『Fallout』映像シリーズ製作をAmazonが発表。「ウエストワールド」スタッフが手がける


Amazon StudiosおよびBethesda Softworksは7月3日、人気RPG『Fallout』の映像製作に取り組んでいることを発表した。Amazon Studiosが同作の権利を取得し、Kilter Filmsが携わっているという。シリーズ製作が進行しているとだけ発表されており、実写になるかアニメになるかは現時点で不明。


Kilter Filmsは、「ウエストワールド」を手がけたJonathan Nolan氏とLisa Joy氏夫婦によるスタジオ。Jonathan Nolan氏は、Christopher Nolan氏の弟であり、個人もしくは兄と共に人気作を手がけてきた脚本家。両氏が製作に深く関わるHBOシリーズ「ウエストワールド」は、ハイテクノロジー・テーマパークであるウエストワールドを舞台に繰り広げられる作品だ。多彩な要素をブレンドとした世界観や欲望と混沌の物語は、世界的に高い評価を獲得している。

『Fallout』シリーズといえば、核戦争後の殺伐とした荒廃世界、そしてそこに生きる人々と繰り広げられる奇妙な人間ドラマが特徴。それとない共通点を感じさせる両作であるが、Kilter Filmsは『Fallout』シリーズをどのように映像にするのだろうか。なお製作においては、Bethesda Game StudiosからはTodd Howard氏、Bethesda SoftworksからはJames Altman氏がエグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ねている。Bethesda側の監修を受けて、映像化は進められていくようだ。

ちなみに『Fallout』と「ウエストワールド」には、ちょっとした因縁が存在する。というのもBethesda Softworksは一昨年、「ウエストワールド」を原作としたモバイルゲーム『Westworld』をめぐり、Warner Bros. EntertainmentとBehaviour Interactiveを訴えていた。経緯としては、ゲーム『Westworld』がBethesdaの『Fallout Shelter』に似すぎており、かつ両作ともにBehaviour Interactiveが開発に絡んでいたことから、ソースコードを流用した疑いにより、Warner Bros. EntertainmentとBehaviour Interactiveの両社に対して契約違反・著作権侵害・不正競争・企業秘密の不正流用を訴えていた(関連記事)。ちなみにこのモバイルゲームのシナリオについて、Jonathan Nolanは深く関わっていたという。最終的に3社は和解し、2019年にはWarner Bros. Entertainmentは『Westworld』の配信を終了していた。

裁判沙汰になっていた『Fallout』と「ウエストワールド」のトラブルであるが、その関係は一度すでに精算されたもの。万が一会社同士にしがらみはあったとしても、作品同士の遺恨は存在しなさそうだ。Amazon StudiosとKilter Filmsが人気ゲーム『Fallout』をどのようなテイストに仕上げるのか、注目が集まるところだろう。