『オーバーウォッチ』の実験モードで「3ダメージ・1タンク・2サポート」のトリプルダメージ構成が近日検証開始。本実装すべきか判断するため


【UPDATE 2020/02/26 10:49】
『オーバーウォッチ』にて2月26日、エクスペリメンタルモードが実装された。「2ダメージ・2タンク・2サポート」のトリプルダメージ編成がテストされており、同モード用にタンクヒーローのバランス調整が適用されている。エクスペリメンタルモード用の調整であり、そのほかのライブモードには影響ない(パッチノート)。

【原文 2020/02/25 11:48】
オーバーウォッチ』のディレクターであるJeffrey Kaplan氏は2月24日、同作の「エクスペリメンタルモード」を近日中に実装することを発表した。すべてが順調に進めば、現地時間2月25日からコンソール版を含む全バージョンにて、最初の実験「トリプルダメージ」モードを遊べるようになる。同作では、昨年導入されたロールキューシステムにより「2ダメージ・2タンク・2サポート」のチーム構成固定制になった。トリプルダメージは、「3ダメージ・1タンク・2サポート」に構成を変更する実験だ。

同モードは先月の開発アップデートで紹介された新機能。バグ修正や安定性改善ではなく、開発中の仕様変更や実験的機能を一足早くプレイヤーに試してもらい、フィードバックを募るためのモードである。本実装がほぼ確定している公開テストサーバー(PTR)での検証とは違い、本実装が決まっていないアイデアを試験的に披露する場であり、今回の動画でも、決定事項ではないことが強調されている。PTRでの検証と違って、PC版だけでなくコンソール版のプレイヤーも参加可能。またエクスペリメンタルモードでのプレイ時も、アカウントレベルは上昇する。

トリプルダメージ構成を実験しようと思ったきっかけは、昨年11~12月ごろに開発チーム内で交わされた、「ダメージロールのマッチング時間を短縮するにはどうすればよいか」という議論。ロールを決めてからマッチメイクを始めるロールキューシステムは、ダメージロールを選ぶプレイヤーのマッチング時間が長いという問題を抱えていた。その解決案のひとつが、トリプルダメージ構成である。チーム編成を、プレイヤーがマッチング時に選択しているロールの比率に合わせる試みだ。開発チーム内では賛否両論であったが、せっかくエクスペリメンタルモードが導入されるということで、実際にプレイヤーに試してもらう運びとなった。この実験では、マッチング時間への影響を計測するほか、プレイヤーからのフィードバックを求めているという。

開発チーム内での実験では、キル数や、タンクおよびタンクを守るプレイヤーにかかるプレッシャーに変化が見られたとのこと(公式サイト)。ゲンジとトレーサーの2人で裏取りしたり、ウィドウメイカーとハンゾーのスナイパー2体構成を試したりと、現状の基本構成とは違った戦術を採用でき、混沌さが増したバトルが繰り広げられるようになったという。

Kaplan氏いわく、トリプルダメージ構成を正式採用する上での一番の懸念は、コミュニティ内で「メイン・タンク」ではなく「オフ・タンク」とカテゴライズされているヒーロー、とくにロードホッグ、ザリア、D.Vaへの影響とのこと。そこでエクスペリメンタルモードでは、トリプルダメージ構成用のバランス調整も実験するという。オフ・タンク1体だけのチーム構成を想定したヒーローのバランス調整だ。公式サイトでは、ロードホッグがテイク・ア・ブリーザーを使用した際、周囲の仲間に体力回復と被ダメージ軽減効果をもたらす範囲アビリティを追加するという具体例が記載されている。こちらも、あくまでエクスペリメンタルモード用の実験的な調整であり、クイックプレイやライバルプレイに適用される内容ではない

エクスペリメンタルモードの導入により、大胆な実験が可能となる『オーバーウォッチ』。なおシーズン21からは、ライバルプレイにて「ヒーロープール」の導入が計画されている。毎週ピックできるヒーロー群を変化させることで、メタの固定化を防ぐことが狙いだ(関連記事)。