『ポケモン』ダイパリメイクは、“発売前の大型アップデート”でコンテンツを大きく追加する異例の手法採用

 

任天堂は11月10日、『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』の更新データを11月11日より配信開始すると発表した。発売前の大型アップデートにより、コンテンツを追加するという異例の形式がとられている。


『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』は、2006年にニンテンドーDS向けに発売されたRPG『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』のリメイク作だ。対応プラットフォームはNintendo Switch。リメイク版では、懐かしの見下ろし視点はそのままに、最新技術にてシンオウ地方が描かれる。フィールド上は頭身の低いキャラが動き回る原作準拠仕様。一方でバトルでは頭身が高いキャラたちが戦う、3Dの躍動感ある戦闘が描かれる。ゲームスタジオのイルカとゲームフリークが共同で開発を進めている。

本作の発売日は、11月19日。発売1週間前に更新データVer. 1.1.0が配信されるという、『ポケモン』シリーズとしてはかなり変わった手法が採用されている。同アップデートとしては、殿堂入り後の要素が解禁。この中では、リメイク版にて新たに導入されるハマナスパークの実装も含まれている。またゲーム内にムービーと演出が新たに追加。起動時のタイトルデモやエンディングを含んでいるといい、かなり重要な変更となりそうだ。そのほか、地下大洞窟やスーパーコンテストショー!、ユニオンルームなどのローカル通信・インターネット通信を使った機能も、更新データVer. 1.1.0のインストールによって利用可能となるようだ。必要容量は3GBと巨大で、そのスケールがうかがい知れる。

https://www.youtube.com/watch?v=4Ldm2sSENnE


興味深いのは、クリア後のやりこみコンテンツやムービー・演出といった、ゲームの根幹に関わる要素に手が入れられていること。あくまで推測にすぎないが、これは製品発売前のリークへの対策ととれそうだ。『ポケモン』は世界的人気コンテンツであり情報価値が高い。そして、発売においても多くの人々が携わる。それゆえに、どれだけ厳重に警戒してもリークが発生してしまうというのが現状だった。

『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』についても、リークが発生しているとの報告が出回っていた(関連記事)。一方でそうした出回っているゲームについては、ビジュアルや演出面に欠けがあるとも報告されていた。果たして、実際に情報がリークされているのか。そしてリークされたバージョンで、演出に欠けがあるのか。確認しようがないものの、更新データVer. 1.1.0をもって正しく製品版となるのは間違いなさそうである。


なお、アップデートによるコンテンツ追加は発売後も予定されているようで、マイニンテンドーストアでも「発売後に予定しているアップデートで(ユニオンルームの)最大人数の拡張とあいさつやボールデコの機能を追加予定」「コトブキシティの施設GMStationでの通信交換、ポケモンセンター内のコロシアムの機能についても、発売後のアップデートで追加予定」と記されている。

現代では多くの家庭でインターネット環境が導入されているとはいえ、ここまで更新データの適用を前提とするシングルプレイゲームは『ポケモン』シリーズとしてはかなり異例。リークやネタバレを対策するにあたっては、インターネットを駆使せざるを得ないので、ある種納得感もある。発売約1週間前の11月11日をコンテンツ追加日として指定しているのは、メディアやインフルエンサーなどのレビューを考慮してのことかもしれない。

いずれにせよ、発売前に大型の更新データが配信されること以外は、あくまで推測に過ぎない。『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』がどのような内容になるのかは、ゲームをプレイして確かめるのがいいだろう。『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』は、11月19日に発売予定だ。