オンラインRPG『ロストアーク』6月アップデートコンテンツを先んじて触ってきた。扱いやすい新クラスと、暗澹とした呪われし大陸


国内向けには、ゲームオンから配信中のオンラインRPG『ロストアーク(LOST ARK)』。毎月アップデートが配信されている同作では、2021年6月のアップデートでは新大陸フェイトンと待望の5番目の基本クラス「アサシン」が登場。過去のアップデートと比較しても、大規模なものとなっている。今回、弊誌ではゲームオンから機会をいただき、筆者はリモートで先行プレイへ参加してきた。新大陸フェイトンや、アサシンについても少しだけ触れてきたので、先行プレイの内容を元にアップデート後の『ロストアーク』を紹介しよう。なお、本稿の掲載画像は開発中のものであり、アップデート時とは異なる可能性がある。


まずは待望の新クラス「アサシン」について触れていこう。『ロストアーク』には取材時現在、ウォリアー/ファイター/マジシャン/ハンターが基本クラスとして登場している。2020年11月にはファイターの上級クラス「ランスマスター」、2021年2月にはウォリアーの上級クラス「ホーリーナイト」が追加されたが、基本クラスはオープンサービス開始時から変わらず4クラスのままだった。そこへ、5番目の基本クラスとして「アサシン」が登場するわけである。

アサシンは、種族デランの女性キャラクターだ。デランは、かつてアークラシアで起こった鉄鎖戦争後に生まれた、悪魔と人の混血の種族。その身に悪魔の力を宿し、悪魔と似た容姿のせいで宗教国家セイクリアから迫害を受けていたという。メインキャラクターの1人である、司祭アマンの種族といえばわかりやすいだろうか。


先行プレイでは、6月に登場する2種類の上級クラスのうち、主にブレイドをプレイしてきた。ブレイドは、双剣と悪しき長剣によるブレイドアーツで戦うクラスだ。スキルとしては、任意の方向へ移動しながら攻撃し、連続で2回発動可能なスピンカッター。5m前進しながら長剣を大きく振り下ろすターニングスラッシュ。前方へ4m飛び込み、敵を地面へ叩きつけるデスセンテンス。敵を引き寄せつつ、広範囲に大ダメージを与えるホールドスキル、ムーンライトソニック。チャージ可能で、短時間のチャージ後に大きなダメージを与えるソウルアブソバー。チャージ完了前/1チャージ/オーバーチャージでチャージ状態によって威力が変わるブリッツラッシュなどが用意されている。

またスキルの大半には、バックアタック時の威力などを増加させる攻撃タイプ:後面が付与。スピンカッターとターニングスラッシュには、トライポッドに、スキル命中後10秒ほどヘッドアタック/バックアタックダメージを増加させる効果が用意されている。バフを管理しつつ、移動スキルによる機敏な動きで敵の背面を狙って戦うのだろう。

戦闘中に攻撃が命中すると、一定確率でブレイドオーブゲージを獲得し、ブレイドオーブが1個以上溜まるとブレイドアーツ状態へ移行できる。ブレイドアーツ状態では、保有しているブレイドオーブ数によって、ブレイド自身とブレイドアーツの性能が変化。最大の3個のオーブを保有していた場合には、移動速度10%増加/攻撃速度20%増加/攻撃力30%増加/スキルクールタイム50%減少など、短時間強力なバフが得られる。一部にチャージスキルこそあるものの、移動スキルは多めにあり、アイデンティティも素直な性質をしている。先行プレイの範囲内では、かなり扱いやすい印象を受けた。


