『Dead by Daylight』の日本人コミュニティモデレーターが開発チーム入り。ユーザーとしてプレイし始め、最終的に “中の人”に


『Dead by Daylight』日本語コミュニティモデレーターを務めてきたDonnary21st氏は5月25日、Behaviour Interactiveの『Dead by Daylight』の開発チームの一員になったと発表した。日本語の公式チャンネルや日本語で意見を伝えられる手段の開設をはじめとした、日本人プレイヤー向けの公式な窓口として、カナダと日本の架け橋となる。

Donnary21st氏は、数年にわたり『Dead by Daylight』のコミュニティモデレーターとして活動していた人物。同作のアップデート情報などを、SNSを介していち早く正確に発信しており、同作のプレイヤーもそうでない方も、氏のアイコンを目にしたことがあるかもしれない。

Donnary21st氏はもともと、ゲームを遊ぶいちプレイヤーに過ぎなかったという。『Payday 2』などPCゲームをこなよく愛していた氏は、『Dead by Daylight』の魅力と人気に魅了され、ゲームディレクターであるMathieu Cote氏に日本語化してもよいか直談判。2017年1月より活動を開始した日本語有志翻訳チームを立ち上げ、よりゲームが遊びやすい環境を提供してきた。開発チームと協力しつつ、同5月には日本語が正式に実装。

その後コミュニティモデレーターとしてのオファーを受け、モデレーターチームに加入。一方で個人的な活動として、アップデート情報の迅速に発信し続けるなど、日本語コミュニティを牽引し続けてきた。『Dead by Daylight』は日本で特に根強い人気を誇るが、その背景には少なくとも氏の貢献が存在するだろう。こうした功績を残した結果、Behaviour Interactiveからオファーされ最終的にコミュニティマネージャーとして“中の人”となった。

昨年弊誌ではDonnary21st氏をインタビュワーとして迎え、前出のCote氏にインタビューを敢行。その時も言及していたように、Donnary21st氏は「日本担当が必要である」と開発チームに進言し続けてきた(関連記事)。『Dead by Daylight』のようなライブサービス型ゲームにおける窓口は、フィードバックという点でもサポートという面でも重要な役割を果たす。日本語と英語という言語の壁もあり、そうした部分がゲームの人気ほどは充実していなかった同作においては、中と外をよく知るコミュニティモデレーターが担当することになる。

一介のファンが、最終的に開発チームに入るという事例は、欧米のタイトルではそう珍しくない。しかし日本から情報を発信してきた日本人が、カナダ生まれの人気タイトルのコミュニティマネージャーとして開発入りするというのは、かなり稀な事例だ。日本向けの窓口を公式に用意することは、日本市場を重要視している裏付けでもある。昨年よりPS4向けにも配信開始された『Dead by Daylight』は、日本で今後も末永く遊ばれるタイトルになるだろう。

さっそく5月26日には、待望の『Dead by Daylight』公式Twitterアカウントが開設されている。さまざまなアップデート情報が明かされそうな6月1日の公式放送にむけて、同アカウントをフォローしておくとよさそうだ。