは「何が起こっているのかよくわからない」という意見も聞いている。そのため、どの描写が『アークナイツ』を思い出させるものだったのか、気付いた要素を並べてみたい。
※本記事には『アークナイツ』およびイベント「バベル」「孤星」のネタバレが含まれています。
まず『アークナイツ』とは、プレイヤーはロドス・アイランド製薬(以降、ロドス)における指揮官であるドクターとして、オペレーターと呼ばれる仲間やロドスのCEOアーミヤ、医療部門のリーダーであるケルシーとともに鉱石病という病を起因としたさまざまな問題に立ち向かうゲームである。物語が開始された時点でドクターは記憶を失っており、過去の自分がどういう存在だったのかを追いかけることも目的の1つとなっている。ドクターというのは正式な名前ではないが、皆にそう呼ばれることもありプレイヤーもまたドクターと呼ばれることもある。
早速出てくる源石という言葉に気を引かれる

ゲームを開始してすぐに「源石(オリジニウム)」というキーワードが出てくる。源石は『アークナイツ』ではエネルギー源やアーツと呼ばれる特殊な技の根源になるが、先にも書いた「鉱石病」と呼ばれる病気の原因でもあり、リスクとリターンを兼ね備えたものである。最新のシナリオでは源石の本来の目的は「いずれ来る滅びを回避するためあらゆる存在を情報として蓄積するもの」というところまで語られている。
バベルの塔に刺さる謎の建造物と思わせぶりな花畑

チュートリアルを進めていくと巨大な建造物が見えてくる。バベルの塔を思い出させる建造物だが、『アークナイツ』のドクターはロドスの前身であるバベルという組織に属していた過去があり、ロドスのマークも塔を思わせるデザインだ。そして塔に刺さっている謎の建造物はロドスの本拠である母艦、ロドス・アイランドに似ているように思える。

その建造物の中には花畑が存在する。この花畑によく似た風景は『アークナイツ』本編のイベント「バベル」に登場した。バベルという組織を立ち上げた女性、テレジアが源石を利用して作り上げた花畑だ。『アークナイツ』のイベント「バベル」において重要な事件に関わるため、バベルの塔に似た建物の中にある花畑が非常に印象に残った。チュートリアルにわざわざ「花畑を通る」と記載があるのもそれを意識させる作りになっているのだろう。
『英雄』Patriotの像


続けて敵を蹴散らしながら進んでいくと、雪原の中に巨大な像が立っている。これは『アークナイツ』本編第7章の強敵、ロドスと敵対する組織レユニオンの幹部、Patriotというコードネームの像だ。敵とはいえ、戦いの果てにドクターとともに行動するヒロイン、アーミヤに未来を託す形で生涯を終えた。実際にはこちらの味方となる展開がなかっただけに「君も助けてくれるんだね」という管理人のセリフや「英雄の腕を登る」と表記されているのも感慨深い。
すべてが墓なのだとわかるシーン
そこを越えると巨大な石碑を小さな石碑が取り囲んでいる場所に到達する。ある女性が触れている石碑に触れると、次々と名前が登場する。これらはほぼ全員『アークナイツ』本編で死亡したキャラクターたちである。

ケルシー、テレジア、テレシス。この3人はバベル時代からの関係者である。諸々の事情で全員死去している。
Scout、Ace、Outcast、Whitesmith。この4人はロドスのメンバーであり、やはり全員死去している。
ボジョカスティ、エレーナ。前者はPatriotの本名。後者はPatriotの娘であり、コードネームはFrostNova。後者はPatriot同様レユニオンの幹部であり、アークナイツ第6章の強敵である。
クリステン・ライト。ライン生命という会社の創始者。アークナイツのとあるイベントで一人宇宙へと行くことになるが、作中では明確な死は描かれない。
ランキン。どうやら中国版『アークナイツ』ではすでに登場済みのキャラクターとのこと。『アークナイツ』は中国版がグローバル版の半年ほど先行しているため、このようなことも起こる。
ランキンという名前で「誰!?」となってしまいちょっと感情の行き場を失いそうになったが、それまでに次々と表示される名前はいずれも印象が強いものばかり。源石はあらゆる情報を蓄積する存在なのだが、それゆえに死者たちの記憶は受け継がれていくのかと思わされた。
一瞬映るアーミヤに驚き

そしてチュートリアルの戦闘が終わり、目覚める前の断片的なシーンでアークナイツのヒロインであるアーミヤの姿が登場してさすがに驚かされた。ほんの一瞬なのでどういう意図を持って差し込まれたシーンなのかはわからない。ただ『アークナイツ』で重要な立ち位置を示すキャラクターだけに、今後が気になると同時に「できればこれ以上いろいろなものを背負わないでほしい」という気分にもさせられる。
ケルシーの長い話

続けて目覚める前にはある文章が登場する。
“Yet, once we start walking forward, the traces of our journey will always be there beneath our feet whenever we look back.――Kal’tsit”
最後の名前は読みづらいがこれで「ケルシー」と読む。アークナイツ本編8章にて「だが、一歩前へと踏み出せば、旅は始まる」というセリフがあり、おそらくそれと思われる。このシーン、前後にケルシーのものすごく長い会話が挟まるため、忘れているドクターも多いかもしれない。『アークナイツ』本編ではすでに死去しているのだが復活の可能性がありそうなこともあり、気になる記述ではあった。こちらは感情を揺さぶられると言うよりは「このセリフをここで出してきたことにどういう意味が?」と謎解きを用意されたような気分になっている。

目覚めの直前にアーミヤとケルシーという『アークナイツ』におけるとても重要なキャラクターについての情報が差し込まれるため、ドクターと管理人はなにか関係があるのか、あるいは源石から受け継がれてきた記憶を見せられているのかはわからない。いずれにせよ「続きが気になる!」という気分になったのは間違いない。
ある程度操作できるようになるまで約30分弱の流れを追ってみたが、改めて情報量が多いと感じた。短時間で摂取できる情報に溺れつつ、『エンドフィールド』本編も楽しむ。それが『アークナイツ』をプレイしているドクターたちの現状である。「どういうネタかはわかったがどういう意図で存在しているのか?本編に今後関係はあるのか?」と聞かれてもわからないのが正直なところだ。だがドクターとしてこういう情報のサービスは大変嬉しく思う。
墓標に並ぶ懐かしい名前に涙し、ケルシーとの長い会話を思い出し、突如現れた知らないキャラクターの名前に混乱。開始30分で情緒をかき乱されてしまい、改めて考えると制作サイドの手のひらの上で踊らされている感がある。ただ、その手のひらの上で転がされることが嬉しくもある。できればこれからも踊らせてほしいし、手のひらの上で転がしてもらいたい。
『アークナイツ:エンドフィールド』は、PC/PS5/モバイル(iOS/Android)向けに基本プレイ無料で配信中だ。
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