『Apex Legends』のチート販売業者は、4日で55万円以上を稼ぐとの報道。人気と金が集まるバトロワに悪質業者も集まる

画像は、大手チートサイトトップページより
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人気の上昇にともない、チーターの増加が報告されているPC版『Apex Legends』。アジア周辺のサーバーにて、キャラクターを選択する画面で、ゲーム内ボイスチャットによって何らかの宣伝と思われる音声やチャットの告知をおこない、試合が始まると同時にゲームを切断していくといった事例が数多く目撃される中、チート販売業者が具体的にどれほど“儲けているのか”がKotakuによって報告されている。

とあるチート販売業者は、これまでは『フォートナイト』を標的にしていたが、検知および対策が強まっていたことから、『Apex Legends』に標的を移したそうだ。するとたちまち、チートツールの販売から4日間で5000ドル(約55万円)以上の利益を得たという。この業者が販売しているので、エイムを最適化(補助)するプログラムのエイムボット。つまり、ヘッドショットなどを極めて容易にするツールだ。このツールを使い1試合で30キルをするといった“宣伝例”もあわせて報告されている。

また異なるエイムボットの販売業者は、1週間で400ドル(約4万4000円)を稼いだそうだ。チートにおいては、エイムボットのほかにスピードハックやウォールハックなど、多岐にわたる手段が存在する。これらの両方を組み合わせるツールも存在するかと思われるが、やはり手軽にキルができるようになるエイムボットが人気のようだ。

チートツールは、英語でチートと検索すれば出てくる大手サイトで販売されているほか、“足がつきづらい”Discordでの売買が活発。売り切りではなく、対策された後もサポートするという点で月額制(サブスクリプション)型が採用されている。リポートされた販売者はあくまで氷山の一角。さらに多くの利益を得ている業者が数多く存在すると考えるのは不自然ではないだろう。成功例を聞きつけたことにより、今後さらに多くの業者が集まる可能性もありそうだ。

チートサイトは軒並み『Apex Legends』をプッシュ。検知されないチートを月額30ドル弱で手に入れようと宣伝している

さらに『Apex Legends』は基本プレイ無料タイトルということもあり、たとえBANされようともツールを使いハードウェアIDを書き換えるだけで、また新たなアカウントを作れるという。アカウントを新たに作成して『Apex Legends』のレベルを上昇させてApexパックを開封する。そうした手順で、価値あるスキンが手に入れてアカウントを売りつける。本作は配信1か月にして5000万プレイヤーを突破している。市場が大きく、買い手が存在し、BANのリスクが少ないともなれば、チート販売業者が『Apex Legends』に集まってくるのは合理的ではある。

もちろん、開発元であるRespawn Entertainmentのこうしたチートの蔓延に着手している。アンチチートミドルウェアEasy Anti-Cheatによる対策がはかられているほか、3月9日時点で35万以上のチートアカウントをBANしたと報告。今後はアンチチートに関するチームを拡大することや、ゲーム内で即時チーターを通報する機能の実装を予告している(関連記事)。Respawnは「これは始まりにすぎない」と徹底してチーターを戦うことを誓っているが、PC版のチート被害は増え続ける一方。チート対策を高らかに宣言したこと自体が良いものの、後手対応と見られつつあることは否めない。

すでに数多くのストリーマーが、PC版『Apex Legends』のチーターに苛立ちを見せているほか、ストリーマー自身がチートを使用していると報告されるケースも増えてきており、“腐敗”の足跡が聞こえてきている。前例としては、PUBG Corp.やEpic Gamesはチート販売業者を特定し訴訟するといった形で圧力をかけてきたが、本作はまだ配信されてから1か月すこしということもあってか、そうした動きは出てきていない。EAとRespawn Entertainmentは、PC版『Apex Legends』に広がりつつある混乱を止められるのだろうか。

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