プレミアリーグなど英サッカーが試合延期、しかし“クラブチーム公式”による『FIFA 20』などを使った仮想マッチが大ウケ。オンライン杯開催へ


世界で猛威をふるう新型コロナウイルス。イングランドのプロサッカーリーグは、感染拡大防止策として4月3日まで全ての試合を延期している。楽しみを失ったサッカーファンたちに向け、『FIFA 20』などのサッカーゲームを使ってファンを元気づけようというクラブチームが出てきた。

いくつかのクラブチームが、現実では延期されてしまった試合をサッカーゲームによってシミュレートし、ライブ配信やSNSを通じてファンを楽しませた。各々のチームが工夫して仮想マッチを盛り上げる中、レイトン・オリエントFCの呼びかけによって、世界12か国・全128ものクラブチームが参加する『FIFA 20』オンライントーナメント「Ultimate Quaran-Team」の開催が決定するまでに至っている。

試合が行われない中でサッカーゲームを使ってファンを楽しませたクラブチームとして、まずはプレミアリーグのワトフォードFC。同チームのスポンサーであるゲーム『Football Manager 20』を用い、延期されてしまったレスター・シティFCとの対戦をシミュレート。Twitterに投稿された動画は、74万回以上再生されている。なお試合結果については、現実では3位のレスター・シティFCが17位ワトフォードFCを下す、リアリティのあるものとなっている。決勝ゴールを決めたのは、かつて岡崎慎司選手ともプレイしたMFマーク・オルブライトン選手。

イングリッシュ・フットボールリーグ(以下、EFL)チャンピオンシップのリーズ・ユナイテッドFCは『FIFA 20』を使ってカーディフ・シティFCとの試合シミュレートする様子をFacebookでライブ配信。Twitterではハイライトシーンの動画やゴールに喜ぶツイートを投稿し、本物の試合であるかのように盛り上げた。ライブ配信のアーカイブ動画は、17万回以上再生されている。

プレミアリーグのサウサンプトンFCも、行われるはずだったノリッジ・シティFCとの試合を『FIFA 20』を使ってシミュレート。プロゲーマーのVenny氏によるプレイをPeriscopeでライブ配信し、2万人以上を集めた。なお試合結果は、現実では守備再建中の14位サウサンプトンFCが最下位のノリッジ・シティFCをカモにし、1失点に抑えた勝利を収めている。

自チームの予定されていた試合をシミュレートするだけでなく、より大きなムーブメントに広げようとするクラブチームが現れた。EFLリーグ2のレイトン・オリエントFCは、『FIFA 20』を使ったオンライントーナメントを企画。自チームを含む64チームを集めるため、世界中のクラブチームに呼びかけた。

ところが、この企画に賛同するクラブチームが予想以上に多いものであったようだ。予定していた全64チームから全128チームによるトーナメントに変更し、規模はさらに大きくなった。国内リーグだけでなく、同じく試合が行われていないイタリアのセリエAやドイツのブンデスリーガなどの他国リーグからも参加表明するクラブチームが現れ、最終的に12か国から128チームが集まった。

レイトン・オリエントFCはこの大会を「Ultimate Quaran-Team」と名付けた。『FIFA 20』内のゲームモード「Ultimate Team」と、「隔離」を意味する英単語「quarantine」をかけたものであると思われる。「Ultimate Quaran-Team」の参加クラブチームは、チームの代表者として『FIFA 20』プレイヤーをひとり選んで大会に参加することとなるようだ。詳しいルールは追って説明があるようなので、気になる方はレイトン・オリエントFCの公式Twitterをチェックしてみると良いだろう。

また、スポーツ中継といえば、音声解説がつきもの。実際のサッカー中継でコメンテーターをしているGuy Mowbray氏もこの大会に興味を示しており、「スケジュールは空いているし、準備万端だ」とTwitterに投稿している。

新型コロナウイルス対策として、4月3日まで全ての試合が延期されているイングランドサッカー。いくつかのクラブチームは、サッカーゲームを用いて予定されていた試合のプレイ動画をSNSに投稿。自宅待機しているファンたちを楽しませた。この流れから生まれた『FIFA 20』オンライントーナメント「Ultimate Quaran-Team」。全12か国・128のクラブチームが協力するこの大会は、どのような盛り上がりを見せるだろうか。トーナメントのくじ引きは、現地時間の水曜日(3月18日と思われる)を予定しているという。