『スマブラSP』公式オンライン大会放送中に、試合中継が突如中断される。キャスターが“ラグ”がないことを説明する奇妙な一幕

 

『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の公式大会放映中に、試合中継が一時中断され、キャスターがプレイヤーにはラグの影響はない説明するという奇妙な場面が映し出されたことがResetEraなど海外コミュニティで話題を呼んでいる。現在実施されているオンライン大会イベント「Super Smash Bros. Ultimate North America Open 2019 Online Event 1」からの一幕である。

https://youtu.be/VX-tFlDGypI?t=2940

※ 該当シーンは49分頃から

Super Smash Bros. Ultimate North America Open 2019」は、北米にて現在実施されている公式オンライン大会。12の予選を勝ち抜き、ファイナルイベントが開催されるPAX Eastを目指すというもの。3回にわたり大会が開催され、勝ち抜くための試合が展開される。今回、その中のイベント1の予選決勝が昨日放映された。

同放送では、試合の実況とは別に、多彩な分野でキャスターとして活躍するJordan Kent氏を司会とし、eスポーツコメンテーターであるVikki Kitty氏や、『スマブラSP』コメンテーターのToph氏を解説に迎え、スタジオにて試合をハイライトするという形式をとっている。第一試合は、ヨッシーを使うSeth選手とロボとを使うIsnacks選手の戦いとなった。

事件が起こったのは、この第一試合の三戦目。Seth選手のヨッシーが優位に戦いを進める中、ロボットを追撃したタイミングだった。試合中継から、突如Kent氏など3名が映るスタジオに画面が切り替えられた。試合の中継が中断されたのだ。Kent氏は「(中継中の)北東地区戦においては、映像の遅れやバッファが生じているかもしれませんが、プレイヤー側の画面では発生していない問題ですのでご安心ください。もちろん、今後のビデオ・オン・デマンド(VOD)にも影響しません。今技術さんが調整をしているところです。」とコメントしている。

その後Kent氏はKitty氏やToph氏とそれまでの2試合の展開を軽く解説し、試合中継に映像を戻した。もちろん、中継を中断していた間の試合展開は見えない。ヨッシーの蓄積ダメージは116%から124%に。復帰途中だったロボットのストックは2から1に減った状態で中継が再開された。

中断される少し前のタイミングから、試合展開の中でヨッシーとロボットがゆっくりと動くなどカクつくシーンが目立ち、YouTubeやTwitchなどコメント欄で「ラグが多い」との声が相次いでいた。そうしたコメントが寄せられていた矢先、今回の中断が発生した。さらに、Kent氏は「カクつきはプレイヤーには影響していない」と話していたにもかかわらず、ロボットを使い試合をしていたIsnacks選手本人は、Twitterにて「三戦目は、なぜか知らないがとてもラグかった。」と答えている。

https://twitter.com/Chef_Isnek/status/1094392172043010048

ちなみにアーカイブ化された映像では、カットされた場面が確認できる。Beth選手がアシストフィギュアを取得し鷹丸を呼び出したが、それまで以上にカクつきが確認できる。何秒も止まっているシーンも見かけられ、この試合においては接続環境に問題が発生していたのは間違いなさそうだ。

※ 該当シーンは12分19秒から13分頃まで

一方で、Isnacks選手は一戦目と二戦目は快適に戦えていたとも話している。そのほかの試合もスムーズに展開されており、このタイミングでのみ技術的な問題が発生していたのかもしれない。とはいえ、いきなり試合中継が中断され「プレイヤー側にはラグは発生していない」とキャスターが説明する奇妙なシーンに対しては、YouTubeやTwitchのコメント欄も、視聴者の混乱と戸惑いのまじった笑いの声で埋め尽くされていた。先日弊誌では、Nintendo Switch Onlineの内容に、月額サービスとして不満を抱いているとし、米任天堂公式のYouTubeの動画に不評が投じられていることを報じた。今回の「一時中継中断」も、そうしたオンラインのインフラの弱さが出たのではないかと紐付けるユーザーもいるわけだ。

米任天堂が主催する「Super Smash Bros. Ultimate North America Open 2019 Online」は、多くの視聴者がいることからもわかるとおり、大きな盛り上がりを見せている。オンライン大会においては、ネットワークなどがゲームプレイに影響を及ぼす可能性があるだけでも、競技者に不安を抱かせかねない。イベントが盛り上がりを見せているだけに、『スマブラSP』のイベントにてこうした中断シーンが今後登場しないことが望まれるだろう。