『フォートナイト』人気配信者Ninja、チート行為で永久BANされたプロプレイヤーについて独自の視点で擁護

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今月11月5日、eスポーツチームFaZe Clan所属のコンテンツクリエイターFaZe JarvisことJarvis Kaye氏が、『フォートナイト』にてチートツールを使用していたとして、同作の開発販売元Epic Gamesによって永久BAN処分を受けた(関連記事)。その処分の重さについては、ゲーマーの間でさまざまな意見が交わされているが、トップストリーマーであるNinja氏も持論を述べていたことが明らかになった。海外メディアNiche Gamerなどが報じている。

まずは本件のあらましを振り返っておこう。Jarvis氏は、『フォートナイト』のゲームプレイを中心にYouTubeにて配信し、本稿執筆時点で208万人ものチャンネル登録者を抱える、17歳の若き人気配信者である。Jarvis氏はある日、本作のソロモードとプレイグラウンドにてエイムボットを使用した動画を投稿。容易に敵を倒し、最後に突然BANされるまでを楽しむ様子を伝えていた。結果的に永久BAN処分となり、もう『フォートナイト』をプレイできないことが分かったJarvis氏は、Epic Gamesへの謝罪映像を投稿。チートツールの使用はこれが初めてで、競技シーンでは使用していないことなどを、目に涙を浮かべながら釈明した。

『フォートナイト』の実況配信にて人気を獲得し、現在はMixerにて活動しているトップストリーマーNinja氏は、このJarvis氏の永久BANという処分の重さについて、本作の配信をおこないながらコメントしている。結論から言うと、Ninja氏はこの処分は重すぎると考えているようだ。

*Ninja氏の配信映像から、Jarvis氏の処分についての発言部分を切り出した映像。

Ninja氏はまず、バカな子供が深く考えることもせずにバカなことをしてしまったと本件について感想を述べる。そして、チート行為をおこなったJarvis氏は処分を受けるべきであるとした上で、17歳という若さや初犯であることを考慮し、半年から1年程度のBANが妥当ではないかとコメント。また、Jarvis氏はコンテンツクリエイターとして多くのフォロワーを有している点についても言及している。

200万人超のチャンネル登録者を持つJarvis氏は、『フォートナイト』のゲームプレイを配信することによって収益を得ていたことがうかがえる。そうした立場の人間と、特にフォロワーがいるわけでもないただの子供との間には違いがあるとNinja氏は述べる。文字どおり『フォートナイト』に人生を捧げ、それでお金を稼いでいるため、永久BAN処分となると彼の人生そのものを台無しにしてしまう。一方で、普通の子供はまた別の手段でチートを繰り返すだけ。そのため、両者の扱いについては少し異なってしかるべきだというのがNinja氏の主張だ。

また、日本の青木ヶ原樹海で撮影した遺体の映像をYouTubeに投稿して問題になったローガン・ポール氏が、当時GoogleからアカウントのBANをされなかったことを例に挙げ、この業界には有名人がひいきされる傾向が事実上存在するとも。Ninja氏は、これに倣いJarvis氏も処分の面で優遇されるべきだと明言したわけではないが、ダブルスタンダードな判断がおこなわれても不思議ではないという考えなのだろう。

『フォートナイト』では、チートツールのような不正ソフトウェアの使用は、エンドユーザーライセンス契約にて明確に禁じられている。そのため、永久BANというEpic GamesのJarvis氏への処分については、ゲーマーの間では妥当であるという意見が多い。一方で、たとえば本作のワールドカップの予選という競技シーンにて、敵プレイヤーと談合してキル数を稼いだプレイヤーが、わずか14日間のアカウントBAN処分であったことを引き合いに、Jarvis氏の処分は重すぎるという意見も見られる。ただ、談合行為と不正ツールの使用は次元の異なる話だという指摘がある。

今回Ninja氏は、Jarvis氏が著名なコンテンツクリエイターであるという点に着目した意見を提示した形だ。自身もゲームプレイ配信を主な手段として生計を立てているため、思うところがあったのかもしれない。ただ、先の映像のコメント欄では、Ninja氏の考えは賛同を得ているとは言えない状況である。また、影響力のある有名配信者であればなおさら、チート行為の配信には厳しい目が向けられる。この点についてNinja氏は、Jarvis氏はチートツールの販売サイトを紹介するなど宣伝行為をしていたわけではなかったとして、一部擁護する意見を述べている。

いずれにせよEpic Gamesは、不正行為にはゼロトレランス方式で例外を設けることなく処分する姿勢を示した。有名だから、あるいは収入を得る手段にしているからといって、処分が軽くなるということは今後もなさそうだ。

なお今回の一件以来、Jarvis氏はYouTubeへの動画投稿はおこなっていない。ただその後、同じFaZe Clanに所属する12歳のFaZe H1ghSky1君の動画に登場。一緒にトイガンで遊んだり、『フォートナイト』をプレイする様子が収められているが、Jarvis氏はそのゲームプレイを隣で見守るだけだった。

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