Amazonのチーム対戦シューター『Crucible』基本プレイ無料でSteam配信開始。MOBAやヒーローシューターを織り交ぜたPvPvEバトル

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Amazon Gamesは5月21日、基本プレイ無料のチーム対戦アクションシューター『Crucible』をSteamにて配信開始した(日本語は非対応)。同日深夜に北米圏で先行リリースしたのち、ログインや接続まわりの障害が発生。それらの問題に遭遇したユーザーからの不評レビューが続いたため、現状Steamユーザーレビューは低め。現在は障害が落ち着いており、北米以外の地域でもアクセスできるようになっている。ユーザーレビュー欄は、これからゲームの実際の評価を反映していくようになるだろう。

『Crucible』は、MOBA、ヒーローシューター、PvPvEなどさまざまな要素を織り交ぜた三人称視点のチーム対戦シューター。舞台となるのは、エイリアンのクリーチャーが存在する未知の惑星。この地から得られる不思議な物質「エッセンス」を巡ってハンターたちが争いを繰り広げている。プレイヤーは、それぞれ異なるアビリティを有する10体のハンターから1体を選んで戦場に向かう。

エッセンスは本作における経験値である。モブ敵であるクリーチャーを倒すことや、マップ内のオブジェクトを確保することで入手可能。エッセンスをためるとハンターのレベルが上昇(最大10レベル)。マッチ中に体力、攻撃力、各種アビリティが強化されていく。なおエッセンスは個人ではなくチーム共通の経験値となる。ゲームモードごとに勝利条件は異なるが、エッセンス収集によりレベルを上げて戦闘を有利にしていくという、根幹部分は変わらない。

ゲームモードは「HEART OF THE HIVES」「ALPHA HUNTERS」「HARVESTER COMMAND」の3種類。「HEART OF THE HIVES」は4対4のチーム戦であり、一定時間ごとにマップのどこかに出現するボスクリーチャーを倒し、その心臓(ハート)を集めることが目的となる。相手チームやモブ敵と戦い、エッセンスを集めてレベルを上げつつ、ボスの出現箇所に向かう。マッチ中には体力やダメージボーナスを得られるイベントも発生するため、マップ画面を確認しながらどこに向かうのか決めるのだ。

「ALPHA HUNTERS」は2人1組、最大8組が参加し、最後の生き残りになるまで戦うゲームモード。リスポーンはなし。時間経過とともに円形のセーフエリアが縮小するというバトルロイヤル形式のルールとなっている。本作ならではのひねりとして、チームの片割れを失うと、同じくひとりぼっちになった他のプレイヤーに「即席チームを組まないか」と誘えるようになっている。

こうしたリスポーンなしのルールでは、仲間を失うと勝算が大幅に低くなるケースが多い。それでは残りのマッチを楽しみにくい。よって近年では、条件付きで仲間をリスポーンさせる方法を設けるゲームが増えつつある(例:『Apex Legends』『Call of Duty: Warzone』)。本作における救済手段は「ひとりになっても他者とチームを組み直せる」こと。ただし最後の3人になると即席チームは自動的に解散。全員にチャンスを与えつつも、初期メンバーで戦い抜いたチームに優位性を与えるように考えられている。

最後の「HARVESTER COMMAND」は8対8のチーム戦。マップに5箇所ある「ハーベスター」を確保することでポイントを増やす、ポイントキャプチャー型のルールだ。先に100ポイントに到達したチームの勝利。こちらはルールがわかりやすく、各チームの人数が多いため肩慣らしとしても適しているだろう。これら3つのゲームモードのほか、ゲームの基本操作を教えてくれるチュートリアルと、好きなハンターで操作を試せる練習アリーナが用意されている。なおチームメイトとの意思疎通手段としては、Ping、コミュケーションホイール(Quick Comm)がある。

マッチ開始前にハンターのレベルツリーを選択し、レベルアップ時に得られる補正効果を決めておく

操作するハンターには、DPSやサポートといったロール分けが存在しない。各ハンターはメイン武器と4種類のアビリティを有しており、どのハンターも有効な攻撃手段、移動アビリティを持っている。ロール制ではないものの、両手に装着した火炎放射器を操る「Summer」、アサルト/ショットガン/エレクトロナイフの武器3丁をスワップしながら戦う「Sazan」など、ハンターごとに個性が出るようには作られている。なお現状のルールやマップでは、近接戦闘系のハンターが活躍しづらい印象だ。

本作は基本プレイ無料のタイトル。マネタイズ手段としては、バトルパスと、コスメティックアイテムの個別販売を採用している。現在開催されている「プリシーズン」のバトルパスには、ハンターのスキン、ボイスライン、エモートなど、80ティア分の報酬が含まれている。バトルパスはデイリー、ウィークリー、シーズンチャレンジをこなすことで進行可能だ。

Amazonの誇るインフラ機能が組み込まれたゲームエンジンAmazon Lumberyardを採用し、ライブサービスゲームとして業界本格参入を狙うAmazon Gamesの『Crucible』。こうしたMOBA要素を取り入れつつアレンジを加えたチーム対戦ゲームは、今はなき『Gigantic』や『Battleborn』など過去にも存在した。生存難易度の高い市場にて、果たしてどこまで飛躍を遂げられるのか。Amazonの力が試される。

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