『マインクラフト』世界最大ピクセルアートの制作者が亡くなる。死の間際に遺した1100万ブロックの“愛”

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『マインクラフト』で世界最大のピクセルアートを制作したプレイヤーが亡くなった。Kelanduo氏は2月14日、現在のギネス世界記録を83万6102ブロック上回る393万2160ブロックのピクセルアートを制作。ギネス認定の申請待ち中も制作を続け、5月8日、申請した自身の記録を大幅に上回る1100万ブロックのピクセルアートを完成させた。しかし、Kelanduo氏は肺線維症を患っており、このピクセルアートも病床で制作されたものだったそうだ。1100万ブロックのピクセルアートを紹介する動画のコメント欄によると、ピクセルアートの完成後にKelanduo氏の病状は悪化。5月11日に他界してしまったことを同氏の友人が伝えている。 

Kelanduo氏の世界記録との戦いは、2月14日に公開された巨大ピクセルアートの制作までさかのぼる。同氏は日本のVTuberグループ「ホロライブ」のファンで、グループの所属VTtuberのなかでも特に桐生ココ氏を愛していた。彼女のために何ができるかを考えた Kelanduo氏は、ふと『マインクラフト』ピクセルアートのギネス世界記録を検索。さっそくそれを上回るサイズの土台を作成し、「これを埋めることができれば彼女は世界の頂点となるわけだな」と、“推し”の巨大ピクセルアート制作を決意したのである。完成した巨大ピクセルアートに使用されたブロック数は393万2160。現在のギネス記録である309万6058ブロックを83万6102ブロック上回る大きさであった。作品は桐生ココ氏本人の目にも留まったようで、動画には彼女による感動のコメントも残されている。 
 

 
そして5月8日、Kelanduo氏は自身の作品の記録をさらに塗り替える作品を公開する。ホロライブのメンバーが集合したピクセルアートは、1100万ものブロックが使用された超大作だ。同氏が前回制作したピクセルアートのおよそ2.8倍の大きさである。しかし、この作品の完成を報告した数日後、同氏は帰らぬ人となった。Kelanduo氏は肺線維症で、長きにわたって闘病生活を送っていたそうだ。死は友人によって伝えられ、コメント欄には哀悼の声が溢れている。

【UPDATE 2021/5/14 18:10】
なお、Kelanduo氏の“最推し”は夏色まつり氏であるようだ。夏色氏へのメッセージ動画「A message to Matsuri」でKelanduo氏は、「あなたは最初の日から今までずっと私が一番好きでした」と記している。

 
動画の冒頭では「時間は残されていない。しかし、死ぬ前に最後の挑戦がしたい。完成させられなかったとしても後悔はしないだろう」と語られている。おそらくKelanduo氏は、自らの身に迫る“終わり”を感じていたのだろう。友人によると、同氏は入院中も『マインクラフト』を起動してブロックを積み上げ続けていたそうだ。最後に自身の記録を破るために、そして“推し”への最大級の愛を表現するために、1100万ものブロックを積み上げきったのである。 
 

ピクセルアートの制作風景。Kelanduo氏のピクセルアートは、ブロックを階段状に積み上げたワールドを作り、そのワールドから生成した地図を並べることで作られている。 

 
なお、現在いずれのピクセルアートもギネス世界記録とされていないのは、記録の申請受理に最大3か月、証拠物の審査に最低3か月が必要となるためである。桐生ココ氏のピクセルアートが公開されたのが2021年の2月14日なので、こちらは審査が順調に進んでいれば認定の日も近いかもしれない。詳細な申請状況は不明であるものの、最後のピクセルアートは5月8日に公開されたばかりなので、こちらの認定にはもうしばらく時間を要することだろう。 

死の間際、『マインクラフト』のピクセルアーティストを突き動かしたのは、まごうことなき“推し”への愛だった。1100万のブロックに込められたホロライブへの愛は、動画のキャプションに掲載されているリンクから実際にダウンロードすることが可能だ。改めて、Kelanduo氏の冥福を祈っている。 

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