『Star Wars Battlefront』のベータテストに突撃参加。世界中でルークとベイダーが誕生した
去る12日までの期間中、『Star Wars Battlefront』(以下、SWBF)のオンラインベータテストが実施された。世界中で注目されている中、もちろん私も例外ではなくスターウォーズの世界にどっぷり浸かれる瞬間を待ちわびていた。事前にゲーム内の美しいスクリーンショットやPVを繰り返し見て、秋の夜長にプレイするには最高のテストだと確信した。
PS4でプレイしてみようと思い、ゲームデータをダウンロードしている最中もあのスターウォーズのテーマが頭の中にリフレインしまくっていた。たまにダース・ベイダーのテーマに変わったりしたが。その時やはり回線が混んでいたのか、私の環境では若干ダウンロードするのに時間がかかり、その間ずっとテーマがぐるぐる回り、最終的にはベイダー卿がテーマを歌っていた。私の頭の中だけのスターウォーズが上映されていた瞬間だ。
まずはサバイバルミッションに身を投じてみた
もうそろそろベイダー卿が踊り出しそうなところでようやくダウンロードが完了し、起動してみた。そして、白バックにゲームタイトルが表示されるシンプルな画面でボタンを押してモード選択へと移る。まだベータテストなので選べるモードは限られているが、オンライン対戦のマルチプレイヤーモード、一人でもCO-OPでも楽しめるミッションモードの二つが選べた。こういうオンライン対戦メインのゲームの全てに言えることだが、私は元来小心者なので、オンラインの荒波に突撃する前に必ず一人でもできるモードをプレイする。血気盛んな荒波さんたちにあまり迷惑かけたくないからね。一人で満足できるまで練習するのだ。
というわけで、もちろん最初に選んだのはミッションモード。一人で敵をバンバン倒してやるぜ! と意気込んでボタンを押した次の瞬間に感じたことといえば「なるほど、わからん」という、頭の上に「?」が浮かぶ状況。というのもまだベータテストなので全て英語表記のみという言語の荒波。オンラインという荒波よりもよっぽど高く荒々しすぎる波だ。ある程度は理解できる……いや、すみませんちょっとカッコつけた。ちょっとしか意味が理解できず終始首をかしげていたが、やがて「……なんとかなんべ」と、これまた元来の楽観性を発揮してミッションモードを始めた。
ミッションの中にも3つのモードがあり、唯一選べるサバイバルをプレイしてみた。始まりはちょっとしたムービーが入る。どうやら反乱軍の数人が帝国軍に追われているようだ。そして反乱軍の一員となり、ゲームがスタートした。
このサバイバルはウェーブ制で、1ウェーブで敵の大群がひとかたまりになってプレイヤーに襲いかかり、その猛攻をしのげればまた次のウェーブが始まる……というように繰り返される。今回はウェーブ6までプレイできるようだが、始めたばかりの私には関係の無い話だった。だって3ウェーブ目で撃沈したからね。予想もしない兵器が登場したために、どう倒していいかわからず惜しくも敗れてしまった。惜しくもね、惜しくも。
私「クソッ、あんな兵器があるなんて聞いてねェ!」
反乱軍「あれはAT-STという二足歩行型の陸戦兵器……帝国軍は本気というわけだ」
私「こっちにはああいうのないの!?」
反乱軍「お前にも立派な足がついてるじゃないかァ。二足歩行型のお前よ」
私「いや、あんなにカッチカチじゃねェ!」
確かにAT-STはカッチカチでこちらの通常武器のブラスターを撃っても果たしてダメージを与えられているのだろうかと不安になるところもあるのだが。しかし根気良く撃ち込んでいけば、鉄の塊だろうとちゃんと倒せるはずだ。こちらもバトルを有利に運べる強力な兵器などを使えたりするのでそこまで心配はないだろう。
主にストームトルーパーと呼ばれる機動歩兵がワラワラと目の前に立ちふさがってくるが、2回目のチャレンジで無事に6ウェーブ目までクリアできた。これが製品版ともなると15ウェーブまであるって? 今の私には絶望しかない。難易度はノーマルでプレイしたが本当にもう先が思いやられるとはまさにこのこと。しかしそれ以上にやりごたえも十分。収集要素もあるようで、虜になった未来の私が延々とプレイし続ける姿がすでに見える。なんと恐ろしい……やら楽しみやら。
いよいよ世界中の強者と対戦
……一人でプレイしてみて、ちょっとだけ慣れた気もしないでもない。いつものように「なんとかなんべ」の精神で今度はマルチプレイヤーモードを選択した。ベータテストではその中でも「ドロップゾーン」と「ウォーカーアサルト」というルールで遊べた。
最初に選んだのは「ドロップゾーン」。空から落ちてくる脱出ポッドを巡って、最大8人対8人でスピーディーなバトルを展開する。反乱同盟軍と帝国軍に分かれ、先に5つのポッドを確保するか、制限時間までにより多くのポッドを獲得したチームが勝つ。ポッドの落下地点まで急いでも確保できるまで時間がかかるため、その場で奪ったり奪われたりのアツイ攻防を繰り広げるのだ。
初めてプレイしたときのことをよく覚えている。開始直後、たまたまポッドがすぐ近くに落下してキョロキョロと挙動不審な動きで近づいていった。そこからはもう、一人巌流島状態。待てど暮らせど武蔵(帝国軍)が来ない。そしてなぜか味方も来ない。耳を澄ませば遠くの方でバンバン撃ち合っている音がする。
