Xbox Series Xの実機プレビューが海外メディアより続々公開。後方互換タイトルのロード時間やフレームレートが軒並み向上

 

マイクロソフトの次世代コンソールXbox Series Xについて、9月29日より一部メディアによる実機プレビューが公開され始めた。現時点では、基本的なUXや後方互換機能を利用したゲームプレイのインプレッションのみ公開が許可されているが、それでも目を見張るパフォーマンスの向上が見られたようだ。Xbox Series Xでは、Kinect向けを除くすべてのXbox Oneゲームや、互換対応するXbox 360/初代Xboxタイトルがプレイ可能となる予定。

Xbox Series Xにおける分かりやすい進化のひとつとしては、内蔵カスタムSSDによるロード時間の短縮が挙げられる。上の映像では、ゲームの起動にかかる時間を前世代機Xbox One Xと比較。『レッド・デッド・リデンプション2』(2分8秒→38秒)、『CONTROL』(58秒→10秒)、『ファイナルファンタジー15』(2分14秒→51秒)、『アウター・ワールド』(20秒→8秒)といった結果となっている。別のメディアによる検証では、『Call of Duty: Warzone』(21秒→16秒)、『Sea of Thieves』(1分21秒→20秒)、『アサシン クリード オデッセイ』(1分7秒→30秒)などと報告されている(The Verge)。

単純にストレージのスペックに比例して何倍速くなるというわけではなく、タイトルによって結果はまちまちのようだ。いずれにせよかなり大きな速度アップを体感できる模様である。ちなみに、電源を完全にオフにした状態からの本体の起動時間は、Xbox One Xでは1分4秒かかるところ、Xbox Series Xでは20秒だったという。

以前プレイしたゲームを、すぐに再開できる「Quick Resume」もXbox Series Xの特徴のひとつ。これはゲーム側のセーブ機能とは異なり、中断した当時の状況が保持される仕組みだ。特筆すべきは、複数タイトルの状況をセーブできること。過去12タイトル程度までの進捗状況を保存でき、ゲームにより5〜12秒程度で再開できるという(ArsTechnica)。単純に起動時間が速いだけでなく、続きからいつでもすぐにプレイ再開できるという点で、Game changer(革新的)だと評するメディアも見られる。

Xbox Series Xの内蔵SSDは1TBの容量があるが、システム領域などを除きユーザーが実際に利用できるのは802GBとのこと(IGN)。USB 3.1接続の外部SSD/HDDも使用可能だが、Xbox Series X用タイトルの起動は不可。専用の拡張カードが必要になる。ただUSB SSDからでも、後方互換タイトルでは内蔵SSDに近い起動時間だったという報告もあるため、後方互換タイトルを保存したり、Xbox Series X向けタイトルを一時的に退避させる目的に活用すると良さそうだ。

上の映像では、後方互換タイトルのフレームレートを解析し、Xbox One X上でのパフォーマンスと比較している。『モンスターハンター:ワールド』や『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』、『DEAD OR ALIVE 6』、『HITMAN』といったタイトルでは、おおむね30fps程度だったところ、60fpsに到達しほぼ安定している。『Call of Duty: Modern Warfare』のように元々60fps出るタイトルでも、場面によって落ち込むことがほとんどなく、上限の60fpsに張り付く結果となった。さらに、可変解像度を採用するタイトルではその上限で動作するとのこと。

なお、今回検証されたタイトルはあくまで後方互換機能によって動作させており、Xbox Series Xへの最適化がおこなわれていないことは留意したい。Xbox Series X向けタイトルはもちろん、過去の世代のタイトルも専用の開発環境で再構築することで、ロード時間の向上やビジュアルの強化、最大120fpsのより高速かつ安定したフレームレートが実現できるとされている。そうした最適化がおこなわれた場合には、さらなるパフォーマンスの向上が期待できるだろう。最適化タイトルには「Optimized for Xbox Series X|S」というアイコンがパッケージなどにつけられる予定だ。逆に言うと、最適化せずとも大きなパフォーマンスの向上があることが確認された形である。

また、下位モデルとなるXbox Series Sについては今回は検証されていない。高速なカスタムSSDを内蔵することや、後方互換タイトルのプレイ、Quick Resumeといった機能はXbox Series Xと共通。ただSoCのスペックが異なるため、どのようなパフォーマンスの違いが現れるのか興味深い。

こうしたパフォーマンス面以外では、新型の「Xboxワイヤレスコントローラー」についてのインプレッションも。基本的なデザインは現行モデルを踏襲しているが、シェアボタンを追加したほか、十字キーやトリガーのデザインを見直している。高品質な素材によるグリップ感の良さや、反応の良いボタン、スムーズなスティックなどが高く評価されているようだ(VentureBeat)。ちなみに、マイクロソフトはPC向けに販売しているXboxワイヤレスコントローラーも、Xbox Series X|Sのローンチに合わせてこの新型に置き換える方針を明らかにしている。

Xbox Series XおよびXbox Series Sは、11月10日に国内発売予定だ。