対戦格闘ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 2』のリマスター版開発に向け、米国デベロッパーがカプコン&ディズニーと交渉

 

いまから21年前の2000年にアーケードにて稼働し、その後コンソールやモバイル向けに移植されたカプコンの対戦格闘ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 2: New Age of Heroes』。本作について、デベロッパーのDigital Eclipseがリマスター版開発に向けた交渉を、カプコンおよびディズニーとのあいだでおこなっているようだ。海外メディアVGCなどが報じている。


『MARVEL VS. CAPCOM 2』は、カプコンとマーベルのキャラクター総勢50体以上が登場する2D対戦格闘ゲームだ。カプコン側からは、『ストリートファイター』シリーズのリュウやガイル、『ヴァンパイア』シリーズのモリガンやバレッタ、あるいはロックマンやストライダー飛竜などが登場。そしてマーベル側からは、スパイダーマンやウルヴァリン、アイアンマン、サイクロップス、キャプテン・アメリカ、ハルクなどが参戦し、3on3制での対戦を楽しめる。

本作は、アーケード版稼働と同年にドリームキャスト版が発売され、その後PS2/Xboxにも移植。さらに、2009年にはグラフィックをHD化したPS3/Xbox360版がリリースされ、2012年にはiOS版も配信された。ただ、現在はいずれのバージョンも配信終了している。おそらく、マーベルとのライセンス契約が終了したためだろう。それからコンソールの世代が2つ進み、にわかにリマスター版の話が持ち上がっている。


米国に拠点を置くデベロッパーDigital Eclipseの代表Mike Mika氏は9月16日、YouTubeチャンネルGamerHubTVのインタビュー番組に出演し、『MARVEL VS. CAPCOM 2』について語った。Digital Eclipseは、近年では『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション』や『ロックマン クラシックス コレクション』『SAMURAI SPIRITS NEOGEO COLLECTION』などの移植作品を手がけていることで知られるスタジオだ。

Mika氏はインタビューにて、『MARVEL VS. CAPCOM 2』に最後に関わったものとして、本作については離れ離れになった子供のような気持ちであるとコメント。Digital Eclipseは、PS3/Xbox 360版の開発を担当したBackbone Entertainmentを吸収合併しており、縁深い立場にある。そして本作のリマスター版開発について、カプコンと、現在マーベルを傘下にもつディズニーとのあいだで協議を始めたところだと述べている(We’ve begun some discussions on that right now)。


もともとのきっかけは、Digital Eclipseが今年クラウドファンディングを実施し、約1000万ドル(約11億円)の出資金を集めたことにある。同スタジオのコアビジネスである、移植・リマスターを推進するための支援を募ったわけだ。そして、出資者からもっとも多くリクエストが寄せられた移植希望タイトルのひとつが、『MARVEL VS. CAPCOM 2』だったという。

Mike Mika氏によると、そうした本作の移植要望の声については、カプコンもディズニーもはっきり認識しているとのこと。そして、両社と協議を開始し、何ができるかを見極めようとしているところだそうだ。ただ同氏は、最終的に決めるのはカプコンとディズニーであるとコメント。どちらも非常に大きな会社であり、移植をする理由もしない理由も山ほどあるだろうとして、過度な期待をもたないようクギを刺している。どちらに転ぶか分からない段階であるため、Digital Eclipseとしては、両社の理解を得られるよう取り組んでいるそうだ。

画像はいずれもPS3/Xbox 360版のもの


『MARVEL VS. CAPCOM 2: New Age of Heroes』が美しく蘇り、現行コンソールおよびPCにてプレイできるようになるのかどうか、現時点ではまだ確定していない。シリーズのなかでもファン人気の高い作品のひとつであるため、実現することを期待したいところである。