実は、制限時間になっても決着がつかない膠着状態の場合は、サドンデス的に同時に2つもポッドが落ちてくるのだ。しかしそんなことはつゆ知らず。私はそのうちの片方の前で、かなり長いこと戦闘態勢のままで緊張していた。いや実際にはそんなに経っていないのかもしれないが。
私「ヤベ、あっちか……私も恥を忍んで馳せ参じるべきか……しかしどうだこの体たらく……」
私「それに私がここを離れればたちまち敵がこのポッドを奪いに来るだろう……そうなったら……」
私「いやいや、その前にきっと味方がこっちにも来てくれてここが新たな戦場へと……ブツブツ」
帝国軍「ここに挙動不審なヤツがいるぞオオオ!!」
私「ん?」
あの時は、おのぼりさん状態でキョロキョロしている間にどこからか撃たれて死んだ。きっと何もかも私のフォースが足りなかったせいだ。やはりサバイバル以上に気合いを入れなければならない。とりあえず日頃からフォースを高めるところから始めなくては。
それからというもの、他の仲間と一緒に進んでみたり遠くからちまちまと撃ってみたり、試行錯誤を繰り返しながら時間も忘れてポッドを奪い続けるも結局、オンラインではそう簡単に活躍できなかった。
自らがヒーローとなって敵をなぎ倒す爽快感
最後に選ぶのは「ウォーカーアサルト」。帝国軍はウォーカー(AT-AT)と呼ばれる巨大な陸戦兵器を投入し、反乱軍はそのウォーカーを破壊しようと激突する大規模戦闘だ。地上はもとより、空中でも激しい飛行兵器同士のバトルが巻き起こっているのだ。あくまで所感だがベータテストをプレイした限りだとマップはかなり広大だ。ちなみに私の場合、全ての地点を周りきることができなかった。
このウォーカーアサルトでは様々な大型兵器が登場する。前述したAT-STも操作できるし、飛行兵器に乗って空を自由に飛ぶこともできる。さらにはウォーカー自体にも乗って動かせるのだ。無敵の兵器で敵の大群を撃ちまくって倒しまくる快感……さすがスターウォーズの世界。
しかしウォーカーにも弱点はある。そのままでは傷ひとつ負わせることもできないが、反乱軍には「Yウイング」と呼ばれる兵器がある。マップ上に点在する通信施設でそのYウイングの派遣を要請するのだ。そうすることによってYウイングでウォーカーを弱体化させることができ、一定時間の間ダメージを与えられるようになるのである。帝国軍はウォーカーを守りながら、その反乱軍の抵抗を阻止すれば良いというわけだ。
そしてなんといっても、スターウォーズで語るべきはヒーローたちの存在。この『SWBF』でも、実際にルーク・スカイウォーカーやダース・ベイダーとなって戦場を駆けることができる。マップ上にランダムで配置されるオブジェクトを取ると、誰でも映画さながらに活躍できるのだ。ただし早い者勝ちだから気を付けろ! 首尾良くヒーローの座を勝ち取ったあとはライトセーバーを振り回し、それまでの銃撃戦から一転、素早く懐に入り込んで斬る! というライトセーバー無双を楽しめる。
私の場合、ルークにもベイダーにもいつの間にか斬られていた。あの人たち、フォースが強すぎて気配が完全に消えてるよ。あとよく聞いてみればめっちゃコーホー言ってた。
そしてヒーローを前にしたときの絶望感が半端無い。フォースが切れると倒れるようだが、それまではほぼ無敵なので見かけたらあまり近付かないようにするのが賢明だろうか。私のように遠くから仲間たちが無双されていく様をぼんやり眺めているのも一興。初めはめちゃくちゃ遠かった。ベイダー卿なんて黒い点だった。でもあまりぼんやりしすぎてると仲間にも雪のように白い目で見られてしまうからほどほどに。
私は今回のベータテストでは一度もヒーローにはなれなかったが、製品版が発売された暁には必ずやライトセーバーを手に戦場を暴れ回ってやろうと誓った。それまでにフォースをどれだけ高められるかにかかっているな。
発売までの期待がより高まったベータテスト
『SWBF』のベータテストはPS4とXBOXONE、PCで行われた。世界中のスターウォーズファンが各々の思い入れと共に美麗なグラフィックに酔いしれ、迫力あるゲームの前夜祭に盛り上がったに違いない。私もその期待どおり、熱中しすぎて目を閉じてもライトセーバーの光がゆらゆらと揺れている。その光をよく見ているとなんかベイダー卿が踊り狂っていた。私もいよいよだと思った。
ウォーカーアサルトをプレイ中、あのスターウォーズのテーマがBGMとして流れてくる。それだけで映画に出演している雰囲気だ。このゲームをプレイすれば映画をもう一度観たくなる……映画を観ればまたこのゲームがやりたくなる……永久に楽しめるサイクルだろう。
マップ上のオブジェクトやアイテムの位置を示すアイコンも分かりやすく、広いとはいえ迷うことはなかった。操作性に関しても非常に良く、直感で操作できるのも良い。一般的な他のFPSの操作とほとんど変わらない。そしてこれは個人的に歓迎するところだが基本はFPSのこのゲーム、なんと十字キーの下を押し続けるとカメラがキャラの後ろに下がり三人称視点になるのだ。FPSが苦手な人も、存分に自分の分身の背中に熱視線を浴びせつつプレイできる。
今回は一部のモード・マップしかプレイできなかったが、製品版ではどれだけの新たなスターウォーズが待っているのだろうか。ベータテストでロックされていた数多くの要素を早く見たいものだ。映画で復習しながら期待を膨らませて待つことにしよう。
私は形から入るか……とりあえずベイダー卿のマスクを買って、被りながらプレイして……コーホー……。