シンプルだからこそ思わずハマる、寝不足必至の村育成&RTS『Evertown』プレビュー
Steamの早期アクセスタイトルに2016年1月12日、indiemaatheus開発の村育成ゲーム『Evertown』が登場した。元々『TownCraft II』という名前でindieDBなどで公開されていた作品だ。どこか懐かしく温かみのあるドット絵と、シンプルだが妙に中毒性のある村づくりが魅力の本タイトルについて、軽く紹介していこう。
ゲーム開始時に画面上に現れるのは、村の「ヒーロー」と2人の農民、2人のハンターの5人だけ。プレイヤーは彼ら一人一人に指示を与え、まもなくやってくる夜に備えねばならない。必要なのは村人たちの食料と、建築に必要な木材だ。
『Evertown』の世界では18時になると夜が訪れ、Map上の暗闇からはモンスターが出現する。しかし、畑や家、防衛施設などの建築物を設置することで周囲が明るくなり、村周辺の安全度を高められる。つまり、昼の間にどれだけ資源を収集し、すばやく数多くの建築が行えるかが、このゲームのポイントなのだ。
建築には大量の木材や食料を消費するが、それらを生み出す農民もまた食事は必要だ。戦闘能力をもたない農民をモンスターから守るのに、ヒーロー一人ではとても手が回らない。しかし村人を増やすほど維持コストはかさむ。人手が少な過ぎれば防衛も間にあわない……と、いうわけで「いま最も優先すべき行動は何か」に頭を悩ませつつ、ポチポチと画面をクリックして村づくりに勤しんでいると、いつしかプレイヤーの元にはとんでもない時間泥棒が訪れているはずだ。
特に序盤は資源の確保と、防衛施設の建築のバランスが難しく失敗続きになりやすい。そのたびに「いまのは資源を優先すべきだった」「次はうまくやろう」と、トライ&エラーこそが本タイトルの楽しさだと言える。
完成度はまだまだ、今後のアップデートに期待を
筆者個人はこのシンプルさゆえに、すっかり『Evertown』にハマっているが、やはりそこは早期アクセスタイトル。欠点がないわけではない。ゲーム開始時にはごく簡単な操作説明がさらっと書かれている以外、チュートリアルなどは一切ない。実は最初の数時間はセーブ機能がどこにあるのか見つけられず、かなり悩んでしまったほどだ。フォントも昔懐かしいファミコン風を意識しているのか、正直かなり読みづらい。また、施設のアップグレード要素も少なく、コンテンツを遊びつくすまでの時間はそう長くないだろう。
最大の難点はとにかく頻繁にクライアントがクラッシュしやすい点だ。何しろ「セーブボタンを押すと」3、4回に1度クラッシュというのは致命的。筆者のPC環境の問題を疑ってもみたが、Steamのユーザーレビューにも「15分おきにクライアントがクラッシュしてストレス」といったコメントが見られる。
繰り返しになるが『Evertown』はあくまで開発途中の早期アクセスタイトルであり、上記のような問題も、今後のアップデートによる改善は大いに期待できる。開発側も将来の実装計画として新ゲームモード、ボスモンスターの登場、ユーザーよるマップエディター機能などを挙げており、意気込みは十分なようだ。Steam上での評価は「ほぼ好評」、価格も298円とお手ごろなので、育成・経営シミュレーションがお好きなプレイヤーならば遊んでみてはいかがだろう。