もう一つの上級クラスであるデモニックは、悪魔の力を利用し、内に秘めた爆発的なパワーを解放して戦うクラスだ。敵を攻撃することで侵食ゲージが増加していき、チャージが完了するとアイデンティティの悪魔化が発動可能。悪魔化中は、一定時間悪魔の爪を使った戦闘スタイルでも戦えるようになる。ブレイドを暗殺者風の近距離クラスとするなら、デモニックは悪魔の力で戦う中距離クラス。先行プレイで短時間触った限りでは、ブレイドと比較して足を止めて使う射程の長いスキルが多く、上手く動かすには少し慣れが必要な印象を受けた。また、当然ながらブレイドとデモニックではプレイフィールがかなり異なるため、ゲーム内でスキルなどを確認してから、上級クラスを選びたいところだ。



呪われた大地で続く忌まわしい歴史


6月のアップデートでは、新大陸フェイトンの登場も予定されている。ゲームオンによると、フェイトンは「鉄鎖戦争後に現れた毒により、汚染されてしまった呪われた大陸。痩せた大地には、適応した数少ない生物が独特の生態系を構成している」という。先行プレイで一足先に訪れたフェイトンには、汚染された土地らしく、暗澹とした空気が漂っていた。

プレイヤーは、おそらくアークを求めてフェイトンを訪れる。しかし、誰かにアークの行方を聞こうとしても、この大陸ではまず人が少ない。港湾には、わずかな労働者の姿があるものの、階段は崩れ、道は荒れたまま。まともな利用者がいるのかすら疑わしい。港から北東へ向かうと、谷間にデランたちの居住地がある。けれど、彼らはよそ者を歓迎しておらず、口を閉ざしている。セイクリア教団とはある程度会話が成立するが、デランがセイクリア教団に迫害されていた歴史も踏まえると、信用できないどころか不穏な気配すら漂っている。当然、沼地や暗い森に潜むモンスターたちも襲ってくるので、全方位から歓迎されていない状況で、フェイトンでのストーリーは進んでいくのだろう。あるいは、分厚い雲に覆われたフェイトンでは、今も迫害の歴史が続いているのかもしれない。


歴史的ないざこざやアーク探求から目をそらすと、フェイトンには独特の生態系が広がっている。極彩色の花が咲く、食人植物の群生地。謎の巨大生物キャニオンキーパーがたたずむ捻れた大地。森や沼地に足を踏み入れると、独自のモンスターたちが生息している。また大陸の奥地には、赤い月が空に浮かび、黒い大地を赤く染め上げている。同地域は、紅き月の痕跡と呼ばれ、狂気に堕落したデランたちが集まっているようだ。何が起こるかはわからないが、暗い雰囲気の村や毒の沼地など、RPGの終盤めいた景色がフェイトンには広がっていた。

また、フェイトンの登場にあわせて、新たなエンドコンテンツ群も追加される。カオスダンジョンにはフェイトン「影(1-3段階)」および「闇(1-4段階)」(推奨装備Lv915-1275)。アビスダンジョンには、アルカディアの聖域へと挑む「楽園の扉」怠惰の海(推奨装備Lv915)、静寂のカルコーサ(推奨装備Lv915)、アルカディアの聖域(推奨装備Lv960)。アビスダンジョンにはハードモードも用意されているほか、ティア4のガーディアンやニネブの好感度も登場。新たな戦いが繰り広げられる。


101匹ナルニ


そのほか先行プレイでは、6月に追加予定の新規島からナルニ島を訪問してきた。ナルニ島は、ベルン南部とアルテミス大陸の中間、ウィスパー海に浮かぶ小さな島だ。同島には、島の名前の由来でもあるナルニという生物がたくさん住み着いている。

島内に居合わせた環境研究者によると、島に住むナルニたちは年々徐々に大きくなっており、いつかナルニたちが島よりも大きくなってしまうのではないかと、懸念されているそうだ。そこで、プレイヤーは環境研究者の研究に協力し、最終的に101匹のナルニを捕まえることになる。島内では、独特の形状のナルニたちがおだやかに過ごし、豊かな自然も広がっている。フェイトンで荒んだ心を癒やすには、丁度いいかもしれない。


『ロストアーク』は、ゲームオンからPC向けに配信中。アップデートは、6月23日に配信予定とされている。