Epic Gamesが『Fall Guys』開発元Mediatonicを買収。同作のクロスプレイ実装に興味を示す


Epic Gamesは3月3日、『Fall Guys: Ultimate Knockout』の開発元として知られるMediatonicを擁するTonic Games Groupを買収したと発表した。


Mediatonicは、イギリス・ロンドンに拠点を置くデベロッパーだ。2005年の設立後、セガなど大手メーカーと提携しWebゲームを多数手がけ、またPC・コンソール向けのオリジナルタイトル『Foul Play』や『パズル探偵スカウト』、『Hatoful Boyfriend』の移植、『Gears Pop!』などの開発を担当。そして、2020年にバトルロイヤルゲーム『Fall Guys: Ultimate Knockout』をPC/PS4向けにリリースして大ヒットを記録した。

また、Tonic Games GroupにはパブリッシャーのIrregular Corporationも所属。同社は『PC Building Simulator』などの販売を担当しているほか、SWERYこと末弘秀孝氏が手がける借金返済生活RPG『The Good Life』の販売を手がける予定となっている。


Epic GamesのCEO Tim Sweeney氏は、同社は“メタバース(仮想世界)”の構築に投資しており、Tonic Games Groupとはその目標を共有する関係にあるとコメント。Epic Gamesとしては、そうしたバーチャルな将来に取り組むには、優れたクリエイティブ性を持ち、力強いゲームやコンテンツ、体験を作る術を知っているタレントを欲しているとして、今回の買収の意図を述べている。

また、Tonic Games Groupの共同設立者・CEOのDave Bailey氏は、ポジティブなインパクトを与え、また誰かを力づけたり、長く記憶に残るゲームを開発してサポートするという使命について、Epic Gamesとは立場を共有する関係にあると述べる。そして、同社は自分たちのホームであるように感じられたとし、その一員に加わることに興奮しているとコメントしている。

https://twitter.com/FallGuysGame/status/1366811607213481985


なお、現在PS4/PCにて運営中の『Fall Guys: Ultimate Knockout』についてMediatonicは、まだまだやりたいことがあるとし、販売元のDevolver Digitalと協力しながらコミュニティのサポートを継続すると表明。そして、Epic Gamesの傘下に入ることによって、同作を改善することや、さらなるプレイヤーに届けることは加速されていくだろうとした。

また今回の買収によって、同作および開発チームに何らかの変更がおこなわれることはないとのこと。PS4とSteamでの販売も変わらない。今後も各シーズンを通じて、新たなステージやコスチュームなどのコンテンツの追加をおこないながら、同作を拡張していくとした。コミュニティとの密接な関係も、引き続き重視していくとのこと。

一方でMediatonicは、Epic Gamesの『フォートナイト』や、同社傘下のPsyonixが手がける『ロケットリーグ』が、Epic Gamesのアカウントシステムを用いてクロスプレイなどの機能を実装している点に触れ、『Fall Guys: Ultimate Knockout』にもそうした機能をぜひ導入したいと述べている。ただ、両タイトルのように基本プレイ無料化する考えは、現時点ではもっていないそうだ。


なお『Fall Guys: Ultimate Knockout』は、Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One版が今年の夏に発売予定となっているが、こちらの計画にも変更はないとのことだ。もしクロスプレイが実装されれば、現行全プラットフォームのプレイヤーが同作を一緒に楽しむことができるが果たしてどうなるのだろうか。また、今回MediatonicがEpic Gamesの傘下に入ったことで、今後同作のPC版のEpic Gamesストアでのリリースもなされるかもしれない。