Nintendo Switch向けに「ただの電卓」が海外配信されゲーマーの注目集める。開発元は日本でのリリースも計画

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デベロッパーのSabec LTDは5月12日、『Calculator』を海外Nintendo Switch向けに配信した。実は本作はゲームではなく、タイトルどおりの「電卓」である。単なる電卓アプリがNintendo Switchで配信されたとして、海外で大きな注目を集めることとなった。


『Calculator』は、四則演算以外もこなすことができる、いわゆる関数電卓アプリである。起動すると上のスクリーンショットのような電卓が画面に表示され、カーソルあるいはタッチ入力にて計算することができる。画面右半分には、一般的な電卓でも見ることができる機能が配置。そして左半分に、三角関数や双曲線関数などで利用するボタンがズラッと配置されている。また、画面右上には計算した履歴が表示され、スクロールして閲覧可能だ。ちなみに、電卓製品の中には隠しコマンドにてミニゲームなどが起動するものも存在するが、本作は本当にただの電卓である。

本作がNintendo Switch向けに配信されることを伝えたコミュニティサイトRedditへの投稿には、2000件近くのコメントが寄せられ、2万2000件以上のUpvote(好評)が投じられるほど話題に。また、海外の大手メディアもこぞって本作を取り上げた。Redditのコメントを見てみると、「このHDリマスターを待っていたんだ」「60fps出るのか?」「ホリデーシーズン向けかと思ったら、もう発売されるのか」「パッケージ版まだ?」「オンラインマルチプレイを追加してくれ」など、さまざまなジョークが飛び交っている。

Nintendo Switchでは、ゲーム以外のアプリは数は少ないものの配信されており珍しい存在ではない。ただ、物理的な製品だけでなくスマホやPC向けアプリとしても非常に身近な電卓が、あえてゲーム機であるNintendo Switch向けにリリースされるというシュールさが、ゲーマーたちの心に刺さったようだ。


今回弊誌は、開発元Sabec LTDに『Calculator』を手がけた経緯などをうかがった。なぜ本作をNintendo Switch向けにリリースしたのかについては、Nintendo Switchを多機能デバイスにしたかったから、だそうだ。そうすれば、学生やエンジニアは電卓を持ち歩かなくて済む、とのこと。同スタジオは、自らが欲しいと思ったゲーム・アプリを制作するよう努めているとのこと。また開発においては、若いユーザーでも簡単に使いこなせるよう配慮しているという。

電卓アプリである『Calculator』が、突然大きな注目を集めたことについては、まったく予想していない事態だったとのこと。ちなみに、本作の価格は9.99ドル(約1100円)。配信開始から2日経った時点での売り上げについては、具体的な本数は明かしてくれなかったものの、よく売れているそうだ。

なお、本作は現時点では日本では配信されていない。同スタジオはかつて、ほかのタイトルについて日本でのリリースを検討したことがあったものの、CEROのレーティングを取得する費用が高くて断念したという。ただ現在は、無料で取得できるIARCレーティングにて、日本のNintendo Switch向けに配信可能(関連記事)。筆者がこのことを伝えると、早速日本での配信手続きをおこなうとのことだった。近い将来、日本でもNintendo Switch上で電卓を打てる日が来そうである。


Sabec LTDは、海外Nintendo Switch向けに多数のタイトルを配信中。さまざまなジャンルのゲームを手がけているが、今回配信された『Calculator』のような、ゲームではないアプリも多数リリースしていることが特徴だ。たとえば、お絵描きアプリの『Paint』や、画面をタップして楽器を弾ける『Piano』『Guitar』『Drums』など。さらに、右のJoy-Conに内蔵されたモーションIRカメラとその赤外線ライトを使い、簡易的な暗視カメラとして機能する『Night Vision』という珍しいアプリも存在する。同スタジオはこれらすべてのラインナップを、今後日本でも配信していく計画だそうだ。

また今年5月末には、新作となる『Spy Alarm』の配信を海外で予定していることも明かしてくれた。こちらもモーションIRカメラを利用したアプリで、赤外線ライトを“見えないワイヤー”に見立て、人が通って赤外線を遮ればアラームが鳴るという。ちょっとした遊びに使えるアイデアアプリといえるだろう。同作も、いずれ日本で配信されるかもしれない。

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