癒し系都市建設SLG『Before We Leave』Epic Gamesストアで配信開始。文明に武器はいらない、ジャガイモを育てて宇宙へ出よう


ニュージーランドのインディースタジオBalancing Monkey Gamesは5月8日、都市開発シミュレーション『Before We Leave』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Windows)。価格は2080円となっている。

本作の舞台となるのは宇宙の隅っこのとある惑星。人々は何世紀にもわたり地下で細々と暮らしてきた。彼らが日の光を求めてふたたび地上に姿を現したところから、ゲームはスタートする。長らくの引きこもり生活で人間たちはすっかり文明の何たるかを忘れてしまい、ジャガイモを育てる以外に能がない。右も左もわからない人類を導き、もういちど繁栄をめざすことがプレイヤーの目的となる。

本作はシミュレーションとしてはおなじみのジャンルとなる文明開拓ストラテジーだが、プレイヤーは「最強の帝国」をめざす必要がない。外交でほかの指導者を出し抜くこともなければ、戦争をけしかけることもない。それというのも人類がすべからく地中ボケしているからだ。『Before We Leave』は資源を奪い合う戦争もない、土地や技術の争奪もない、暴力要素を排した都市建設シムなのだ。

あらたな夜明けは素朴な開拓から始まる。まずはできるところから、ジャガイモを育て木製の小屋を建てよう。徐々に村は発展して都市となり、大洋に繰り出す船を造り出せるようになる。真っ青な海のヘックスタイルを進んでゆけば、やがて別の大陸にまで進出することもできるだろう。

ときに過去の時代が遺したロスト・テクノロジーを活用し、人々がようやく小さな宇宙ロケットを生み出したとき、文明はようやくリスタート地点に立つ。空へ飛び立ち、まだ見ぬ惑星にも開発の手を拡大するのだ。星々のコロニーを運営し、点と点をつなぐことで巨大な太陽系のネットワークを紡ぎ出す。争いを知らない人類は、やがて宇宙をまたにかけた壮大な社会を建設するだろう。

ただし戦争がないからといって、まったく平穏無事に都市を築けるわけではない。非暴力を謳う本作でもいくつか障害となる要素はある。そのひとつが「古き祖先の守護者」で、地上に出た人々に礼讃を迫り妨害してくることがある。

また特に脅威となるのが「宇宙クジラ」という存在。かつての人類を地下へ追いやった原因でもある災厄で、そのヒレひとつで文明をまるごと滅亡へ追いやることもあるという。トレイラーでも、大きな影が星を覆い尽くし地表を荒廃させる様子が映し出されている。これらの災害を退けるのに必要なのは兵器や競争力ではなく、地道で適切な資源管理だ。

ときに危険にみまわれながらも、自分のペースで穏やかに文明を育むことのできる『Before We Leave』。すでにEpic Gamesストアで販売が始まっており、価格は2080円となっている。日本語には未対応だが、箱庭のような惑星でリラックスしてシミュレーションを味わいたい人は遊んでみるといいだろう。