『フォートナイト』のチート少年、裁判になってもチートをやめられず


Epic Gamesは『フォートナイト』でチートを使用していた少年を著作権侵害などで訴訟している。しかし、問題の少年はチートの使用をやめずEpic Gamesを挑発する言動を繰り返しており、TorrentFreakなどが報じ話題となっている。

この問題の発端は2017年までさかのぼり、Epic Gamesは数名のチーターを著作権侵害で告発していた。ほとんどの訴訟は解決したようだが、Caleb Rogers(YouTubeアカウント Sky Orbit )はチートの使用を止めずEpic Gamesも訴訟を取り下げていない。Caleb氏は『フォートナイト』でチートを使うだけにとどまらず、配信中にチートの販売サイトの宣伝を行うといった活動もしていたようだ。

2017年11月に少年の母親は、Epic Gamesの本社があるノースカロライナ州の裁判所に手紙を送っており、訴訟を取り下げるように求めていた。母親の手紙によると『フォートナイト』は無料のゲームであり、ソフトウェア利用許諾契約(EULA)によれば「未成年者にたいして法的拘束力はない」としている。Caleb氏が当時14才であったことも文中で明確にしており、Epic Gamesの訴訟は無効であると主張。Caleb氏も手紙の話題を動画で取り上げており、弁護士を雇うまでもない旨を述べていたという。

この訴訟では理由はともあれCaleb氏から裁判所への応答がなく、Epic Gamesは欠席裁判を裁判所に求めていた。民事訴訟法によると代理のいない未成年の欠席裁判は認められないそうで、今年8月に要求は却下されていた。ただし訴訟そのものが却下されたわけではなく、母親の手紙もその後退けられ、現在まで問題の訴訟が続いているかたち

さらに先週、Caleb氏がチートの使用を一向にやめないため、Epic Gamesが提出した、少年の母親を法的な保護者として任命する書類が、ノースカロライナ州の裁判所に受理された。被告の保護者は裁判所からの命令を無視しており、「少年の利益を守り問題を前進させるため、少年の母親かその他の大人を公的に代表させることが適切である。」と文書にある。Caleb氏からの応答が期待できず欠席裁判も却下されたため、保護者をCaleb氏の代理として裁判を進めるということだ。

現在Caleb氏のYouTubeアカウントは停止されており、チートを使用する様子やEpic Gamesへの挑発的な動画などは直接閲覧できない。しかしEpic Gamesの上記の文書によると、Rogersは「『フォートナイト』でチートを使用する動画を訴訟後も投稿することで、裁判所の効力を見くびっている」とあり、さらに投稿した動画内で「You guys can eat my ass once again」といった発言をしEpic Gamesを挑発していたという。

Rogers氏が訴訟後も『フォートナイト』のゲーム内でチートを使用していた証拠となる動画は、YouTuberのShelbyRenae氏が投稿しており、Caleb氏がエイムボットを使用する場面を確認できる。アカウント名に黒塗りがされているが、声などから本人であると考えられる。またRogers氏は同じくEpic Gamesにチートの使用と宣伝で訴訟を起こされた人物であるCBV氏の動画にも、今年に入ってからDiscordの通話を通して出演していた(ShelbyRenaeの動画)。

Epic Gamesは、損害賠償よりも彼がチートの使用と宣伝をやめることを求めているようだ。裁判沙汰になってもチートをやめないCaleb氏には呆れるばかりだが、とはいえ彼は未成年。今回彼の母親が代理として受理され裁判が前進する可能性もあるが、Caleb氏が改心してチートから卒業できるかも注目したいところだ。