高評価RPG『Disco Elysium』の対応予定言語に日本語は含まれておらず。ただしアンケート形式で要望を受付中


エストニアのゲームスタジオZA/UMは5月12日、ミステリー・コンピュータRPG『Disco Elysium』の多言語化対応に関する進捗を報告。同作は現時点で英語と中国語(簡体字)に対応しており、今後のアップデートによりスペイン語、韓国語、ロシア語、ブラジルポルトガル語の4か国語が追加される予定だ。これらの翻訳対応は厳選された有志メンバーにより進められており、一番進捗の早い韓国語は35%完成しているとのこと(5月12日時点)。またローカライズ会社のTestronic Labsと協力し、フランス語とドイツ語の翻訳作業を開始したことも明かされた。

残念ながら対応予定言語に日本語は含まれていないが、ZA/UMは対応してほしい言語に関するアンケートを実施している。5月12日時点で投票数が一番多いのはトルコ語(4232票)。日本語は、ポーランド語、ウクライナ語、イタリア語に続く5位(266票)。本作が気になっている方は、翻訳してほしい言語に投票してみよう。なお有志翻訳による多言語化を軸としており、ゲームには100万ワードを超えるテキストが含まれていることから、対象言語に選ばれても翻訳対応が完了するまでには時間を要するだろう。

『Disco Elysium』は、2019年10月に発売されたミステリーRPG。ディスコ音楽を愛する記憶喪失の中年刑事が、冷戦期東欧風の町の一角で起きた殺人事件の捜査にあたる。論理的思考や共感力といった24種類のスキルが頭の中の声となって脳内会議を繰り広げる、カオスな会話システムが大きな特徴となっている。革新的なナラティブ手法およびゲームシステム、エッジの効いたブラックユーモア、油絵タッチのアートワークなどが高く評価され、これまでに数々のゲームアワードを受賞してきた。

先述したように100万ワードを超えるテキスト量を誇る作品であり、英語だけでなくフランス語やポルトガル語の単語も含まれるため読解・翻訳難度は高め。なにより本作は「笑える」ゲームであり、ローカライズするにあたっては政治や社会問題を絡めたブラックユーモアを的確に訳す手腕も求められる。そうした理由もあって、公式な多言語化対応を望む声の多い作品となっている。

なお同作は4月28日、対応プラットフォームにMacが追加。さらに最新の「Working Class」アップデートによって最低動作環境が下げられた(Steam)。「労働者階級」というアップデート名のとおり(?)、より多くのユーザーが『Disco Elysium』を遊べるようになったわけだ。こうした低スペック機向けの最適化作業は、今後も継続していくとのこと。また同作に関しては、Nintendo Switch移植対応も進められていることが判明している(関連記事)。

開発元のZA/UMは、日本時間6月7日~6月9日に開催されるオンラインゲームイベント「The Guerrilla Collective」の参加企業リストに含まれている。同イベントにて、ZA/UMの次なる展開が明かされることだろう。