「ソニック」の実写映画がすでにネットミーム化。手足の長さが面白がられ、脚本家は「みんな落ち着け」とたしなめる


今月12月11日、セガの看板ゲーム『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の題材とした映画「ソニック・ザ・ムービー(原題:Sonic The Hedgehog)」のイメージポスターが公開された。アメリカでは2019年11月に公開され、日本公開時期は近日発表されるという同映画では、宇宙最速で走るパワーを授かった青いハリネズミのソニックが、警官のトムとバディを組み、宿敵ドクター・エッグマンの恐るべき陰謀に立ち向かうべく、世界を股に繰り広げる冒険が描かれるという。まだイメージポスターが公開されたばかりの実写ソニックが、すでに国内外で“面白がられ”ており、ネットミーム化している。

注目が集まったのは、シルエット越しでもわかる筋肉質な身体と、やたらと長い手足。人間にソニックのコスチュームを被せているという指摘や、手足の長さからコミュニティ界隈では有名な「サニック・ヘジホッグ」に見えるという意見など、多彩なツッコミが入れられている(Dorkly)。その後公開されたポスターでは、あらためてソニックの手足の長さを強調されており、こちらもまた注目を集めている。

面白がる意見が多数であるが、一方でこうした意見には「これじゃない」という抗議の意図がこめられたものも多かったようだ。同キャラクターの生みの親であり、現在はセガから離れている中裕司氏は、期待を混じらせながらその出来を不安視する旨の投稿をTwitterに残しており、これを見た海外ユーザーもまた、映画のポスターに不満を募らせている。一方、こうしたネガティブな反応を見た、「ソニック・ザ・ムービー」の脚本家であるPatrick Casey氏は「みんな落ち着け」とたしなめた。Twitterユーザーは「ポスターがジョークなら落ち着けるんだけどな」などと応戦しているが、その後氏はその後「ロックマンのポスターが公開されるのが待ちきれないよ」と発言するなど、ジョークを披露する余裕を見せている。

実は、ソニックの手足が長いのには理由があるようだ。IGNの独占インタビューでは、エグゼクティブ・プロデューサーのティム・ミラー氏が、手足について「現実世界だったらどうなるか、本物の動物だったらどうなるかを本作に取り入れるうえで、最初のステップでした」と語っている。また「彼を現実世界に溶け込ませるうえで大切な要素ですし、これが彼を本物の生き物にしているのです」と語っているように、実写映画というテーマを考慮し、“人間らしい手足”を生やしたのだろう。

「ソニック・ザ・ムービー」は多くのツッコミを食らったわけだが、そうした反応がネガティブだとは限らない。ある意味では、注目を集めることに成功したことになるからだ。また、「名探偵ピカチュウ」の“ふわふわ毛皮”についても議論がかわされたり、『モンスターハンター』の実写映画も「モンスターハンターらしさがない」という指摘を見かける。近年発表されたゲームの実写映画はどれも多かれ少なかれツッコミが入っており、それだけゲームを原作とした実写映画化は難しいということなのだろう。意図的に“リアルなソニック”が作られているならば、製作陣には哲学があるということ。続報が公開されれば、きっと手足の長さに込められたメッセージが見えてくるはずだ。

「ソニック・ザ・ムービー」では、ソニックとバディを組む警官役に、『X-MEN』 シリーズのサイクロプス役を務めたジェームズ・マースデン氏をキャスティングされている。そして、狂気のマッドサイエンティスト ドクター・エッグマンは、ジム・キャリー氏が務める。『ワイルド・スピード』シリーズのニール・H・モリッツと、『デッドプール』のティム・ミラーがプロデュースし、監督は2004 年に「Gopher Broke(原題)」がアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされたジェフ・フォウラー氏が担当する。