「二社のDNAとノウハウで高品質なCS&QAを提供」株式会社SHIFT PLUS代表取締役・松島弘敏氏。GTMF 2016 Meet-Ups
引き続きGTMF 2016大阪会場Meet-Ups特集をお届けする。第10弾は株式会社SHIFT PLUS代表取締役 松島弘敏氏にフォーカス。
運営チームの一員としてご提供するカスタマーサポートサービス
株式会社SHIFT PLUSは、ソフトウェアテストを専門とする株式会社SHIFTと、ゲーム企画・開発・運営の株式会社オルトプラスとの合弁会社。会長は元スクウェア代表の武市智行氏。プレゼンをおこなったのは、代表取締役の松島弘敏氏。
SHIFTが得意とする「品質の良いオペレーションを作る能力」といったノウハウをオルトプラスのCSに入れ、さらにブラッシュアップしたものがSHIFT PLUSのサービスだという。つまり両社の強みが融合しているわけだ。
SHIFT PLUSは全体の品質を向上させるために、対応者のランクごとに業務を分けている。たとえば確認・調査・分類であればBランク以上、対応者アサインならAランク以上といった具合だ。つづいて松島は、某重IPタイトルで24時間滞留していた4000件の問い合わせを2週間で対応し、ヘビークレームを1か月で0件に、再クレームは月に0.8%まで減少させたという実績を紹介し、改めて高い品質をアピールした。
プラスアルファの価値として「お問い合わせ傾向」や「改善提案」などを無料で提供しているという。またSHIFT PLUSのデータベースから過去の類似案件を探し出し、分析や改善提案も提供できるそうだ。SNS運用などにも対応しているので、興味のある方は問い合わせてみてはいかがだろうか。
二社のDNAとノウハウで高品質なCS&QAを提供
――SHIFT PLUSさんは、品質保証のSHIFTさんと開発・運営のオルトプラスさんとの合弁ですね。
そうですね、合弁会社です。
――ほぼ無敵なんじゃないかなというぐらいのイメージがあるんですけど、業務的にはQA(品質保証)とCS(顧客満足)だけですか?
はい。ただQAとCSをやっているとそこの業務のノウハウを持って横展開がしやすいんです。たとえばSNS運用や、監視業務もQA・CSでゲームの仕様を把握していればサービスとして展開しやすいです。
――やはり無敵ですね。ところで、なぜ高知に会社を構えられたんですか?
理由はふたつあります。ひとつは元スクウェア代表の会長武市が高知出身で、高知県内で強いコネクションがあったことです。例えば、設立時に県庁職員の方々の全面バックアップの下、大規模な採用説明会を開くことができたり、営業面でも色々な会社さまをご紹介頂いていたりします。
もうひとつは、高知県ってあまり知られてないのですが、実はコンテンツ産業がとても盛んで、漫画家の輩出数も日本一だったりするんですよ。『アンパンマン』のやなせさんとか、『ジャングルの王者ターちゃん』の徳弘さんとか高知県出身の漫画家さんで。さらに県庁の中に漫画コンテンツ課っていうのがあるんです。そこが独自に、たとえばソーシャルゲームカードデザインコンテストをやってたりもしますね。あとは毎年漫画フェスティバルも開いていたり、ゲームとか漫画に関心が高い人が多いです。だから人材の面でもうちの事業とマッチするかなと。そのふたつから高知を選びました。
――間寛平さんや西川きよしさんが高知出身だというのは知っていましたが、なかなか魅力的ですね高知県。
人の気性的にもフランクですよ。高知県内に居酒屋のフードコートみたいな「ひろめ市場」っていうのがあるんですけど、そこで知らない人同士が勝手に相席しあってその場で仲良くなって一緒に二次会行こうってなったりします。同じコンセプトのものを他の県でやろうとしたんですけど、うまくいかなかったですね。まぁ酒飲みっていうのもあるんですけどね(笑)
――独特ですね。
はい。なので、企業が進出した際も皆さん温かく受け入れてくださいます。
――お仕事もしやすそうですね。カスタマーサポートは海外とか多言語も対応されているんですか?
そうですね。英語と中国語は対応しています。
――では海外展開を考えているところでも英語・中国語だったら――
お任せいただけます。
――Meet-Upsのプレゼンをお聞きしていて、燃え上がった案件をうまくコントロールすることがSHIFT PLUSの売り物のひとつだっておっしゃっていましたが、たとえば立ち上げてすぐのモバイルゲームとかそういうのがメインですか?
そうですね。ネイティブとあとオンラインブラウザゲームが中心ですね。
――最近のスマートフォンのゲームは、リリースの出だしでつまずく会社がすごく多いイメージがあります。大手であっても。その後うまく修正をして軌道に乗ることもありますが、そういった背景にはSHIFT PLUSさんのような会社が絡んでいることが多いんですか?
