『Fallout 76』限定版に同梱された「特製バッグ」に批判集まる。Bethesdaは謝罪し購入者に500アトム提供

 

Bethesda Softworksの『Fallout 76』では、実物大で実際に着用可能なT-51パワーアーマーヘルメットを同梱する、限定生産の「Fallout 76 Power Armor Edition」が発売されたことで話題となった。日本でも発売されたこのパッケージには、パワーアーマーヘルメットやゲーム本編のほか、暗闇で光るワールドマップや24種類のミニフィギュア、特製スチールブックケース、ゲーム内アイテムを収録。そして、パワーアーマーヘルメットを収納できる「ウエストテック社キャンバスダッフルバッグ」も付属する。ただ、このバッグをめぐってBethesdaが対応に追われている。

パワーアーマーを製造したとされる架空の企業West Tek(ウエストテック)社のロゴが入ったダッフルバッグであるが、実際に「Power Armor Edition」を購入したユーザーから、その素材はアイテム名および商品説明にてうたわれたキャンバス(帆布)ではなく、ナイロンではないかという指摘が出ている。確かに、購入者が投稿した実物の写真やYouTubeなどでの開封動画を見てみると、テカテカとした光沢のある素材で、シワや光の透け具合からすると薄いナイロンのように見える。製品のサンプル画像では、風合いのあるキャンバスといった雰囲気だったが、実物はそれとはまったく異なる。

こうした指摘や不満は、たとえば米国Amazonの本製品のレビュー欄にも多数書き込まれていた。そして、あるユーザーがこの件についてBethesdaに問い合わせをおこない、その回答がRedditなどを通じて公にされたことで、いま改めて大きな注目を集めている。それによると、Bethesdaのサポート担当者は、キャンバスの素材が入手困難だったことから、ナイロン素材に変更せざるを得なかったと回答し、実際のダッフルバッグがナイロン製であることを正式に認めている。また、「Power Armor Edition」を直販していたBethesda公式ストアのサポート担当者は、サンプル画像に写っているダッフルバッグはプロトタイプであり、実際の製品向けにはコストがかかり過ぎたという旨の回答を寄せている。

Redditでは、「このバッグはただバグがあるだけだから、すぐにパッチが当てられるはず」「友人と持てば楽しいバッグ」「まだB.E.T.A.段階のバッグだから慌てるな」など、本作を意識したコメントが飛び交っている。

キャンバスは一般的な素材であり、入手困難というのはやや解せない部分はあるが、ナイロンと比べるとコストがかかるのは想像できる。ただ、BethesdaはRedditにて、公式ストアのサポート担当者は一時雇用の従業員であり、Bethesdaが直接雇っているわけでもないとし、さらにコストについて述べた当従業員の回答は間違いであるうえ、同社の行動規範に反しているとコメント。そして、キャンバス素材が入手困難だったとする説明を繰り返した。

理由はどうあれ、問題は素材を変更しておきながら、その告知をしないままキャンバスダッフルバッグとして発売したことだろう。それなりに質感の良いものであればまだしも、チープな薄いナイロンバッグとなったことが一部購入者のガッカリ感を増幅させている。「Power Armor Edition」はまだ販売されているショップがあるが、その記載やサンプル画像には今も特に修正は加えられていない。一方、すでに売り切れのBethesda公式ストアでは「Nylon Carrying Bag」と修正されている。いつ修正されたのかは不明だが、Googleキャッシュを見ると、『Fallout 76』の発売日を過ぎた後もキャンバスと記載していたことは確認できる。

コミュニティからの大きな批判を受けて、BethesdaはFallout公式Twitterアカウントを通じて謝罪。そして、「Power Armor Edition」の購入者に500アトム(『Fallout 76』のゲーム内通貨)を提供すると発表した。Bethesda.netのサポートサイトを通じて申請する形となり、名前とメールアドレスが確認できる購入時のレシート(あるいはその代わりとなるもの)を提示する必要がある。詳しい手続き方法は、サポートサイトのFAQを参照していただきたい。なお、日本版の購入者に対しても500アトムが提供されるのかどうかは現時点では不明である。