今年もSteamサマーセールが開幕した。2万以上のタイトルがセール対象となっており、さまざまなゲームがお安く購入できる。新型コロナウイルス拡大感染の影響で、テレワークによる勤務が一般的になってきている。その陰では、協力プレイゲームの需要が高まっているのではないだろうか。テレワークにおいては、コミュニケーションの減少がつきもの。他者との関わりが少なくなると、孤独感や寂しさを感じやすくなる。Steamにてフレンドや見知らぬ人々とCo-opゲームを遊ぶことでつながりを感じられ、幸せな気持ちになることもあるだろう。
ということで、今回はそんな世界情勢を考慮して、「協力プレイタイトル」をテーマとした企画を組んだ。Steamで高評価を獲得したCo-opゲームの開発者らに、オススメの協力プレイゲームについて訊く企画である。つまり、同業他社の好きなタイトルを聞いたわけだ。あわせて、彼らが手がけたタイトルの生まれた経緯や、裏話などについても伺っている。「高評価協力プレイゲーム開発者は、どんな協力プレイゲームを好むのか？」そんな疑問に答える内容となり、Steamサマーセールの購入の参考となれば幸いだ。
質問に答えてくれたのは、以下のゲームに携わる開発者。いずれも協力プレイという点で、高い評価を獲得したゲームタイトルである。
・Deep Rock Galactic
・GTFO
・Human Fall Flat
・Project Winter
・The Blackout Club
・Trine 4
・Unrailed!
・Viscera Cleanup Detail
・Warhammer: Vermintide 2
・We Were Here Together
質問としては、以下の5つに答えてもらった：
①手がけたゲームはどういった経緯から生まれたか
②開発の裏話
③印象的だったユーザーからの反応
④お気に入りの協力プレイゲーム
⑤そのゲームから影響を受けた点
『Deep Rock Galactic』
2317円（25%オフ・Steamストアページ）
『Deep Rock Galactic』は、採鉱会社に務めるドワーフ社員となり、危険な惑星での採掘作業に従事するFPSゲームだ。最大4人でのオンライン協力プレイに対応する。攻撃能力に優れたガンナーや、掘削能力の高いドリラーなどのクラスから選択し、モンスターの巣窟でもある鉱山へと向かう。仲間と協力しながら、目当ての鉱石を求めて鉱山を掘り進めていくのだ。敵は執拗に追ってくるため、脱出ポッドのドアを閉めるその瞬間まで気を抜くことはできない。本作はSteamレビューでは96%が好評とする「圧倒的に好評」を誇る。鉱山を掘り進み、各クラスの装備を活かしながらの洞窟探検の楽しさなどが高く評価されている。
Ghost Ship Games・Søren Lundgaard氏
───『Deep Rock Galactic』は、どういった経緯から生まれたのでしょうか。
本作のアイデアは、『Left 4 Dead』や『マインクラフト』のような作品から生まれました。私たちはこれらのゲームが大好きで、協力プレイシューターと自動生成ステージの組み合わせにおいて、まだ開拓されていないエリアが存在するのではないかと考えていました。『マインクラフト』にて自然の洞窟を発見し、友人と探検するのはいつも楽しいですよね。そこで、ここに巨大な銃を追加したゲームを作ろうと思ったのが、『Deep Rock Galactic』が生まれたきっかけです。それから採掘と戦闘の両方が得意なドワーフを登場させ、楽しいSF武器を持たせるために宇宙を舞台にしたのです。
───本作の開発時の裏話として、興味深いエピソードはありますか。
プロジェクトを開始した当時、私たちは可能な限りすべてをオープンにし、コミュニティの構築とコラボレーションに注力する決断をしました。これは非常に上手くいったと言えます。ファンのサポートなしには、本作の現在の姿はなかったでしょうね。彼らはバグ報告やフィードバックを寄せてくれたり、プレイヤーガイドやファンアート、ファントレイラー、あるいはミームを作ってくれることもありました。20か国語への翻訳も彼らのサポートによるもので、ここには日本語も含まれます。こうした貢献には常に驚かされましたし、私たちのような小さな開発チームが、この大きな作品を届けることを可能にしてくれました。
───本作の協力プレイに関して、プレイヤーからは何か面白い反響はありましたか。
本当にたくさんありますが、私たちがもっとも気に入ったのは、他人同士だったプレイヤーが本作の協力プレイを通じて友人になったことですね。私たちのファンが本作について語る際には、コミュニティがフレンドリーで素晴らしいといつも言ってくれます。その理由のひとつには、本作の協力プレイではお互い助け合うことが求められることが挙げられるでしょう。これには本当に誇りに思います。
───お気に入りの協力プレイゲームはありますか。また、その理由もお教えください。
個人的には、実はシングルプレイゲームばかりプレイしているんです。ただチーム内を見回してみると、『Warhammer: Vermintide 2』や『GTFO』『Risk of Rain 2』をプレイしているようですね。『Warhammer: Vermintide 2』は直感的な近接戦闘で有名ですし、『GTFO』はホラー要素を非常に上手く捉えているようです。そして『Risk of Rain 2』は、3D世界において協力プレイとローグライクを混ぜ合わせることが可能であると証明した作品です。
───『Deep Rock Galactic』が、それらの作品から影響を受けた点はありますか。
本作の開発中には、私たちはほかの協力プレイゲームをプレイして議論を重ねていました。『Left 4 Dead』や『HELLDIVERS』『Killing Floor』シリーズ『Warhammer: Vermintide』シリーズといった作品です。とはいえ私たちが取った、自動生成の暗い洞窟や採掘、探索といった要素へのアプローチによって、『Deep Rock Galactic』がすぐに私たち独自のスタイルへと変わっていったことを考えると、影響を受けたというよりも「これらの協力プレイゲームはクールだね。どうやら需要の高まりがあるようだから、自分たち独自のものを作ろう」と思わせてくれたと言えるでしょう。そして、私たちはそのとおり実行したのです。