ゲームって短納期で開発してっていうのがあるじゃないですか。多少品質を犠牲にしてもリリース間に合わすみたいな部分があるので、不具合があるのはわかっているけど、もう間に合わないから出しちゃうっていうケースはあるんですよね。で、弊社としては事前に「こういう不具合があるから、あるいはこの部分が仕様としてまだブラッシュアップ仕切れていないから、おそらくこういうお問い合わせが来る」っていうのを過去の知見から予測して、事前に返答テンプレートを作ったりしています。炎上時は返答が遅くなってしまうのが更なる炎上を生んでしまうので。なのでそういう事前準備をさせていただいて、ユーザーさまにできるだけ早くお怒りを鎮めて頂き、ゲームを楽しんでもらえるようサポートさせて頂いております。
――ユーザーには見えないけれど、裏では多くの人がかかわっていると。
うちがあるタイトルのカスタマーサポートをやっていますというのはあまり表向きにはできないんです。ユーザーさまにはパブリッシャーさんがやっているという風に見せないといけません。そのためCS対応者はパブリッシャーさん並みにそのゲームのことを熟知してないといけないんです。その面ではもともとゲームマニアの人が多い高知県っていうのはアドバンテージあります。FPSで世界ランクに入ってる人とかも多いです。またマニアなだけではなく実務適性があるかどうかも独自の採用検定で測っています。
――炎上の事例をたくさん見てらっしゃると思いますが、傾向などは見えてきますか。
一番危ないのは新規リリースの際の不具合ですね。特に接続不良が一番跳ねますね。
――すでにいま炎上してるんですがお願いしますっていう新規のお客さんでも対応は可能ですか?
はい、可能です。過去の例で言うと、リリースして5日で、5000件6000件滞留していて、弊社にSOSの連絡があって、三週間で滞留消化させて頂きました。
――たとえば“詫び石”をこれくらい配ったらどうですかとかそういう具体的なアドバイスをすることも?
そうですね、する場合もあります。そこまでの助言を求められているクライアントさんもいます。クライアントさんによってはもうきっちり運営方針が決まってらっしゃるところもあるのでそこはその通りにやらせて頂きます。逆にあんまり決まっていなかったり、追加したほうが良い観点があれば、どんどんこちらから提案させていただいていますね。
――炎上してから頼むところもあれば、保険的に今後炎上したら怖いからSHIFT PLUSさんに頼むと。
そうですね。カスタマーサポートって最近「カスタマーサクセス」とも言われるほどユーザーエクスペリエンスにおいて重要な位置づけになってきているので、最初からちゃんとカスタマーサポートやろうっていう会社さんが増えてきてるんですよね。そういうところで弊社みたいなノウハウのあるところに任せたいっていう要望は増えてきています。うちが他社と違うのは、もともとオルトプラスというサービスプロバイダーの会社が基点となって立ち上がったので、ただのBPOビジネスじゃなくて、運営が何を求めているのかを細かいところまでちゃんと把握していて、そこを満たすサービスができるところです。
ネイティブアプリとブラウザゲームの会社が多いのですが、皆さんよく知られているような、App Storeランキングで上位に入っているような会社さんのタイトルもやらせて頂いています。志向性として多いのはUXの重要な要素の一つとしてCSをしっかりとやっていきたいっていう会社さんが多いですね。単に「コストを安くしたい」っていうところであれば、カスタマーサポートをやってる会社って結構沢山あるじゃないですか。ただ弊社は、オルトプラスのDNAによる「サービスの成功を目指す運営者と同じ目線」、ソフトウェアテストのSHIFTのノウハウが入った「高い品質水準」を強みにしています。そういった所にご興味を持たれる会社さんが多いですね。もちろん仕組化により価格面でも他社には負けません。
あとはタイトルの運営移管を考えられている会社さんで、まずはCSの移管で小さく始めリレーションを築いた上で、オルトプラスへタイトル自体の運営移管というパターンもあります。
――他社さんに負けないSHIFT PLUSの強みとは?
先ほどお答えした二社のDNAとノウハウに加え、QAとCSの連携ですね。
他社さんと違って、弊社は一つの会社の中にQAとCSチームがあるので、場合によってはQAチームがCSも兼務することで管理、仕様把握コストが削減できたり、不具合関連のお問い合わせに対してスピーディな対応ができたりします。QAとCSが同じ空間にいて密に連携することで、対応できる範囲が広がり、クライアントの手間も減ります。
皆さん、是非一度高知と弊社オフィスに来てください。最近、東京からの視察がどんどん増えています。来て頂いた皆さん、高知の事を好きになり、弊社スタッフの熱量を実感して頂けています。QAもCSもただのコストではなくサービスの価値に大きく影響するものなので、クオリティが高く、運営チームと同じ目線で業務に当たれる事が必要です。弊社はそれができます。是非一度お越しくださいませ!
――ぜひ行きましょう。ありがとうございました。
[聞き手: Shinji Sawa / Minoru Umise]
[写真: Mon Gonzalez]
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