クライムFPS『PAYDAY 3』スクリーンショット初公開。ゲームエンジンをUnreal Engineに変更し開発中


デベロッパーのOVERKILL Softwareは10月3日、現在手がけている新作『PAYDAY 3』の開発状況を、公式Twitterアカウントを通じて報告した。また、本作のスクリーンショットも1枚公開している。

『PAYDAY 3』は、同スタジオが手がけるクライムFPS『PAYDAY』シリーズの最新作だ。2017年2月に正式に開発をスタートしていたが、今回の報告によるとまだデザイン段階にある模様。発売日は未定。ただ、親会社のStarbreezeは以前、2022〜2023年に発売する計画であることを投資家向けに明らかにしていた。そして、本作のゲームエンジンにはUnreal Engineを使用しているとのこと。

今回公開されたスクリーンショットは、実際のゲームプレイから切り出したものかどうかは不明だが、クオリティの高いビジュアルである。薄暗いためキャラクターの顔は確認できないものの、『PAYDAY』シリーズの象徴のひとつであるマスクを着用していることが分かる。青い手袋もお馴染みのスタイル。このキャラクターは、PCにて何者かのSNSをチェックしているようだ。本作のゲームプレイやナラティブ要素のヒントになっているのかもしれない。

もうひとつ注目すべきなのは、『PAYDAY 3』はUnreal Engineにて開発をおこなっているという点だろう。前作『PAYDAY 2』までは、OVERKILL Softwareの前身であるGRINが開発した独自エンジンDieselを改良しながら使用してきた。その後、Starbreezeは将来のプロジェクトの中核をなす新エンジンとしてValhallaの権利を買収。2018年発売のゾンビサバイバルアクションゲーム『OVERKILL’s The Walking Dead』にさっそく使用されたが、開発難航と発売延期に繋がってしまい、最終的にUnreal Engine 4に変更された。

そうした経緯を経て、『PAYDAY 3』では前作のDieselからUnreal Engineへとゲームエンジンを変更することが明らかになった。バージョンが示されていないため、2021年から提供開始される予定のUnreal Engine 5の使用を視野に入れている可能性がありそうだ。

なお、先述した『OVERKILL’s The Walking Dead』においては、開発難航が影響してか評価も売り上げ振るわず。最終的に「The Walking Dead」の権利を持つSkybound Entertainmentから契約を打ち切られ同作は販売中止となり、Starbreezeは経営危機へと追い込まれることとなった(関連記事)。

その後Starbreezeは、それまで拡大してきた事業を整理しゲーム開発に注力するよう会社の再編を進め、2019年12月に再建プロセスを完了。以後5年にわたる債権者への支払い計画をまとめ、経営正常化への道筋をつけた。この間には、『PAYDAY 2』の新規コンテンツの開発を再開し、メキシコを舞台にするDLCの配信や大型アップデートを実施。今年8月の第2四半期決算発表によると、『PAYDAY』シリーズは2020年上半期に4970万スウェーデンクローナ(約5億8600万円)の売り上げを記録しており、実に同社の全売上の93%を占める稼ぎ頭となっている。

その決算発表の中では『PAYDAY 3』にも言及。2020年上半期には締結する予定だった販売パートナーとの契約が、新型コロナウイルスの影響による渡航制限やビジネスの停滞などもあり実現に至っていないとのこと。ただ同社は、複数のパブリッシャーと交渉中であり、2020年内には契約を結ぶことができるだろうとし、計画どおり『PAYDAY 3』の開発を進めていく方針を示した。今回スクリーンショットが公開されたのは、開発が順調であることをアピールする狙いがあったのかもしれない。同作の発売はまだまだ先になりそうだが、どのような作品となるのか続報には注目が集まる。