Nintendo Switchの“Joy-Conドリフト”問題、カナダでも集団訴訟の動き。「Proコントローラー」についても欠陥を主張

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Nintendo SwitchのコントローラーであるJoy-Conにおける、いわゆる“Joy-Conドリフト”をめぐっては、欧米で集団訴訟が提起され、一部は任天堂との和解に向かっている。そんななか、カナダでも新たに集団訴訟に向けた動きがあることが判明した。海外メディアSiliconeraなどが報じている。

Joy-Conドリフトとは、Joy-Conのアナログスティックに触れていないのに、勝手に入力がおこなわれる現象のことである。内部パーツの何らかの不具合が原因だと考えられており、ゲームプレイに悪影響を及ぼす。これはJoy-Con特有の問題というわけではないが、報告例が相次ぎ、以下の映像のようにポインターが漂流(Drift)する様子からそう名付けられた。

カナダ・ケベック州モントリオールにある弁護士事務所Lambert Avocat Inc.は1月15日、Joy-Conドリフトをめぐって任天堂に対し集団訴訟(クラスアクション)を提起するため、代表者の認定を裁判所に求めたと発表した。

きっかけとしては、同弁護士事務所のクライアントとなった女性が所有するNintendo Switchにて、Joy-Conドリフトが発生したことにある。購入から11か月後に左のJoy-Conにドリフト現象が発生し、任天堂にて修理してもらった2か月後には、右のJoy-Conにも同じ不具合が発生。同時期にはさらに、別途購入していたJoy-ConやNintendo Switch Proコントローラーでもドリフト現象に見舞われたという。そうした状況から、これは深刻な欠陥であり、任天堂はその事実を隠して販売してきたと主張している。

今回の集団訴訟では、Nintendo Switch・Nintendo Switch Lite本体および、個別販売されているJoy-Conや、Nintendo Switch Proコントローラーを2017年8月1日以降に購入した、すべてのケベック州在住者を代表しておこなう計画。Proコントローラーが対象製品に含まれていることは、ほかの多くの類似集団訴訟とは異なる点だといえる。

Joy-Conドリフトに関して任天堂は、米国では保証期間内かどうかにかかわらず無償で修理している。これが考慮されてか、米国での集団訴訟では和解手続きが進められていることが報じられてきた。この無償修理についてはカナダでも実施されているとのこと。一方で、Nintendo Switch Proコントローラーについても無償修理をおこなっているという話は聞こえてこない。任天堂公式フォーラムでは、修理代金についてはサポート担当者と話し合ってほしいと米国任天堂のモデレーターが案内していることから、Joy-Conのように一律無償というわけではなさそうだ。

現時点では、先述したように集団訴訟の代表者としての認定を裁判所に求めている段階である。また担当弁護士事務所は、集団訴訟の構成員の募集もおこなっている。集団訴訟の成立認定や事実審理に進むかどうかはまだ分からないが、カナダを舞台にした新たな動きであり、その行方が注目される。

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