『マインクラフト』Windows 10版リアルタイム・レイトレーシングをサポートへ。エンジンも進化し他デバイスでもビジュアル向上


マイクロソフト傘下のMojangは8月19日、『Minecraft(マインクラフト)』のWindows 10版について、2020年に配信予定の無料アップデートにてリアルタイム・レイトレーシングをサポートすると発表した。これはNVIDIAと協力して実現するもので、GeForce RTX GPUの使用が必須要件となる。

PC版『マインクラフト』でのレイトレーシングについては、これまでにもModにて実現させるユーザーレベルでの動きがあったが、今回公式にサポートすることが決定した形。NVIDIAによると、シーンのなかでの光の伝搬の仕方をシミュレートする、パストレーシングと呼ばれるレイトレーシングのひとつの手法を導入するそうで、以下の要素がそのライティング計算の対象になるという。

・太陽、空、ならびにグロウストーンや溶岩などの発光する表面を含む、さまざまな光源からの直接光
・サイズや形状、光源からの距離によってさまざまに異なる、リアリスティックなハードシャドウおよびソフトシャドウ
・ピクセル当たりの放射光
・間接的な拡散イルミネーション(拡散グローバルイルミネーション)
・間接的な鏡面反射イルミネーション(リフレクション)
・リフレクション、リフラクションおよびスキャッタリングを伴った、透明な素(ステンドグラス、水、氷)
・大気散乱と密度(深みのある霧、細い光、リアリスティックな空)

『マインクラフト』のWindows 10/Xbox One版に向けては、グラフィックを大幅に強化する「Super Duper Graphics Pack」が発表されていたものの、先日開発中止となったばかり。その理由としては、各対応デバイスにおける同DLCのパフォーマンスが不十分なためとされていた(関連記事)。今回発表されたレイトレーシングを導入するには、Windows 10とGeForce RTX GPUの組み合わせが必要となるが、同DLCに期待していたファンにとっては朗報だろう。

またMojangは、DirectX Raytracingをサポートする将来のプラットフォームにも、このレイトレーシング対応を導入していくとしている。SIEの次世代PlayStationや、マイクロソフトの次世代Xbox・Project Scarlettでは、いずれもレイトレーシングをサポートするとされているため、これらのプラットフォームへの『マインクラフト』のリリースを示唆しているとも受け取れる発言だ。

なお、『マインクラフト』のBedrock Editionについては、「Render Dragon」と呼ばれる新たなゲームエンジンを今後数か月のうちに導入することも発表されている。新たなライティング技術などを採用し、グラフィックとパフォーマンスを向上させるという。プレイヤーのデバイスに合わせたグラフィック設定を適用することで、Bedrock Editionをプレイできる各デバイスにてそのアップグレードを体験できるとのこと。

今回の発表に際し、NVIDIAでは『マインクラフト』以外にもレイトレーシングに対応するタイトルを発表しており、PC版『ウォッチドッグス レギオン』や『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』のレイトレーシング映像が初めて公開された。また、これまでにもレイトレーシングのサポートがアピールされてきた『Control』や、『Dying Light 2』『Vampire: The Masquerade – Bloodlines 2』『Metro Exodus』などの事例についても紹介されている。