『あつまれ どうぶつの森』悲しみにふける少年に、引っ越してしまったどうぶつから“現実に”手紙が届く。どうぶつは夢を叶えた


出会いもあれば、突然の別れもあるのが『あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)』。親しかったどうぶつが島を引っ越してしまったときのショックはどのプレイヤーにも共通のものだろう。まして、わずか7歳の子どもであればその悲しみは計り知れない。『あつ森』プレイヤーのMinisterofCute氏は、甥っ子であるAiden少年が島で暮らしていたルーズとの別れに打ちひしがれていることを知った。ルーズはトラの容姿をした住民で、性格は「元気(一人称はアタイ)」。口癖は「なのぉー」となっており、一見強面風ながら乙女な要素を持つキュートなどうぶつだ。


どうやらAiden少年は、このルーズをいたく気に入っていたが、なんらかの形で引っ越しすることになったようだ。深く落ち込む少年。そこであまりの傷心ぶりを見かねたMinisterofCute氏は、あるアイデアを思いつく。その粋な計らいが海外掲示板Redditにてシェアされ、大きな反響を呼んでいる。

失意のAiden少年のもとに届けられたのは1通の手紙と“写真”だった。手紙には次のように記されている。「Aidenくんへ! 引っ越してからチョー忙しかったの。コンサートのチケットは売り切れで、今やアタイってばA級スーパースターになっちゃった! でもPearly島のアンタやみんなのことを思い出さずにはいられないんだ。アタイの夢を応援してくれてありがと、アンタも頑張ってよね。星を見たらアタイを思い出して、アタイもアンタを思ってるから。キラキラのルーズより」。ポストカードには、ステージの上でスポットライトを浴びる彼女の姿がある。アイドルになることは、ルーズが島にいたときからしばしば語っていた夢だった。

Image Credit : MinisterofCute


これらの手紙とイラストはMinisterofCute氏がAiden少年に内緒で書き上げた贈り物だ。彼はポストカードを非常に喜んでおり、「これって『どうぶつの森』から届いたの? 現実に?」と不思議そうにしているという。元気を取り戻したAiden少年の姿に、MinisterofCute氏も心が明るくなったと伝えている。

心温まるエピソードに、コメント欄は「優しすぎる!」「癒されました」といった反応であふれている。また「Aidenくんがルーズを引っ越しさせたんですか?」というコメントには「彼の母がやってしまったんです。Aidenはお母さんの島の2番目の住人なんですが、母親は彼がそんなにルーズのことを好きだって知らなかったみたい」と回答が寄せられた。母君も、幼い息子の愛情深さには思い至らなかったようだ。ある意味、彼の母もMinisterofCute氏の機転に救われたといえるかもしれない。

また特徴的な現象として、極めて多くのユーザーが「うちの島のルーズが引っ越そうとしているので、お送りしましょうか?」「ルーズのamiiboカードを譲ります!」と持ちかけている。オンラインを介した住民のやりとりが浸透した本作ならではの交流といえるだろう。一方では、「amiiboカードで呼び出した住民は、交流の記録がリセットされてしまっているのでおすすめできない」との警告するユーザーの声も。指摘のとおり一度引っ越してしまった住民はamiiboカードで呼び戻しても、完全に別人として現れることになる。果たして記憶を失ったルーズとの再会がAiden少年にとって良きものとなるかどうかは不明だ。

*とあるユーザーによる再会報告。離島で再会した場合も記憶喪失状態となる。

こうした多くの提案に対しMinisterofCute氏は「今はamiiboカードでルーズの呼び出しをするかどうか、Aidenの母と相談しています」と返答を寄せている。しかし予想外の申し出の多さに驚くと同時に感謝しており、「このコミュニティの一員だということを嬉しく思います」とコメントした。どのような結論になるにせよ、MinisterofCute氏の手紙が彼とルーズの思い出を残し続けるのは確かだろう。